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第4話

入居者を募集する ― 広告・審査・断ってはいけないこと

この話の舞台

5〜6月

登場人物と「誰が何を決めるか」 → 舞台設定の全体 →

到達目標と条件

目標1募集広告で守ること(間取り図の貸主確認・新築表示の条件・おとり広告の禁止・仲介手数料の上限)を言える。
項目内容根拠
図面確認貸主にも確認してもらう実務上の注意
新築表示建築後1年未満・未使用表示規約18条1号
おとり広告成約済み放置・取引意思なし等は禁止表示規約21条
徒歩所要時間起点は建物の出入口施行規則9条8号
報酬上限合計は家賃1か月+税(74,800円)宅建業法46条2項
くわしく(5項目)
  • 間取り図は、募集前に大家(貸主)にも確認してもらう。
  • 新築の表示は、建築後1年未満・未使用の物件に限られる(表示規約18条1号)。
  • 成約済みの広告は速やかに削除する。放置するとおとり広告になる(表示規約21条)。
  • 集合住宅の徒歩所要時間の起点は、募集対象の貸室の玄関ではなく、建物の出入口(表示規約施行規則9条8号)。
  • 仲介手数料の合計上限は、家賃1か月分+消費税=74,800円。原則、貸主・借主それぞれ0.5か月分、承諾があれば配分を変えられる(宅建業法46条2項)。
目標2入居審査で守ること(個人情報保護法の利用目的の特定・第三者提供の同意・漏えい等の報告)を言える。
項目内容根拠
利用目的の特定できる限り特定する17条
取得時の通知・公表速やかに通知か公表21条
第三者提供本人の同意が必要27条
委託・社内利用第三者提供に当たらない18条・27条5項1号
漏えい報告委員会と本人へ報告26条
くわしく(5項目)
  • 個人情報の利用目的は、できる限り特定して本人に伝える(17条)。
  • あらかじめ利用目的を公表していなければ、取得後速やかに本人へ通知するか、公表する(21条)。
  • 保証会社への提供は第三者提供にあたり、本人の同意が必要(27条)。
  • 社内の引き継ぎや業務委託に伴う提供は、第三者提供にあたらない(18条・27条5項1号)。
  • 個人データが漏えいしたときは、個人情報保護委員会と本人への報告が義務(26条)。
目標3断ってはいけない場合(障害者差別解消法の合理的配慮)と、人の死の告知の要不要、セーフティネット住宅の仕組みを言える。
項目内容根拠
不当な差別的取扱い理由なき拒否は禁止8条1項
合理的配慮法律上の義務(R6.4〜)8条2項
過重な負担理由説明のうえ断れる8条2項
人の死の告知自然死等は不要、それ以外は3年宅建業法47条1号ニ
セーフティネット登録建物ごと、範囲を選べる8条・9条1項6号
くわしく(5項目)
  • 障害を理由にした不当な差別的取扱いは禁止される(8条1項)。
  • 合理的配慮は、令和6年4月の改正で、事業者にも法律上の義務になった(8条2項)。
  • 過重な負担があるときは、理由を説明したうえで断ることができる。
  • 自然死等は原則告知不要。自然死等以外の死は発生から概ね3年間、共用部分も対象になる。
  • セーフティネット住宅は建物ごとに都道府県知事へ登録でき、受け入れる要配慮者の範囲を選べる。

覚える数字と条文

数字・条文内容
表示規約18条1号新築は建築工事完了後1年未満・未使用のものに限る。
表示規約施行規則9条8号集合住宅の徒歩所要時間の起点は、その施設から最も近い建物の出入口。
表示規約21条おとり広告は「存在しない物件」「取引の対象となり得ない物件」「取引する意思がない物件」の3類型。
宅建業法32条著しく事実に相違する表示、実際より有利と誤認させる表示を禁止(誇大広告等の禁止)。
宅建業法46条2項報酬の合計は貸主・借主あわせて家賃1か月分+消費税が上限。原則0.5か月ずつ、承諾で配分変更可。
個人情報保護法17条・18条・21条利用目的の特定、範囲内利用、取得時の通知・公表。
個人情報保護法27条・27条5項1号第三者提供は本人の同意が必要。ただし業務委託に伴う提供は第三者提供に当たらない。
個人情報保護法26条漏えい等が生じたときは個人情報保護委員会と本人への報告が義務。
障害者差別解消法8条1項・2項不当な差別的取扱いの禁止と、合理的配慮(令和6年4月から事業者にも法律上の義務)。
宅建業法47条1号ニ相手方の判断に重要な影響を及ぼす事実の不告知・不実告知の禁止(人の死の告知の法的根拠)。
住宅セーフティネット法8条・9条1項6号・10条建物ごとの登録、要配慮者の範囲の限定、規模・構造の基準。

