管理会社の守ること — 分別管理・帳簿・報告・処分
この話の舞台
5月
到達目標と条件
目標1お金の通り道を口座名と期限で言える(家賃等管理口座と固有財産口座を分け、帳簿でも物件ごとに区分する)。
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 口座 | 家賃等管理口座と固有財産管理口座を明確に区分 | 16条・施行規則36条 |
| 帳簿 | 契約ごとに6事項を記載、事業年度末閉鎖・5年保存 | 18条・施行規則38条 |
| 秘密保持 | 業務中も退職後も継続、違反は本人に30万円以下の罰金 | 21条・44条7号・45条 |
くわしく(4項目)
- 家賃等(家賃・敷金・共益費等)は、家賃等管理口座を固有財産の口座と明確に区分して管理する(賃貸住宅管理業法16条・施行規則36条)。
- 口座を分けるだけでは足りず、帳簿でどの管理受託契約に係る金銭かが直ちに判別できる状態にする。
- 帳簿には委託者の氏名・契約年月日・対象賃貸住宅・業務内容・報酬額・特約等の6事項を記載し、事業年度末に閉鎖して5年間保存する(施行規則38条)。
- 業務上知り得た秘密は、正当な理由がなければ漏らせない。賃貸住宅管理業を営まなくなった後も同じ義務が続く(21条)。
目標2誰に頼んでいいか、誰に言っていいかを言える(全部再委託・名義貸しは禁止、標識と従業者証明書を守る)。
| 禁止事項 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 全部再委託 | 管理業務の全部の再委託は禁止。一部(清掃等)は可 | 15条 |
| 名義貸し | 自己の名義で他人に営ませることは禁止 | 11条・41条3号 |
| 標識・証明書 | 様式指定の標識を掲示、証明書は携帯・請求時提示 | 17条・19条・施行規則37・39条 |
くわしく(4項目)
- 管理業務の全部を他の者に再委託することはできない。清掃など一部の再委託は禁止されていない(15条)。
- 自己の名義をもって他人に賃貸住宅管理業を営ませる名義貸しは禁止(11条)。違反は1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(41条3号)。
- 標識は営業所・事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、定められた様式で掲げる(19条・施行規則39条)。
- 従業者証明書は業務に従事する者全員に携帯させ、請求があれば提示する(17条)。内部管理事務のみの者は対象外。
目標3年1回の定期報告と、違反したときの処分の重さを言える(業務改善命令→業務停止→登録取消し、廃業届30日以内)。
| 段階 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 定期報告 | 1年ごと+契約終了後遅滞なく、記載3事項 | 20条・施行規則40条 |
| 業務改善命令 | 業務の方法の変更等の改善措置を命令 | 22条 |
| 業務停止・登録取消し | 命令違反、不正登録、1年未開業/1年以上休業等 | 23条 |
| 廃業届・立入検査 | 廃業等は30日以内に届出。国は報告徴収・立入検査可 | 9条・26条・27条 |
くわしく(4項目)
- 定期報告は契約締結日から1年を超えない期間ごと、及び契約期間満了後遅滞なく行う(20条・施行規則40条1項)。
- 記載事項は「報告の対象となる期間」「管理業務の実施状況」「入居者からの苦情の発生状況及び対応状況」の3つ。書面のほか委託者の承諾があれば電磁的方法も可。
- 監督は軽い順に、業務改善命令(22条)→業務停止命令・登録取消し(23条)。登録後1年以内の未開業・1年以上の休業も取消し事由。
- 廃業等の届出は30日以内(9条)。届出の有無にかかわらず登録は失効するが、締結済み契約の結了目的の範囲内では業務を続けられる(27条)。国は報告徴収・立入検査ができる(26条)。
覚える数字と条文
| 数字・条文 | 内容 |
|---|---|
| 賃貸住宅管理業法16条・施行規則36条 | 家賃等管理口座は固有財産の口座と明確に区分し、帳簿でどの契約に係るかを直ちに判別できる状態にする。 |
| 施行規則38条 | 帳簿の記載事項は6つ(委託者名・契約年月日・対象賃貸住宅・業務内容・報酬額・特約等)。事業年度末に閉鎖し5年間保存。電子記録での代替可。 |
| 賃貸住宅管理業法21条 | 秘密保持義務は業務中も、賃貸住宅管理業を営まなくなった後も続く。違反(44条7号)は本人に30万円以下の罰金で、45条により法人への両罰規定は適用されない。 |
| 賃貸住宅管理業法15条 | 管理業務の全部の再委託は禁止。一部(清掃等)の再委託は禁止されていない。 |
| 賃貸住宅管理業法11条 | 名義貸しの禁止。違反は41条3号により1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金。 |
| 賃貸住宅管理業法17条・19条、施行規則37条・39条 | 従業者証明書は携帯必須・請求時提示、標識は営業所ごとに定められた様式で公衆の見やすい場所に掲示。 |
| 施行規則40条1項 | 定期報告は契約締結日から1年を超えない期間ごと、及び契約期間満了後遅滞なく。記載事項は「対象期間・実施状況・苦情の発生状況及び対応状況」の3つ。 |
| 賃貸住宅管理業法22条・23条 | 業務改善命令(22条)に従わない等の場合、業務停止命令・登録取消し(23条)。登録後1年以内の未開業、1年以上の業務休止も取消し事由。 |
| 賃貸住宅管理業法9条・27条 | 廃業等の届出は30日以内。登録は届出の有無にかかわらず失効するが、締結済み契約を結了する目的の範囲内では、なお賃貸住宅管理業者とみなされ業務を続けられる。 |
| 賃貸住宅管理業法26条 | 国土交通大臣は報告徴収・立入検査ができる。犯罪捜査のためのものと解してはならない(行政調査)。 |
実務の流れ→ 横にスクロール
ひっかけ 10件
- 「管理戸数20戸以下なら口座を一つにできる」という誤り(施行規則36条に戸数の例外はない)。
- 「家賃等管理口座の金銭は全額直ちに賃貸人へ交付しなければならない」という誤り(管理報酬分を一時的に残すことは差し支えない)。
- 「帳簿は固有財産の帳簿と分ければ足りる」という誤り(契約ごとに直ちに判別できる状態にする必要がある)。
- 「秘密保持義務は廃業するまで存続する」という誤り(賃貸住宅管理業を営まなくなった後も存続し、期限は区切られていない)。
- 「秘密漏洩は会社だけが罰金に処せられる」という誤り(44条7号は45条の両罰規定の対象外で、行為者本人が罰せられる)。
- 「再委託先が賃貸住宅管理業者であれば全部を再委託できる」という誤り(15条は相手の資格を問わず全部再委託を禁止)。
- 「標識は本店にだけ掲示すればよい」「様式は自由」という誤り(営業所・事務所ごとに定められた様式で掲示)。
- 「証明書の提示は請求がなくても必要」という誤り(提示義務は請求があったときだけ。携帯は請求の有無を問わず必要)。
- 「定期報告の記載事項に家賃等金銭の収受状況が含まれる」という誤り(記載3事項は対象期間・実施状況・苦情の発生状況及び対応状況)。
- 「登録の更新をしなければ結了目的の業務もできない」という誤り(27条により、結了目的の範囲内ではなお賃貸住宅管理業者とみなされる)。
到達目標(教科書)
目標1お金の通り道を口座名と期限で言える(家賃等管理口座と固有財産口座を分け、帳簿でも物件ごとに区分する)。
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 口座 | 家賃等管理口座と固有財産管理口座を明確に区分 | 16条・施行規則36条 |
| 帳簿 | 契約ごとに6事項を記載、事業年度末閉鎖・5年保存 | 18条・施行規則38条 |
| 秘密保持 | 業務中も退職後も継続、違反は本人に30万円以下の罰金 | 21条・44条7号・45条 |
- 家賃等(家賃・敷金・共益費等)は、家賃等管理口座を固有財産の口座と明確に区分して管理する(賃貸住宅管理業法16条・施行規則36条)。
- 口座を分けるだけでは足りず、帳簿でどの管理受託契約に係る金銭かが直ちに判別できる状態にする。
- 帳簿には委託者の氏名・契約年月日・対象賃貸住宅・業務内容・報酬額・特約等の6事項を記載し、事業年度末に閉鎖して5年間保存する(施行規則38条)。
- 業務上知り得た秘密は、正当な理由がなければ漏らせない。賃貸住宅管理業を営まなくなった後も同じ義務が続く(21条)。
目標2誰に頼んでいいか、誰に言っていいかを言える(全部再委託・名義貸しは禁止、標識と従業者証明書を守る)。
| 禁止事項 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 全部再委託 | 管理業務の全部の再委託は禁止。一部(清掃等)は可 | 15条 |
| 名義貸し | 自己の名義で他人に営ませることは禁止 | 11条・41条3号 |