実務の流れ→ 横にスクロール

1
舞台
船橋市・メゾン井上(木造2階建て8戸)204号室、5〜6月。
2
4-1 図面と広告料
家賃68,000円+共益費3,000円の図面を作成、大家に確認してもらう。広告料(AD)は大家負担68,000円。
3
4-2 おとり広告のヒヤリ
成約済み広告の放置、徒歩所要時間の起点の誤りを訂正。
4
4-3 内見と仲介手数料
森さんが内見。仲介手数料74,800円、報酬の上限と配分を説明。
5
4-4 申込と個人情報
利用目的の説明、保証会社への提供の同意、漏えい報告の仕組み。
6
4-5・4-6 断ってはいけないこと
車椅子の入居希望者、ラジの友人(外国人)への対応。
7
4-7 人の死の告知
井上さんに確認、自然死・3年ルール・共用部分・特殊な事案。
8
4-8 セーフティネットと審査結果
登録の仕組みを紹介、森さんの入居が決定。
ひっかけ 12件
  • 「間取り図は自社で作ったから確認不要」という誤り(貸主にも確認してもらう)。
  • 「築年数が経っていても新築と書いてよい」という誤り(新築は建築後1年未満・未使用のみ)。
  • 「反響が来たら消せばいい」という誤り(成約済みの広告は速やかに削除、放置はおとり広告)。
  • 「徒歩所要時間の起点は貸室の玄関」という誤り(集合住宅では建物の出入口)。
  • 「報酬は貸主・借主それぞれから1.10倍ずつ受け取れる」という誤り(合計で1.10倍が上限)。
  • 「成功報酬の媒介契約は締結できない」という誤り(禁止されていない)。
  • 「社内の引き継ぎや業務委託も第三者提供にあたり同意が必要」という誤り(委託に伴う提供は第三者提供に当たらない)。
  • 「漏えいは1,000人を超えなければ報告不要」という誤り(不正アクセス等では人数を問わず報告義務)。
  • 「合理的配慮は努力義務のまま」という誤り(令和6年4月の改正で事業者にも法律上の義務)。
  • 「入浴中の溺死は自然死等以外の死として3年間告知が必要」という誤り(日常生活の中での不慮の死として原則告知不要)。
  • 「自然死等以外の死は専有部分だけが告知対象」という誤り(共用部分での死も3年間は対象)。
  • 「セーフティネット住宅は要配慮者を一律に受け入れなければならない」という誤り(範囲を限定して登録できる)。

到達目標(教科書)

目標1募集広告で守ること(間取り図の貸主確認・新築表示の条件・おとり広告の禁止・仲介手数料の上限)を言える。

項目内容根拠
図面確認貸主にも確認してもらう実務上の注意
新築表示建築後1年未満・未使用表示規約18条1号
おとり広告成約済み放置・取引意思なし等は禁止表示規約21条
徒歩所要時間起点は建物の出入口施行規則9条8号
報酬上限合計は家賃1か月+税(74,800円)宅建業法46条2項
  • 間取り図は、募集前に大家(貸主)にも確認してもらう。
  • 新築の表示は、建築後1年未満・未使用の物件に限られる(表示規約18条1号)。
  • 成約済みの広告は速やかに削除する。放置するとおとり広告になる(表示規約21条)。
  • 集合住宅の徒歩所要時間の起点は、募集対象の貸室の玄関ではなく、建物の出入口(表示規約施行規則9条8号)。
  • 仲介手数料の合計上限は、家賃1か月分+消費税=74,800円。原則、貸主・借主それぞれ0.5か月分、承諾があれば配分を変えられる(宅建業法46条2項)。

目標2入居審査で守ること(個人情報保護法の利用目的の特定・第三者提供の同意・漏えい等の報告)を言える。

項目内容根拠
利用目的の特定できる限り特定する17条
取得時の通知・公表速やかに通知か公表21条
第三者提供本人の同意が必要27条
委託・社内利用第三者提供に当たらない18条・27条5項1号
漏えい報告委員会と本人へ報告26条
  • 個人情報の利用目的は、できる限り特定して本人に伝える(17条)。
  • あらかじめ利用目的を公表していなければ、取得後速やかに本人へ通知するか、公表する(21条)。
  • 保証会社への提供は第三者提供にあたり、本人の同意が必要(27条)。
  • 社内の引き継ぎや業務委託に伴う提供は、第三者提供にあたらない(18条・27条5項1号)。
  • 個人データが漏えいしたときは、個人情報保護委員会と本人への報告が義務(26条)。