| 標識・証明書 | 様式指定の標識を掲示、証明書は携帯・請求時提示 | 17条・19条・施行規則37・39条 |
- 管理業務の全部を他の者に再委託することはできない。清掃など一部の再委託は禁止されていない(15条)。
- 自己の名義をもって他人に賃貸住宅管理業を営ませる名義貸しは禁止(11条)。違反は1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(41条3号)。
- 標識は営業所・事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、定められた様式で掲げる(19条・施行規則39条)。
- 従業者証明書は業務に従事する者全員に携帯させ、請求があれば提示する(17条)。内部管理事務のみの者は対象外。
目標3年1回の定期報告と、違反したときの処分の重さを言える(業務改善命令→業務停止→登録取消し、廃業届30日以内)。
| 段階 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 定期報告 | 1年ごと+契約終了後遅滞なく、記載3事項 | 20条・施行規則40条 |
| 業務改善命令 | 業務の方法の変更等の改善措置を命令 | 22条 |
| 業務停止・登録取消し | 命令違反、不正登録、1年未開業/1年以上休業等 | 23条 |
| 廃業届・立入検査 | 廃業等は30日以内に届出。国は報告徴収・立入検査可 | 9条・26条・27条 |
- 定期報告は契約締結日から1年を超えない期間ごと、及び契約期間満了後遅滞なく行う(20条・施行規則40条1項)。
- 記載事項は「報告の対象となる期間」「管理業務の実施状況」「入居者からの苦情の発生状況及び対応状況」の3つ。書面のほか委託者の承諾があれば電磁的方法も可。
- 監督は軽い順に、業務改善命令(22条)→業務停止命令・登録取消し(23条)。登録後1年以内の未開業・1年以上の休業も取消し事由。
- 廃業等の届出は30日以内(9条)。届出の有無にかかわらず登録は失効するが、締結済み契約の結了目的の範囲内では業務を続けられる(27条)。国は報告徴収・立入検査ができる(26条)。
賃貸住宅管理業者による金銭の分別管理に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
正解: 2. 賃貸住宅管理業者は、賃貸住宅が共有物であって、共有者全員との間で一つの管理受託契約を締結している場合には、管理業務において受領する家賃等の金銭につき、それぞれの共有者に分けて勘定を設け管理する必要はない。
- ① × 誤り。選択肢は「敷金について、他の金銭と分けて管理しなければならない」とするが、施行規則36条が求める分別管理は「固有財産との口座区分」と「帳簿での契約ごとの判別」であり、敷金だけをさらに他の家賃等金銭と分けて管理する義務までは課されていない。
- ② ○ 正しい。共有者全員との間で1つの管理受託契約を締結している場合、分別管理はその管理受託契約単位で行えばよく、共有者ごとに勘定を分ける必要はない。
- ③ × 誤り。選択肢は「速やかに全額を引き渡し、修繕費用を口座から拠出できない」とするが、賃貸人が負担すべき修繕工事費用を家賃等管理口座からいったん拠出することは差し支えない。
- ④ × 誤り。選択肢は「管理報酬分を固有財産の口座に移し替えてはならない」とするが、家賃等管理口座から管理報酬分の金額を固有財産の口座へ移し替えること自体は差し支えない。
- 条文: 施行規則36条「…口座を自己の固有財産を管理するための口座と明確に区分し、かつ、当該金銭がいずれの管理受託契約に基づく管理業務に係るものであるかが自己の帳簿…により直ちに判別できる状態で管理する方法とする」
- 引っかけ: 単位の誤り・義務の過大化(契約単位の区分を共有者単位に細分化させる誤り、敷金の別枠管理や報酬移替え禁止という存在しない義務を作る誤り)。
- まとめ: 分別管理の単位は「管理受託契約ごと」。共有者ごとの細分や敷金の別枠管理までは求められない。
管理業法における管理受託契約に基づく管理業務で受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭(以下、本問において「家賃等」という。)に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
正解: 2. 家賃等を管理する帳簿と賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する帳簿の分別については、少なくとも、家賃等を管理する帳簿を同一帳簿として賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する帳簿と分別すれば足りる。
- ① ○ 正しい。口座の分別は、家賃等をまとめて管理する口座を一つ設け、自己の固有財産の口座と区分すれば足り、契約ごとに口座を分ける必要はない(施行規則36条)。
- ② × 誤り。帳簿については、固有財産の帳簿と区分するだけでは足りず、家賃等がどの管理受託契約に係るものかが直ちに判別できる状態、つまり契約ごとの区分までが必要(施行規則36条)。
- ③ ○ 正しい。いったん家賃等管理口座に全額を受け入れ、その中から管理報酬分を固有財産の口座へ移し替える方法は差し支えない。
- ④ ○ 正しい。逆に固有財産の口座にいったん全額を受け入れ、報酬分を除いた額を家賃等管理口座へ移し替える方法も、最終的に区分・判別できていれば差し支えない。
- 条文: 施行規則36条「…自己の固有財産を管理するための口座と明確に区分し、かつ、当該金銭がいずれの管理受託契約に基づく管理業務に係るものであるかが自己の帳簿…により直ちに判別できる状態で管理する方法とする」
- 引っかけ: 口座と帳簿の基準の入れ替え(口座は『固有財産との区分』で足りるが、帳簿は『契約ごとの判別』まで必要、という基準の違いを逆にする誤り)。
- まとめ: 口座は固有財産と分ければ足りるが、帳簿は契約ごとに直ちに判別できる状態にする必要がある。
管理業法に規定する秘密を守る義務に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。ア 秘密を守る義務は、管理受託契約が終了した後は賃貸住宅管理業を廃業するまで存続する。イ 賃貸住宅管理業者の従業者として秘密を守る義務を負う者には、アルバイトも含まれる。ウ 賃貸住宅管理業者の従業者として秘密を守る義務を負う者には、再委託を受けた者も含まれる。エ 株式会社たる賃貸住宅管理業者の従業者が会社の命令により秘密を漏らしたときは、会社のみが 30 万円以下の罰金に処せられる。
正解: 2. イ、ウ
- ア × 誤り。選択肢は「廃業するまで存続する」とするが、実際は21条1項後段により、賃貸住宅管理業を営まなくなった後においても秘密保持義務は存続し、期限は区切られていない。
- イ ○ 正しい。21条2項の「使用人その他の従業者」には、正規・非正規を問わずアルバイト等も含まれる。
- ウ ○ 正しい。管理業務を再委託された者も、業務を補助する「従業者」として秘密保持義務の対象に含まれる。
- エ × 誤り。選択肢は「会社のみが罰金」とするが、実際は44条7号・45条により、秘密漏洩(21条違反)は両罰規定の対象外で、行為者本人が30万円以下の罰金に処せられ、法人は罰せられない。
- 正しいのは イ・ウ の組合せ。
- 条文: 賃貸住宅管理業法21条1項「…賃貸住宅管理業を営まなくなった後においても、同様とする」
- 条文: 賃貸住宅管理業法45条「…第四十一条から前条まで(同条第七号を除く。)の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する」
- 引っかけ: 主語の入れ替え(秘密漏洩の罰則を、本人ではなく会社だけにかかると逆にする誤り)と、期限のすり替え(義務の終期を「廃業まで」と区切る誤り)。
- まとめ: 秘密保持義務は廃業後も存続し、対象はアルバイト・再委託先も含む。漏洩の罰則は行為者本人にかかり、法人への両罰規定は適用されない。
管理業法における登録及び業務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
正解: 2. 賃貸住宅管理業者である法人が合併により消滅したときは、その法人の代表役員であった者が国土交通大臣に届け出なくても、賃貸住宅管理業の登録は効力を失う。
- ① × 誤り。選択肢は「死亡日から30日以内」とするが、9条1項は「その事実を知った日から30日以内」と定めており、死亡日そのものが起算点ではない。
- ② ○ 正しい。9条2項により、法人が合併により消滅する等、9条1項各号の事由に該当すれば、届出の有無にかかわらず登録はその効力を失う。
- ③ × 誤り。選択肢は「役員にはなれないが業務管理者にはなれる」とするが、業務管理者の要件を定める12条4項は6条1項1号〜7号のいずれにも該当しないことを求めており、破産者(6条1項2号)は業務管理者にもなれない。