目標3断ってはいけない場合(障害者差別解消法の合理的配慮)と、人の死の告知の要不要、セーフティネット住宅の仕組みを言える。

項目内容根拠
不当な差別的取扱い理由なき拒否は禁止8条1項
合理的配慮法律上の義務(R6.4〜)8条2項
過重な負担理由説明のうえ断れる8条2項
人の死の告知自然死等は不要、それ以外は3年宅建業法47条1号ニ
セーフティネット登録建物ごと、範囲を選べる8条・9条1項6号
  • 障害を理由にした不当な差別的取扱いは禁止される(8条1項)。
  • 合理的配慮は、令和6年4月の改正で、事業者にも法律上の義務になった(8条2項)。
  • 過重な負担があるときは、理由を説明したうえで断ることができる。
  • 自然死等は原則告知不要。自然死等以外の死は発生から概ね3年間、共用部分も対象になる。
  • セーフティネット住宅は建物ごとに都道府県知事へ登録でき、受け入れる要配慮者の範囲を選べる。

出典:
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過去問 / 過去問 令和7年度 問46 / P-R7-46

賃貸住宅の入居者の募集に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。ア 物件が既に契約済みで、取引できなくなっているにもかかわらず、そのままインターネットに広告表示を続けることは、不動産の表示に関する公正競争規約(平成17年公正取引委員会告示第23号)によれば、おとり広告となる。イ おとり広告は、不動産の表示に関する公正競争規約に違反するが、宅地建物取引業法に違反するものではない。ウ 空室が出た1か月後に、宅地建物取引業者である賃貸住宅管理業者が賃貸借契約の媒介を行った場合、賃貸人と賃借人の双方の承諾がある場合に限り、賃貸人と賃借人それぞれから賃料の1か月分の1.10倍に相当する額を報酬として受領することができる。エ 令和6年4月以降に建築確認申請が行われた建築物について、賃貸事業を営む賃貸住宅の所有者には、広告物に省エネ性能を示すラベルを表示する努力義務が課せられる。

正解: 3. イ、ウ

  • ① × 誤り。「ア、イ」はアを含むが、アは正しい記述(成約済み放置はおとり広告になる)なので、この組合せは誤り。
  • ② × 誤り。「ア、エ」はいずれも正しい記述であり、この組合せは誤り。
  • ③ ○ 正しい。イは、おとり広告が宅建業法には違反しないとする点で誤り(32条の誇大広告等の禁止にも触れ得る)。ウは、双方から賃料1.10倍ずつ、合計2.20倍を受領できるかのように読める点で誤り(報酬の合計は1.10倍が上限)。
  • ④ × 誤り。「ウ、エ」はエを含むが、エは正しい記述なので、この組合せは誤り。
  • 条文: 宅建業法46条2項「宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。」
  • 条文: 表示規約21条「事業者は、次に掲げる広告表示をしてはならない。(2)物件は存在するが、実際には取引の対象となり得ない物件に関する表示」
  • 引っかけ: 数字のずらし(報酬の合計上限1.10倍を、双方それぞれ1.10倍と誤認させる)。
  • まとめ: おとり広告は表示規約だけでなく宅建業法にも触れ得る。報酬の合計は貸主・借主あわせて1.10倍が上限。

補足: 選択肢エの省エネ性能表示ラベルの努力義務は、根拠条文の正確な条項番号をe-Gov本文で確認できておらず、design.mdの確認できなかった事項に記載した。

自作 / Q6

森さんが204号室(家賃68,000円)を借りる。カリンが受け取れる仲介手数料の上限(消費税込み、貸主・借主の合計)はいくらか。

正解: 3. 74,800円

  • ① × 誤り。34,000円は0.5か月分の目安額に近いが、これは合計額ではない。
  • ② × 誤り。68,000円は消費税を含まない家賃1か月分であり、上限額そのものではない。
  • ③ ○ 正しい。報酬の合計上限は、家賃1か月分に消費税を加えた74,800円である。
  • ④ × 誤り。136,000円は家賃2か月分であり、上限を大きく超える。
  • 条文: 宅建業法46条2項「宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。」
  • 引っかけ: 数字のずらし(1か月分の税抜額と、税込の合計上限の取り違え)。
  • まとめ: 貸主・借主あわせた報酬の合計上限は、家賃1か月分+消費税。
過去問 / 過去問 令和6年度年度 問43 / P-R6-43

賃貸住宅管理業者が、管理を受託している賃貸住宅で空室が出たことに伴い、宅地建物取引業者として媒介業務を行おうとする場合に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