- ④ × 誤り。選択肢は「公衆の見やすい場所を確保できなければホームページ掲示でよい」とするが、19条は営業所・事務所ごとに公衆の見やすい場所への掲示を求めており、ホームページへの代替は認められていない。
- 条文: 賃貸住宅管理業法9条2項「賃貸住宅管理業者が前項各号のいずれかに該当することとなったときは、第三条第一項の登録は、その効力を失う」
- 条文: 賃貸住宅管理業法12条4項「業務管理者は、第六条第一項第一号から第七号までのいずれにも該当しない者で…」
- 引っかけ: 起算点のすり替え(『死亡日』と『死亡を知った日』を混同する誤り)、欠格事由の適用範囲の誤り。
- まとめ: 登録の失効は届出の有無にかかわらず生じる。破産者は役員にも業務管理者にもなれない。
賃貸住宅管理業者の業務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
正解: 4. 賃貸住宅管理業者は、管理業務の一部を再委託することができるが、管理業務の適正性を確保するため、再委託先は賃貸住宅管理業者としなければならない。
- ① ○ 正しい。賃貸住宅管理業者は建物所有者や入居者等の視点に立ち、信義誠実に業務を行うことで紛争を防止する必要があるとされている。
- ② ○ 正しい。11条の名義貸し禁止に違反すると、41条3号により、名義を貸した業者側が1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金の対象になり、名義を借りた他人が登録を受けているかどうかは問われない。
- ③ ○ 正しい。従業者証明書の携帯対象は、正規・非正規を問わず賃貸住宅管理業に従事する直接雇用者で、内部管理事務のみに従事する者は対象外とされる。
- ④ × 誤り。選択肢は「再委託先は賃貸住宅管理業者としなければならない」とするが、15条が禁止するのは管理業務の「全部」の再委託であり、一部(清掃等)の再委託先が賃貸住宅管理業者である必要はない。
- 条文: 賃貸住宅管理業法11条「賃貸住宅管理業者は、自己の名義をもって、他人に賃貸住宅管理業を営ませてはならない」
- 条文: 賃貸住宅管理業法15条「賃貸住宅管理業者は、委託者から委託を受けた管理業務の全部を他の者に対し、再委託してはならない」
- 引っかけ: 資格要件の創作(一部再委託の相手にまで登録業者であることを要求する誤り)。
- まとめ: 名義貸しは相手の登録の有無を問わず違反。一部再委託の相手は登録業者でなくてよい。
賃貸住宅管理業法の義務及び監督に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。ア 国土交通大臣は、賃貸住宅管理業者に対し業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができるが、その命令の根拠となる賃貸住宅管理業者の違反行為は、その処分をしようとする日から過去5年以内に行われたものが対象となる。イ 賃貸住宅管理業法は誇大広告等の禁止、不当な勧誘等の禁止等、特定賃貸借契約の勧誘について規律を定めており、特定転貸事業者だけでなく、建設業者や不動産業者等であっても特定賃貸借契約の勧誘者に該当すれば、法律上の義務が課される。ウ 賃貸住宅管理業者が登録の更新をせず、登録が効力を失った場合には、登録に係る賃貸住宅管理業者であった者は、当該賃貸住宅管理業者が締結した管理受託契約に基づく業務を結了する目的の範囲内であっても、その業務を実施することができない。エ 国土交通大臣は、賃貸住宅管理業者が登録を受けてから1年以内に業務を開始せず、又は引き続き1年以上業務を行っていないと認めるときは、その登録を取り消すことができる。
正解: 3. 3つ
- ア ○ 正しい(本コースの一次資料では、この「過去5年以内」という期間制限を定める条文そのものは確認できなかったが、正誤は過去問解答に従った。sources.mdに未確認事項として記載)。
- イ ○ 正しい。28条は「特定転貸事業者又は勧誘者」を規律対象とし、勧誘者は特定転貸事業者が勧誘を行わせる者で、建設業者や不動産業者等であってもこれに該当すれば28条・29条の義務が課される。
- ウ × 誤り。選択肢は「結了目的の範囲内であっても業務を実施できない」とするが、27条により、登録の更新をしなかった場合等でも、締結済みの管理受託契約に基づく業務を結了する目的の範囲内では、なお賃貸住宅管理業者とみなされ業務を実施できる。
- エ ○ 正しい。23条2項のとおり、登録後1年以内に業務を開始しない、又は引き続き1年以上業務を行っていないときは、登録を取り消すことができる。
- ○は3個(ア・イ・エ)。
- 条文: 賃貸住宅管理業法28条「特定転貸事業者又は勧誘者(特定転貸事業者が特定賃貸借契約の締結についての勧誘を行わせる者をいう。以下同じ。)…」
- 条文: 賃貸住宅管理業法27条「…業務を結了する目的の範囲内においては、なお賃貸住宅管理業者とみなす」
- 条文: 賃貸住宅管理業法23条2項「国土交通大臣は、賃貸住宅管理業者が登録を受けてから一年以内に業務を開始せず、又は引き続き一年以上業務を行っていないと認めるときは、その登録を取り消すことができる」
- 引っかけ: 結了業務の可否の逆転(27条で認められている結了目的の業務継続を、できないと逆にする誤り)。
- まとめ: 勧誘者は建設業者等でも28・29条の対象。登録更新をしなくても結了目的の業務はできる。1年未開業・1年以上休業は登録取消し事由。
賃貸住宅管理業法に基づく定期報告に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。ア 賃貸住宅管理業者が管理業務報告書に記載することが法令で義務付けられている事項以外についても、賃貸人の求めがあれば、管理受託契約における委託業務の全てについて報告することが望ましい。イ 管理業務報告書に係る説明方法は問われないが、賃貸人と説明方法について協議の上、双方向でやりとりできる環境を整え、賃貸人が管理業務報告書の内容を理解したことを確認する必要がある。ウ 新たに管理受託契約を締結した日から1年を超えない期間ごとに報告が行われていれば、前回報告から1年を超えない期間内に契約期間満了によって当該契約が更新されず終了するときは、期間の満了に伴う報告は不要である。エ 賃貸人の承諾を得て電子メールで管理業務報告書を賃貸人に提供する場合、提供を行う賃貸住宅管理業者は、送信した管理業務報告書のデータを保存するよう努めるものとする。
正解: 3. 3つ
- ア ○ 正しい。施行規則40条1項の記載事項は法定の最小限であり、賃貸人の求めがあれば、それ以外の委託業務の状況についても報告することが望ましいとされている。
- イ ○ 正しい。管理業務報告書の説明方法自体は問われないが、双方向でやりとりできる環境を整え、賃貸人が内容を理解したことを確認する必要がある。
- ウ × 誤り。選択肢は「期間満了に伴う報告は不要」とするが、施行規則40条1項は、1年ごとの定期報告に加えて「管理受託契約の期間の満了後遅滞なく」の報告も求めており、直近の定期報告から1年以内でも契約終了時の報告は必要。
- エ ○ 正しい。電子メールで提供する場合、提供を行う賃貸住宅管理業者は、送信した管理業務報告書のデータを保存するよう努めるものとされている。
- ○は3個(ア・イ・エ)。
- 条文: 施行規則40条1項「…管理受託契約を締結した日から一年を超えない期間ごとに、及び管理受託契約の期間の満了後遅滞なく…管理業務報告書を作成し…」
- 引っかけ: 終了時報告の省略(直近の定期報告から1年以内なら契約終了時の報告が不要になるとする誤り)。
- まとめ: 定期報告は「1年ごと」と「契約終了後遅滞なく」の両方が必要で、片方を満たしても他方は省略できない。
賃貸住宅管理業法に基づく賃貸住宅管理業者の義務及び監督に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。ア 賃貸住宅管理業者が合併により消滅し、その存続会社が賃貸住宅管理業の登録を受けていない者である場合は、存続会社は合併前の賃貸住宅管理業者が締結した管理受託契約に基づく業務を結了する目的の範囲内においてその業務を実施できるが、賃貸住宅管理業法の定める規定に従う必要がある。イ 賃貸住宅管理業者は、賃貸住宅管理業を行う営業所の新設、廃止、所在地の変更があったときは、その日から30日以内に登記事項証明書を添付し国土交通大臣に変更届を提出する必要があり、これに違反した場合には監督処分や罰則の対象となる。ウ 賃貸住宅管理業者は、再委託先に対して指導監督の義務を負うことで管理受託契約の一部を再委託することができるが、再委託先が賃貸住宅管理業法の登録を受けた賃貸住宅管理業者であれば、受託した管理業務の全てについて他者に再委託することができる。エ 賃貸住宅管理業者には、その業務に従事する従業者に従業者証明書を携帯させる義務が課されており、これに違反した場合には監督処分や罰則の対象となる。
正解: 3. 3つ
- ア ○ 正しい。27条により、合併で登録が失効しても、存続会社は締結済みの管理受託契約に基づく業務を結了する目的の範囲内で業務を実施でき、その際は賃貸住宅管理業法の規定に従う。
- イ ○ 正しい。7条1項により、営業所の新設・廃止・所在地変更等の登録事項に変更があれば30日以内に届け出る必要があり、違反すれば44条1号により30万円以下の罰金の対象になる。
- ウ × 誤り。選択肢は「再委託先が登録業者であれば受託した管理業務の全部を再委託できる」とするが、15条は管理業務の全部の再委託を、相手が登録業者であっても一律に禁止している。
- エ ○ 正しい。17条1項により従業者証明書の携帯義務があり、違反すれば44条5号により30万円以下の罰金の対象になる。
- 正しいのは ア・イ・エ の3つ。
- 条文: 賃貸住宅管理業法27条「…業務を結了する目的の範囲内においては、なお賃貸住宅管理業者とみなす」
- 条文: 賃貸住宅管理業法7条1項「賃貸住宅管理業者は、第四条第一項各号に掲げる事項に変更があったときは、その日から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない」
- 条文: 賃貸住宅管理業法15条「賃貸住宅管理業者は、委託者から委託を受けた管理業務の全部を他の者に対し、再委託してはならない」
- 引っかけ: 例外の創作(再委託先が登録業者なら全部再委託できるとする誤り)。
- まとめ: 全部再委託はどんな相手でも禁止。変更届出・証明書携帯は違反すれば罰則の対象。
賃貸住宅管理業法における登録を受けた賃貸住宅管理業者の財産の分別管理に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、管理受託契約に基づいて受領する家賃等を管理する口座を「家賃等管理口座」、賃貸住宅管理業者の固有の財産を管理する口座を「固有財産管理口座」とする。
正解: 4. 家賃等管理口座に預入された金銭は、現金預金や管理手数料収入、修繕費などの勘定科目に、物件名や顧客名を入れた補助科目を付して仕分けを行うことにより、他の管理受託契約に基づく管理業務において受領する家賃等との分別管理とすることができる。
- ① × 誤り。選択肢は「管理報酬分を除いた家賃等だけを家賃等管理口座に入れる」とするが、実際は家賃等の全額をいったん家賃等管理口座に入金してよく、分けて入金する義務はない。
- ② × 誤り。選択肢は「管理戸数20戸以下なら口座を一つにできる」とするが、施行規則36条に戸数による例外規定はなく、口座は常に明確に区分する必要がある。
- ③ × 誤り。選択肢は「全額を直ちに交付し、固有財産の一定額を残せない」とするが、実際は管理報酬など固有財産に属する金銭を口座に一時的に残しておくことは差し支えない。
- ④ ○ 正しい。口座を分けたうえで、勘定科目に物件名等の補助科目を付し、帳簿上直ちに判別できる状態にすれば分別管理といえる(施行規則36条)。
- 条文: 施行規則36条「…口座を自己の固有財産を管理するための口座と明確に区分し、かつ、当該金銭がいずれの管理受託契約に基づく管理業務に係るものであるかが自己の帳簿…により直ちに判別できる状態で管理する方法とする」
- ※「補助科目を付して仕分け」は施行規則36条の「帳簿により直ちに判別できる状態」の一具体例にあたるので正しい。
- 引っかけ: 基準のすり替え(口座を追加で分ける義務・20戸の例外・全額即時交付義務、いずれも規則36条にない条件を作り出す誤り)。
- まとめ: 分別管理は「口座の区分」+「帳簿上の判別可能性」の2つで足り、戸数による例外や即時全額交付の義務はない。
管理受託契約における委託者への賃貸住宅管理業法に基づく定期報告に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
正解: 3. 賃貸住宅管理業法上、書面による定期報告が義務付けられている事項は、「管理業務の実施状況」、「入居者からの苦情の発生状況」、「家賃等金銭の収受状況」の3つである。
- ① ○ 正しい。管理業法施行前からの契約でも、施行後に更新すれば、期間延長のみの形式的更新であっても更新後は定期報告の対象になる。
- ② ○ 正しい。形式的な変更と認められない契約内容の変更を施行後に行えば、その時点から報告義務が生じる。
- ③ × 誤り。選択肢は記載事項を「実施状況・苦情の発生状況・家賃等金銭の収受状況」とするが、施行規則40条1項が定める記載事項は「報告の対象となる期間・管理業務の実施状況・入居者からの苦情の発生状況及び対応状況」の3つで、「金銭の収受状況」は含まれない。
- ④ ○ 正しい。電磁的方法による提供は委託者の承諾を得て可能だが、委託者が内容を理解したことを確認できる仕組みが必要(施行規則40条2〜4項)。
- 条文: 施行規則40条1項「…当該期間における管理受託契約に係る管理業務の状況について次に掲げる事項…一 報告の対象となる期間 二 管理業務の実施状況 三 管理業務の対象となる賃貸住宅の入居者からの苦情の発生状況及び対応状況」
- 引っかけ: 項目のすり替え(記載3事項のうち「報告の対象となる期間」を外し、法定事項にない「金銭の収受状況」にすり替える誤り)。
- まとめ: 定期報告の記載事項は「対象期間・実施状況・苦情の発生状況及び対応状況」の3つ。金銭の収受状況は含まれない。
賃貸住宅管理業法に基づく賃貸住宅管理業者の帳簿の備付け等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
正解: 2. 賃貸住宅管理業者は、その業務に関する帳簿を営業所又は事務所ごとに備え付けるのではなく、本店等に集約して備え付けなければならない。
- ① ○ 正しい。電子計算機のファイルに記録され、事務所で機器を用いて明確に紙面表示できるなら、その記録をもって帳簿への記載に代えられる(施行規則38条2項)。
- ② × 誤り。選択肢は「本店等に集約して備え付ける」とするが、実際は営業所又は事務所ごとに帳簿を備え付ける義務がある(管理業法18条)。
- ③ ○ 正しい。委託者の商号等、契約年月日、対象賃貸住宅、業務内容、報酬額、特約等の6事項を記載する(施行規則38条1項)。
- ④ ○ 正しい。帳簿は各事業年度の末日で閉鎖し、閉鎖後5年間保存する(施行規則38条3項)。
- 条文: 賃貸住宅管理業法18条「…その営業所又は事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え付け…」
- 条文: 施行規則38条3項「…帳簿を各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、閉鎖後五年間当該帳簿を保存しなければならない」
- 引っかけ: 主語(備付け単位)の入れ替え(営業所・事務所ごとの備付けを、本店集約にすり替える誤り)。
- まとめ: 帳簿は営業所・事務所ごとに備え付け、事業年度末に閉鎖して5年間保存する。電子記録での代替も可能。
管理業法における賃貸住宅管理業者の業務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
正解: 4. 賃貸住宅管理業者は、再委託先が賃貸住宅管理業者であれば、管理業務の全部を複数の者に分割して再委託することができる。
- ① ○ 正しい。17条1項のとおり、従業者証明書を携帯させなければその者を業務に従事させられない。
- ② ○ 正しい。16条のとおり、家賃・敷金・共益費等は固有財産及び他の契約の金銭と分別管理する義務がある。
- ③ ○ 正しい。18条のとおり、営業所・事務所ごとに帳簿を備え付け、委託者ごとに契約年月日等を記載して保存する。
- ④ × 誤り。選択肢は「再委託先が賃貸住宅管理業者であれば分割して全部再委託できる」とするが、15条は管理業務の全部の再委託を、相手や分割の有無にかかわらず一律に禁止している。
- 条文: 賃貸住宅管理業法15条「賃貸住宅管理業者は、委託者から委託を受けた管理業務の全部を他の者に対し、再委託してはならない」
- 引っかけ: 例外の創作(相手が登録業者・複数者への分割なら全部再委託できるとする誤り)。
- まとめ: 管理業務の全部の再委託は、複数者に分割しても、相手が登録業者でも禁止される。
次の記述のうち、管理業法上、賃貸住宅管理業者が、委託者の承諾を得て行うことが可能な管理業務報告の方法として正しいものはいくつあるか。ア 賃貸住宅管理業者から委託者に管理業務報告書をメールで送信する方法 イ 賃貸住宅管理業者から委託者へ管理業務報告書をCD-ROMに記録して郵送する方法 ウ 賃貸住宅管理業者が設置する委託者専用のインターネット上のページで、委託者が管理業務報告書を閲覧できるようにする方法 エ 賃貸住宅管理業者から委託者に管理業務報告書の内容を電話で伝える方法
正解: 3. 3つ
- ア ○ 正しい。電子メールでの送信は、電子情報処理組織を使用する方法として施行規則40条2項1号イに定める電磁的方法にあたる。
- イ ○ 正しい。CD-ROM等の電磁的記録媒体に記載事項を記録して交付する方法は、施行規則40条2項2号に定める電磁的方法にあたる。
- ウ ○ 正しい。委託者専用のウェブページで報告書を閲覧させる方法は、施行規則40条2項1号ロ・ハに定める電磁的方法にあたる。
- エ × 誤り。電話で内容を伝える方法は、記載事項をファイルに記録し委託者が書面を作成できる状態にする施行規則40条2項の「電磁的方法」のいずれにも該当しない。
- ○は3個(ア・イ・ウ)。
- 条文: 施行規則40条2項「…委託者の承諾を得て…記載事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって次に掲げるもの…により提供することができる…二 電磁的記録媒体をもって調製するファイルに記載事項を記録したものを交付する方法」
- 引っかけ: 手段の範囲の誤解(記録が残らない口頭伝達=電話を、電磁的方法に含めてしまう誤り)。
- まとめ: 電磁的方法はメール・記録媒体交付・ウェブ閲覧のいずれも可だが、記録の残らない電話は含まれない。
賃貸住宅管理業者であるAと賃貸人Bとの間の管理受託契約における、家賃等の金銭管理を行う業務についての次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解: 4. Aは、Bの承諾があれば、金銭管理を行う業務を第三者に再委託することができる。
- ① × 誤り。選択肢は「Bの指揮命令に従う」とするが、管理受託契約は委任的性質であり、Aは専門家としての善管注意義務(民法644条)に基づき自らの判断で業務を行う立場であって、逐一Bの指揮命令に従う関係ではない。
- ② × 誤り。選択肢は「自らの財産を管理するのと同程度の注意」とするが、受任者に求められるのは「善良な管理者の注意」(善管注意義務、民法644条)であり、自己の財産に対するのと同一の注意ではより緩い基準になってしまう。
- ③ × 誤り。選択肢は「利息を除いた額を引き渡すことができる」とするが、受任者は委任事務処理にあたり受け取った金銭及びその金銭から生じた利息を委任者に引き渡す義務がある(民法646条1項)。
- ④ ○ 正しい。金銭管理業務のような管理業務の一部について、委託者の承諾を得て第三者に再委託することは禁止されていない(15条が禁止するのは管理業務の全部の再委託)。
- 条文: 民法644条「受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」
- 条文: 民法646条1項「受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない。その収取した果実についても、同様とする」
- 条文: 賃貸住宅管理業法15条「賃貸住宅管理業者は、委託者から委託を受けた管理業務の全部を他の者に対し、再委託してはならない」
- 引っかけ: 注意義務の水準のすり替え(善管注意義務を自己の財産並みの注意に緩める誤り、利息を委任者に引き渡さなくてよいとする誤り)。
- まとめ: 受任者は善管注意義務を負い、利息を含め受け取った金銭を委任者に引き渡す。管理業務の一部の再委託は承諾があれば可能。
賃貸住宅管理業法に基づく賃貸住宅管理業者の証明書の携帯等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
正解: 1. 賃貸住宅管理業者の従業者は、その業務を行うに際し、委託者その他の関係者から請求がないときは、従業者証明書を提示する義務はない。
- ① ○ 正しい。17条2項により、証明書の提示義務が生じるのは委託者その他の関係者から請求があったときであり、請求がなければ提示義務はない。
- ② × 誤り。選択肢は「一時的に従事する者は携帯させなくてよい」とするが、17条1項は一時的な従事者を除外しておらず、業務に従事させる以上は携帯させる義務がある。
- ③ × 誤り。選択肢は「様式に関する定めはない」とするが、施行規則37条により証明書の様式は別記様式第十一号と定められている。
- ④ × 誤り。選択肢は「罰則規定が適用されることはない」とするが、17条1項違反は44条5号により30万円以下の罰金の対象になる。
- 条文: 賃貸住宅管理業法17条2項「賃貸住宅管理業者の使用人その他の従業者は、その業務を行うに際し、委託者その他の関係者から請求があったときは、前項の証明書を提示しなければならない」
- 条文: 施行規則37条「法第十七条第一項の証明書の様式は、別記様式第十一号によるものとする」
- 引っかけ: 義務の緩和・否定(一時的な従事者を対象外にする誤り、様式が自由とする誤り、罰則なしとする誤り)。
- まとめ: 提示は請求時のみだが、携帯は全従業者・様式指定あり・違反は罰則あり。
あなたはツバサ。会社を廃業することになった場合、届出について正しいものはどれか。
正解: 1. 賃貸住宅管理業を廃止した日から30日以内に、国土交通大臣に届け出なければならない。
- ① ○ 正しい。管理業法9条1項5号により、賃貸住宅管理業を廃止したときは、その日から30日以内に国土交通大臣に届け出なければならない。
- ② × 誤り。廃業した場合、9条2項により登録はその効力を失う。届出の有無にかかわらず失効する。
- ③ × 誤り。期限は30日以内であり、90日ではない。
- ④ × 誤り。届出義務は時間の経過で消滅せず、届出を怠れば20万円以下の過料の対象になる。
- 条文: 賃貸住宅管理業法9条1項「賃貸住宅管理業者が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は…その日…から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない…五 賃貸住宅管理業を廃止したとき 賃貸住宅管理業者であった個人又は…役員」
- 条文: 賃貸住宅管理業法9条2項「賃貸住宅管理業者が前項各号のいずれかに該当することとなったときは、第三条第一項の登録は、その効力を失う」
- 引っかけ: 期限のずらし・効果の誤解(30日を90日に変える誤り、届出しないと登録が有効なままとする誤り)。
- まとめ: 廃業等の届出は30日以内。登録の失効は届出の有無にかかわらず生じる。
あなたはツバサ。国土交通省の職員が「業務の状況を確認したい」と事務所を訪ねてきた。正しい対応はどれか。
正解: 1. 身分証明書の提示を受けたうえで、業務の状況や帳簿書類の検査に応じる。
- ① ○ 正しい。管理業法26条1項・2項により、国土交通大臣の職員は身分証明書を携帯・提示のうえ、事務所等に立ち入り、業務状況や帳簿書類を検査できる。
- ② × 誤り。26条3項は「犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」と定めており、令状は不要な行政調査である。
- ③ × 誤り。業務改善命令を受けていなくても、立入検査は行われうる。
- ④ × 誤り。検査を拒み、妨げ、忌避すると、44条9号により30万円以下の罰金の対象になる。
- 条文: 賃貸住宅管理業法26条2項「前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない」
- 条文: 賃貸住宅管理業法26条3項「第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」
- 引っかけ: 性質の誤解(行政調査である立入検査を、犯罪捜査や事前の命令が必要な手続と混同する誤り)。
- まとめ: 立入検査は犯罪捜査ではない行政調査で、身分証提示のうえ行われ、拒否すれば罰則の対象になる。
賃貸住宅管理業法に基づく賃貸住宅管理業者の標識の掲示に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
正解: 4. 賃貸住宅管理業者は、標識の掲示場所が公衆の見やすい場所ではなかった場合、国土交通大臣から業務改善命令を受けることがある。
- ① × 誤り。選択肢は「本店にのみ掲示」とするが、19条は営業所又は事務所ごとに掲示を義務づけており、支店にも掲示が必要。
- ② × 誤り。選択肢は「様式に関する定めはない」とするが、施行規則39条により標識の様式は別記様式第十二号と定められている。
- ③ × 誤り。選択肢は「半年間休業していれば掲示不要」とするが、廃業等の届出をしていない限り登録は有効であり、標識の掲示義務は続く。
- ④ ○ 正しい。標識の掲示場所が公衆の見やすい場所でなければ19条違反となり、22条の業務改善命令の対象になりうる。
- 条文: 賃貸住宅管理業法19条「賃貸住宅管理業者は、その営業所又は事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令で定める様式の標識を掲げなければならない」
- 条文: 賃貸住宅管理業法22条「国土交通大臣は…必要があると認めるときは…業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる」
- 引っかけ: 義務の限定・否定(本店限定、様式自由、休業中は不要、という緩和を作る誤り)。
- まとめ: 標識は営業所・事務所ごとに定められた様式で掲示し、休業中でも登録が有効な限り義務は続く。違反は業務改善命令の対象。
賃貸住宅管理業法第20条に基づく委託者への定期報告に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。ア 委託者への定期報告は、法令上、口頭でも足りるとされているが、書面で行うことが望ましい。イ 委託者への定期報告は、管理受託契約を締結した日から1年を超えない期間ごとに行わなければならない。ウ 管理業務の対象となる賃貸住宅の入居者からの苦情の対応状況は、委託者への定期報告の対象に含まれる。エ 委託者への定期報告は、業務管理者が行う必要がある。
正解: 3. イ、ウ
- ア × 誤り。選択肢は「口頭でも足りる」とするが、施行規則40条1項は「管理業務報告書を作成し、これを委託者に交付して説明しなければならない」と定めており、書面(又は電磁的方法による記録)の作成・交付が必要で、口頭のみでは足りない。
- イ ○ 正しい。施行規則40条1項のとおり、管理受託契約を締結した日から1年を超えない期間ごとに報告する。
- ウ ○ 正しい。施行規則40条1項3号のとおり、入居者からの苦情の発生状況及び対応状況は定期報告の記載事項に含まれる。
- エ × 誤り。選択肢は「業務管理者が行う必要がある」とするが、管理業法20条・施行規則40条には、定期報告を業務管理者が行うべきとする規定はない。
- 正しいのは イ・ウ の組合せ。
- 条文: 賃貸住宅管理業法20条「賃貸住宅管理業者は、管理業務の実施状況その他の国土交通省令で定める事項について…定期的に、委託者に報告しなければならない」
- 条文: 施行規則40条1項「…管理業務報告書を作成し、これを委託者に交付して説明しなければならない…三 …入居者からの苦情の発生状況及び対応状況」
- 引っかけ: 要件の創作(口頭で足りる、業務管理者の関与が必須、という条文にない要件を作る誤り)。
- まとめ: 定期報告は書面等での作成・交付が必要で、1年ごとに苦情対応状況も含めて報告する。業務管理者の関与は要件ではない。
あなたはツバサ。5月27日、メゾン井上の家賃等管理口座に7戸分の家賃が振り込まれた。この口座について、次のうち正しいものはどれか。
正解: 1. 会社の固有財産を管理する口座とは別に、家賃等を管理する口座として明確に区分しなければならない。
- ① ○ 正しい。施行規則36条により、家賃等を管理する口座は自己の固有財産を管理する口座と明確に区分しなければならない。
- ② × 誤り。口座を分けずに帳簿だけで区分することは認められない。口座の区分と帳簿での判別、両方が必要。
- ③ × 誤り。契約(物件)ごとに口座を分ける義務はなく、複数物件の家賃等をまとめて1つの家賃等管理口座で管理してよい。
- ④ × 誤り。入金当日に全額送金する義務はなく、管理報酬分を控除して翌月に送金する等、通常の実務で差し支えない。
- 条文: 施行規則36条「…口座を自己の固有財産を管理するための口座と明確に区分し、かつ、当該金銭がいずれの管理受託契約に基づく管理業務に係るものであるかが自己の帳簿…により直ちに判別できる状態で管理する方法とする」
- 引っかけ: 基準の混同(口座の区分義務を帳簿だけで代替できるとする誤り、契約ごとに口座を分けると過大に要求する誤り)。
- まとめ: 分別管理は「固有財産との口座区分」+「帳簿での契約ごとの判別」の2つで足りる。
あなたはツバサ。家賃等管理口座には、メゾン井上だけでなく他の物件の家賃等も一緒に入金されている。この状態について正しいものはどれか。
正解: 1. 帳簿上、どの管理受託契約に係る金銭かが直ちに判別できる状態であれば、口座自体は複数物件で共通でよい。
- ① ○ 正しい。施行規則36条は口座を固有財産と区分すれば足り、複数物件の家賃等を同一の家賃等管理口座でまとめて管理することは禁止されていない。ただし帳簿でどの契約に係る金銭か直ちに判別できる状態が必要。
- ② × 誤り。複数物件の家賃等を同じ口座で管理すること自体は禁止されていない。
- ③ × 誤り。口座の区分だけでは足りず、帳簿での判別可能性も必要。
- ④ × 誤り。帳簿でいずれの管理受託契約に係るものかを判別できる状態にすることは施行規則36条の義務である。
- 条文: 施行規則36条「…当該金銭がいずれの管理受託契約に基づく管理業務に係るものであるかが自己の帳簿…により直ちに判別できる状態で管理する方法とする」
- 引っかけ: 極端化(複数物件をまとめること自体を一律禁止・一律容認のどちらかに寄せる誤り)。
- まとめ: 複数物件の家賃等を同じ口座でまとめて管理してよいが、帳簿で契約ごとに直ちに判別できる状態にしておく必要がある。
あなたはツバサ。家賃等管理口座に7戸分497,000円が入金され、管理報酬23,800円を差し引いた残額を翌月、井上さんに送金する予定である。次のうち正しいものはどれか。
正解: 1. 管理報酬分を家賃等管理口座に一時的に残しておくことは差し支えない。
- ① ○ 正しい。家賃等管理口座に、いずれ固有財産の口座へ移す管理報酬相当額が一時的に残っていても、分別管理義務違反にはならない。
- ② × 誤り。全額を直ちに送金する義務はなく、管理報酬分を控除して送金する通常の実務で差し支えない。
- ③ × 誤り。入金と同時に移し替える義務はなく、後日まとめて移し替えることもできる。
- ④ × 誤り。管理報酬分が家賃等管理口座に一時的に残っていること自体は、分別管理義務違反ではない。
- 条文: 施行規則36条「…自己の固有財産を管理するための口座と明確に区分し…帳簿…により直ちに判別できる状態で管理する方法とする」
- 引っかけ: 期限のすり替え(『直ちに』『同時に』移す義務があるかのように期限を作り出す誤り)。
- まとめ: 管理報酬分が一時的に家賃等管理口座に残っていても、帳簿上判別できていれば分別管理義務違反ではない。
あなたはツバサ。ある物件では、家賃をいったん固有財産の口座に全額入金させ、そこから管理報酬を控除した額を家賃等管理口座に移し替える運用を検討している。この方法について正しいものはどれか。
正解: 1. 最終的に口座が区分され、帳簿で契約ごとに判別できる状態であれば差し支えない。
- ① ○ 正しい。入金の経路がどちらでも、最終的に口座が明確に区分され、帳簿で契約ごとに直ちに判別できる状態になっていれば分別管理といえる。
- ② × 誤り。家賃等管理口座を先に経由する方法が原則的だが、逆の経路が一律禁止されているわけではない。
- ③ × 誤り。一時的に固有財産の口座を経由すること自体で直ちに違反となるわけではない。
- ④ × 誤り。この方法をとっても施行規則36条の適用は除外されない。
- 条文: 施行規則36条「…自己の固有財産を管理するための口座と明確に区分し、かつ、当該金銭がいずれの管理受託契約に基づく管理業務に係るものであるかが自己の帳簿…により直ちに判別できる状態で管理する方法とする」
- 引っかけ: 経路の固定化(家賃等管理口座を必ず先に経由しなければならないと過大に要求する誤り)。
- まとめ: 分別管理は最終的な口座区分と帳簿の判別可能性で判断し、入金の経路そのものは限定されていない。
あなたはツバサ。井上さんとの管理受託契約について、帳簿に記載する。次のうち記載事項に含まれないものはどれか。
正解: 4. 井上さんの銀行口座の暗証番号
- ① ○ 記載事項に含まれる。委託者の商号、名称又は氏名は施行規則38条1項1号の記載事項。
- ② ○ 記載事項に含まれる。管理受託契約を締結した年月日は同項2号の記載事項。
- ③ ○ 記載事項に含まれる。契約の対象となる賃貸住宅は同項3号の記載事項。
- ④ × 記載事項に含まれない。施行規則38条1項は、委託者の氏名・契約年月日・対象賃貸住宅・受託した管理業務の内容・報酬の額・特約その他参考事項の6つを定めており、暗証番号のような個人情報は記載事項ではない。
- 条文: 施行規則38条1項「…一 管理受託契約を締結した委託者の商号、名称又は氏名 二 管理受託契約を締結した年月日 三 契約の対象となる賃貸住宅 四 受託した管理業務の内容 五 報酬の額 六 管理受託契約における特約その他参考となる事項」
- 引っかけ: 存在しない項目の追加(法令にない個人情報を記載事項に含めたとする誤り)。
- まとめ: 帳簿の記載事項は6つに限定され、暗証番号などの機微な個人情報は含まれない。
あなたはツバサ。ドアーズ賃貸管理は船橋の営業所1つだけで営業している。将来、別の市に2つ目の営業所を出した場合、帳簿の備え付けについて正しいものはどれか。
正解: 1. 営業所ごとに、その業務に関する帳簿を備え付ける。
- ① ○ 正しい。管理業法18条により、賃貸住宅管理業者は営業所又は事務所ごとに帳簿を備え付ける義務がある。
- ② × 誤り。本店への集約は認められず、営業所ごとの備付けが必要。
- ③ × 誤り。帳簿は国交省への提出書類ではなく、各営業所に備え付けておくものである。
- ④ × 誤り。業務管理者の有無にかかわらず、すべての営業所・事務所に備付け義務がある。
- 条文: 賃貸住宅管理業法18条「…その営業所又は事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え付け…」
- 引っかけ: 主語(備付け単位)の入れ替え(営業所ごとを本店集約・提出義務にすり替える誤り)。
- まとめ: 帳簿は営業所・事務所ごとに備え付ける義務があり、本店集約や国への提出では代替できない。
あなたはツバサ。2026年3月末(事業年度末)で帳簿を1冊閉鎖した。この帳簿はいつまで保存すればよいか。
正解: 1. 閉鎖後5年間
- ① ○ 正しい。施行規則38条3項により、帳簿は各事業年度の末日で閉鎖し、閉鎖後5年間保存する。
- ② × 誤り。1年間では不足で、法定の保存期間は5年間。
- ③ × 誤り。10年間という定めはなく、法定の保存期間は5年間。
- ④ × 誤り。閉鎖後すぐの廃棄は認められず、5年間の保存義務がある。
- 条文: 施行規則38条3項「…帳簿を各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、閉鎖後五年間当該帳簿を保存しなければならない」
- 引っかけ: 数字のずらし(5年を1年・10年に変える誤り、義務なしとする誤り)。
- まとめ: 帳簿は事業年度末に閉鎖し、閉鎖後5年間保存する義務がある。
あなたはツバサ。帳簿を紙ではなくパソコンのファイルで管理したい。次のうち正しいものはどれか。
正解: 1. 事務所で機器を用いて明確に紙面に表示できる状態であれば、電子記録をもって帳簿への記載に代えられる。
- ① ○ 正しい。施行規則38条2項により、電子計算機のファイル等に記録され、事務所で機器を用いて明確に紙面に表示できるときは、その記録をもって帳簿への記載に代えられる。
- ② × 誤り。電子記録での代替は認められている。
- ③ × 誤り。国土交通大臣の事前承認は不要である。
- ④ × 誤り。電子記録であっても、5年間の保存義務は適用される。
- 条文: 施行規則38条2項「…電子計算機に備えられたファイル又は電磁的記録媒体に記録され、必要に応じ…事務所において電子計算機その他の機器を用いて明確に紙面に表示されるときは、当該記録をもって…帳簿への記載に代えることができる」
- 引っかけ: 例外の否定(認められている電子記録での代替を、一律禁止や要承認にすり替える誤り)。
- まとめ: 事務所で明確に紙面表示できる電子記録は帳簿への記載に代えられ、保存義務も変わらず適用される。
あなたはツバサ。取引先の不動産業者から、井上さんの滞納状況をそれとなく聞かれた。正当な理由はない。次のうち正しい対応はどれか。
正解: 1. 正当な理由がないので、答えない。
- ① ○ 正しい。管理業法21条1項により、正当な理由がある場合でなければ、業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。取引先への回答に正当な理由はない。
- ② × 誤り。取引先との付き合いは正当な理由にあたらない。
- ③ × 誤り。金額を伏せても、滞納の有無自体が業務上知り得た秘密にあたる。
- ④ × 誤り。社内で共有済みでも、外部の第三者に漏らしてよい理由にはならない。
- 条文: 賃貸住宅管理業法21条1項「賃貸住宅管理業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない」
- 引っかけ: 正当な理由の水増し(業務上の付き合い・一部情報の秘匿・社内共有済みを、正当な理由に格上げする誤り)。
- まとめ: 正当な理由がない限り、滞納の有無を含め業務上知った秘密は第三者に一切漏らせない。
あなたはツバサ。ドアくんが「将来この会社を辞めたら、前の担当物件の話をブログに書いてみたい」と言っている。正しい助言はどれか。
正解: 1. 賃貸住宅管理業を営まなくなった後も秘密保持義務は続くので、書いてはいけない。
- ① ○ 正しい。管理業法21条2項により、従業者でなくなった後においても秘密保持義務は続く。
- ② × 誤り。退職しても義務は消えない。
- ③ × 誤り。個人のブログであっても、業務上知り得た秘密を書けば義務違反になる。
- ④ × 誤り。秘密保持義務に時効による消滅の定めはない。
- 条文: 賃貸住宅管理業法21条2項「賃貸住宅管理業者の代理人、使用人その他の従業者は…賃貸住宅管理業の業務を補助したことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。…従業者でなくなった後においても、同様とする」
- 引っかけ: 終期の創作(退職・時間経過・個人利用という条文にない終了事由を作り出す誤り)。
- まとめ: 秘密保持義務は退職後も続き、期限や時効による消滅はない。
あなたはツバサ。週2日だけ手伝いに来るアルバイトのスタッフがいる。秘密保持義務について正しいものはどれか。
正解: 1. アルバイトも「使用人その他の従業者」にあたり、秘密保持義務を負う。
- ① ○ 正しい。管理業法21条2項の「使用人その他の従業者」には、正規・非正規を問わずアルバイトも含まれる。
- ② × 誤り。雇用形態にかかわらず義務を負う。
- ③ × 誤り。勤務日数で従業者かどうかが決まるわけではない。
- ④ × 誤り。秘密保持義務を負うことと、業務上秘密に触れさせないことは別の話であり、アルバイトに業務をさせること自体は禁止されていない。
- 条文: 賃貸住宅管理業法21条2項「賃貸住宅管理業者の代理人、使用人その他の従業者は、正当な理由がある場合でなければ…知り得た秘密を他に漏らしてはならない」
- 引っかけ: 対象の限定(正社員・週5日勤務のみに義務を限定する誤り)。
- まとめ: 秘密保持義務は雇用形態を問わず、業務を補助するすべての従業者に及ぶ。
あなたはツバサ。もし会社の指示で従業者が秘密を漏らしてしまった場合、罰則はどうなるか。
正解: 1. 秘密を漏らした行為者本人が30万円以下の罰金に処せられ、会社への両罰規定は適用されない。
- ① ○ 正しい。44条7号は21条違反(秘密漏洩)を30万円以下の罰金としており、45条は「第四十四条第七号を除く」として秘密漏洩を両罰規定の対象外としているため、行為者本人のみが罰せられる。
- ② × 誤り。罰せられるのは行為者本人であり、会社ではない。
- ③ × 誤り。両罰規定の対象外なので、会社は罰せられない。
- ④ × 誤り。会社の指示であっても、行為者本人は罰則の対象になる。
- 条文: 賃貸住宅管理業法45条「…第四十一条から前条まで(同条第七号を除く。)の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する」
- 引っかけ: 主語の入れ替え(本人が罰せられるところを会社だけが罰せられるとする誤り)。
- まとめ: 秘密漏洩の罰則は例外的に本人だけにかかり、会社への両罰規定は適用されない。
あなたはツバサ。ある業者から「メゾン井上の管理業務を丸ごと引き受けます」と営業を受けた。正しい対応はどれか。
正解: 1. 管理業務の全部を他の者に再委託することはできないので、断る。
- ① ○ 正しい。管理業法15条により、管理業務の全部を他の者に再委託することは禁止されている。
- ② × 誤り。委託者の承諾があっても、全部再委託は禁止されている。
- ③ × 誤り。再委託先が賃貸住宅管理業者であっても、全部の再委託は禁止されている。
- ④ × 誤り。契約書に定めても、法律上禁止されている全部再委託はできない。
- 条文: 賃貸住宅管理業法15条「賃貸住宅管理業者は、委託者から委託を受けた管理業務の全部を他の者に対し、再委託してはならない」
- 引っかけ: 例外の創作(承諾・相手の資格・契約書への記載で全部再委託が許されるとする誤り)。
- まとめ: 管理業務の全部再委託は、誰の承諾があっても、相手が誰であっても禁止されている。
あなたはツバサ。清掃業務だけを外部の清掃業者に委託したい。正しいものはどれか。
正解: 1. 管理業務の一部である清掃の再委託は、禁止されていない。
- ① ○ 正しい。管理業法15条が禁止するのは管理業務の「全部」の再委託であり、清掃のような一部の再委託は禁止されていない。
- ② × 誤り。一部の再委託は禁止されていない。
- ③ × 誤り。一部の再委託を全部再委託とみなす規定はない。
- ④ × 誤り。一部再委託に国土交通大臣の許可は不要。
- 条文: 賃貸住宅管理業法15条「賃貸住宅管理業者は、委託者から委託を受けた管理業務の全部を他の者に対し、再委託してはならない」
- 引っかけ: 範囲の広げすぎ(一部の再委託を、全部再委託と同様に禁止・要許可とする誤り)。
- まとめ: 禁止されているのは管理業務の「全部」の再委託であり、清掃など一部の再委託はできる。
あなたはツバサ。知人の未登録業者から「登録している御社の名前を貸してほしい、実際の業務はうちがやる」と頼まれた。正しい対応はどれか。
正解: 1. 自己の名義をもって他人に賃貸住宅管理業を営ませることは禁止されているので、断る。
- ① ○ 正しい。管理業法11条により、賃貸住宅管理業者は自己の名義をもって他人に賃貸住宅管理業を営ませてはならない(名義貸しの禁止)。
- ② × 誤り。実際の業務をしなくても、名義を貸すこと自体が禁止されている。
- ③ × 誤り。将来登録する予定であっても、無登録の間に名義を貸すことは禁止されている。
- ④ × 誤り。書面を整えても、名義貸し自体が法律で禁止されている。
- 条文: 賃貸住宅管理業法11条「賃貸住宅管理業者は、自己の名義をもって、他人に賃貸住宅管理業を営ませてはならない」
- 引っかけ: 条件付き許容の創作(名前だけ・将来登録予定・書面整備で名義貸しが許されるとする誤り)。
- まとめ: 名義貸しは、実際に業務をしなくても、条件をつけても、一律禁止されている。
あなたはツバサ。事務所の標識について、正しいものはどれか。
正解: 1. 営業所又は事務所ごとに、公衆の見やすい場所に標識を掲げる。
- ① ○ 正しい。管理業法19条により、営業所又は事務所ごとに、公衆の見やすい場所に標識を掲げなければならない。
- ② × 誤り。本店だけでなく、営業所・事務所ごとに掲示する義務がある。
- ③ × 誤り。標識の様式は国土交通省令で定められており(施行規則39条・別記様式第十二号)、自由には決められない。
- ④ × 誤り。公衆の見やすい場所への物理的な掲示が必要で、ホームページ掲示への代替は認められていない。
- 条文: 賃貸住宅管理業法19条「賃貸住宅管理業者は、その営業所又は事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令で定める様式の標識を掲げなければならない」
- 引っかけ: 場所・様式の緩和(本店集約・様式自由・ホームページ代替という緩和規定を作り出す誤り)。
- まとめ: 標識は様式が定められており、営業所・事務所ごとに公衆の見やすい場所へ物理的に掲示する必要がある。
あなたはツバサ。ドアくんが現地対応に出るとき、証明書について正しいものはどれか。
正解: 1. 従業者証明書を携帯させなければ、その業務に従事させてはならない。
- ① ○ 正しい。管理業法17条1項により、従業者証明書を携帯させなければ、その者を業務に従事させることはできない。
- ② × 誤り。委託者その他の関係者から請求があったときは、提示しなければならない(17条2項)。
- ③ × 誤り。雇用形態にかかわらず、業務に従事する従業者には携帯させる義務がある。
- ④ × 誤り。内部管理事務のみに従事する者は、対象に含まれない。
- 条文: 賃貸住宅管理業法17条1項「賃貸住宅管理業者は…その業務に従事する使用人その他の従業者に、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならない」
- 条文: 賃貸住宅管理業法17条2項「…その業務を行うに際し、委託者その他の関係者から請求があったときは、前項の証明書を提示しなければならない」
- 引っかけ: 義務の緩和・過大化(提示を任意にする誤り、内部事務従事者にまで対象を広げる誤り)。
- まとめ: 従業者証明書は業務従事者全員に携帯させ、請求があれば必ず提示する。内部管理事務のみの者は対象外。
あなたはツバサ。4月に井上さんと管理受託契約を結んだ。定期報告のタイミングについて正しいものはどれか。
正解: 1. 契約を締結した日から1年を超えない期間ごと、及び契約期間の満了後遅滞なく報告する。
- ① ○ 正しい。施行規則40条1項により、管理受託契約を締結した日から1年を超えない期間ごと、及び契約期間の満了後遅滞なく報告する。
- ② × 誤り。契約終了時だけでなく、1年ごとの定期報告も必要。
- ③ × 誤り。委託者からの請求の有無にかかわらず、定期的に報告する義務がある。
- ④ × 誤り。3年に1回では足りず、1年を超えない期間ごとに報告する。
- 条文: 施行規則40条1項「…管理受託契約を締結した日から一年を超えない期間ごとに、及び管理受託契約の期間の満了後遅滞なく…管理業務報告書を作成し、これを委託者に交付して説明しなければならない」
- 引っかけ: 頻度のずらし(1年を超えない期間ごとを、3年に1回・請求時のみに緩める誤り)。
- まとめ: 定期報告は1年を超えない期間ごとと契約終了後遅滞なくの両方が必要。
あなたはツバサ。管理業務報告書に書く記載事項として正しい組合せはどれか。
正解: 1. 報告の対象となる期間、管理業務の実施状況、入居者からの苦情の発生状況及び対応状況
- ① ○ 正しい。施行規則40条1項は、報告の対象となる期間・管理業務の実施状況・入居者からの苦情の発生状況及び対応状況の3つを記載事項と定めている。
- ② × 誤り。家賃等金銭の収受状況・修繕履歴・入居者名簿は、施行規則40条1項が定める記載事項ではない。
- ③ × 誤り。業者への支払明細や次年度の予算案は記載事項ではない。
- ④ × 誤り。賃貸人の個人情報や業務管理者の氏名は記載事項ではない。
- 条文: 施行規則40条1項「…次に掲げる事項…一 報告の対象となる期間 二 管理業務の実施状況 三 管理業務の対象となる賃貸住宅の入居者からの苦情の発生状況及び対応状況」
- 引っかけ: 項目の創作(法定事項にない金銭の収受状況・予算案・個人情報を記載事項に紛れ込ませる誤り)。
- まとめ: 定期報告の記載事項は「対象期間・実施状況・苦情の発生状況及び対応状況」の3つに限られる。
あなたはツバサ。井上さんの承諾を得て、管理業務報告書をメールで送りたい。正しいものはどれか。
正解: 1. あらかじめ井上さんの承諾を得れば、電磁的方法で提供でき、書面交付とみなされる。
- ① ○ 正しい。施行規則40条2項・4項により、あらかじめ委託者の承諾を得れば、電磁的方法により記載事項を提供でき、書面を交付したものとみなされる。
- ② × 誤り。承諾を得る前に、用いる電磁的方法の種類及び内容を示す必要がある(40条4項)。
- ③ × 誤り。委託者から書面等による提供を受けない旨の申出があれば、その後は電磁的方法による提供をしてはならない(40条7項)。
- ④ × 誤り。電磁的方法の提供に業務管理者の同席が必要という定めはない。
- 条文: 施行規則40条2項「…委託者の承諾を得て、記載事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法…により提供することができる。この場合において…管理業務報告書を交付したものとみなす」
- 引っかけ: 手続の省略(事前提示不要・撤回不可・同席必要という存在しない条件を作る誤り)。
- まとめ: 電磁的方法による提供は事前提示と承諾が条件で、委託者はいつでも書面提供を求め直せる。
あなたはツバサ。国土交通大臣から業務改善命令を受けた場合について正しいものはどれか。
正解: 1. 業務の方法の変更その他業務の運営の改善に必要な措置をとるよう命じられる。
- ① ○ 正しい。管理業法22条により、国土交通大臣は賃貸住宅管理業の適正な運営確保のため必要な限度で、業務の方法の変更等の改善措置を命じることができる。
- ② × 誤り。業務改善命令自体で登録が自動的に取り消されるわけではない。命令違反が重なれば23条で登録取消し等の対象になりうる。
- ③ × 誤り。業務改善命令の発令に、立入検査を必ず経る必要はない。
- ④ × 誤り。命令に違反すると、42条により6月以下の拘禁刑若しくは50万円以下の罰金またはその併科の対象になる。
- 条文: 賃貸住宅管理業法22条「国土交通大臣は、賃貸住宅管理業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、その必要の限度において、賃貸住宅管理業者に対し、業務の方法の変更その他業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる」
- 引っかけ: 効果の誇張(命令=即登録取消し、命令に手続要件を追加する誤り、罰則なしとする誤り)。
- まとめ: 業務改善命令は改善措置を命じるもので、違反すれば罰則や登録取消し等につながる。
あなたはツバサ。近隣の管理会社が「登録を受けてから1年以上、業務を行っていない」と噂になっている。この場合について正しいものはどれか。
正解: 1. 国土交通大臣は、登録を取り消すことができる。
- ① ○ 正しい。管理業法23条2項により、登録を受けてから1年以内に業務を開始せず、又は引き続き1年以上業務を行っていないと認めるときは、国土交通大臣は登録を取り消すことができる。
- ② × 誤り。23条2項はまさにこの場合を登録取消しの理由として定めている。
- ③ × 誤り。3年という基準はなく、1年で対象になる。
- ④ × 誤り。この場合、業務停止ではなく登録取消しができると定められている。
- 条文: 賃貸住宅管理業法23条2項「国土交通大臣は、賃貸住宅管理業者が登録を受けてから一年以内に業務を開始せず、又は引き続き一年以上業務を行っていないと認めるときは、その登録を取り消すことができる」
- 引っかけ: 数字のずらし(1年を3年に変える誤り、取消しできないとする誤り)。
- まとめ: 登録後1年以内の未開業、または1年以上の休業は登録取消しの理由になる。