正解: 2. 媒介業務の報酬を成功報酬と定める契約を締結することはできない。

  • ① ○ 正しい。貸主から月額賃料の1.10倍(家賃1か月分+消費税)を受け取る場合、報酬の合計上限に達するため、借主から追加で媒介報酬を受け取ることはできない(宅建業法46条2項)。
  • ② × 誤り。選択肢は「成功報酬と定める契約を締結することはできない」とするが、宅建業の媒介報酬は契約成立を条件とする成功報酬型が通常であり、禁止されていない。
  • ③ ○ 正しい。依頼者(賃貸人)から特別に依頼され多額の費用を要する広告の料金は、報酬とは別に受領してよいとされている。
  • ④ ○ 正しい。媒介業務では、入居者を決定するのはあくまで依頼者(賃貸人)の意思であり、業者が代わって決定する立場にはない(特定転貸事業者との違い)。
  • 条文: 宅建業法46条2項「宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替えです。成功報酬制そのものを禁止と思わせています。
  • まとめ: 報酬の合計上限(46条2項)は超えられないが、成功報酬型の媒介契約自体は禁止されていない。
自作 / Q7

仲介手数料の分担について、原則の割合と、それと異なる割合にできる条件はどれか。

正解: 2. 原則は貸主・借主それぞれ0.5か月分。依頼者の承諾があれば異なる配分にできる

  • ① × 誤り。原則を貸主のみ負担とする点が誤り。
  • ② ○ 正しい。原則は貸主・借主それぞれ0.5か月分ずつであり、依頼者の承諾があれば、その配分を変えることができる。
  • ③ × 誤り。原則を借主のみ負担とする点が誤り。
  • ④ × 誤り。承諾なしに自由な配分にできるとする点が誤り。
  • 条文: 宅建業法46条2項「宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。」(合計の上限は超えられない前提で、配分は依頼者の承諾により変更可能)
  • 引っかけ: 主体の入れ替え(貸主のみ・借主のみと、原則の割合を取り違える)。
  • まとめ: 原則は0.5か月ずつ。承諾があれば配分を変えられるが、合計の上限は変わらない。
過去問 / 過去問 令和5年度年度 問40 / P-R5-40

「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」(国土交通省不動産・建設経済局令和3年10月公表)に関する次の記述のうち、賃貸借契約の媒介を行う宅地建物取引業者の対応として最も適切なものはどれか。

正解: 2. 日常生活上使用する共用部分において自然死等以外の死があった場合、当該死の発生日から3年以内に賃貸借契約を締結するときは、当該死について告知義務がある。

  • ① × 誤り。選択肢は「新たな賃借人の入居・退去という事情があれば告知義務はない」とするが、その事情だけで3年以内の告知義務が消えるものではない。
  • ② ○ 正しい。日常生活上使用する共用部分(廊下・階段等)で自然死等以外の死があった場合も、発生日から3年以内の賃貸借契約では告知義務がある。
  • ③ × 誤り。選択肢は「隣の部屋の契約でも告知義務がある」とするが、告知の対象はその死が発生した住戸自体であり、隣接する別の住戸の取引に一律に及ぶものではない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「社会的に影響のある事件でも3年経過後は告知義務はない」とするが、社会的影響の大きい事案は、経過期間にかかわらず告知の対象になり得る。
  • 条文: 宅建業法47条1号ニ「宅地若しくは建物の…取引条件又は…宅地建物取引業者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの」について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為を禁止。
  • ※ ガイドライン原文の逐語引用は本コースでは確認できず、内容は担当過去問(本問・令和4年度問43)の問題文・選択肢自体(国家試験の公式問題文)を出典として整理した。
  • 引っかけ: 範囲の広げすぎと縮めすぎです。共用部分を外したり、隣室にまで広げたりします。
  • まとめ: 3年ルールは共用部分にも及ぶが、隣接する別の住戸の取引には及ばない。社会的影響の大きい事案は経過期間にかかわらず告知の対象になり得る。
自作 / Q8

大家の井上さんから「特別に費用をかけて広告を出してほしい」と依頼された。この広告宣伝費の扱いはどれか。

正解: 2. 報酬とは別に請求してよい

  • ① × 誤り。特別な依頼による広告宣伝費まで報酬の上限に含めるものではない。
  • ② ○ 正しい。依頼者から特別に依頼され、多額の費用を要する広告を行う場合、報酬とは別に広告宣伝費を請求できる。
  • ③ × 誤り。請求できないとするのは誤り。
  • ④ × 誤り。依頼したのは貸主(井上さん)であり、入居者に請求する理由がない。
  • 条文: 宅建業法46条2項「宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。」(特別依頼の広告費は同項の「報酬」とは別枠として実務上扱われる)
  • 引っかけ: 範囲の広げすぎ(報酬上限に、特別依頼の実費まで含めてしまう誤り)。
  • まとめ: 依頼者の特別な依頼による広告費は、報酬とは別に請求できる。
過去問 / 過去問 令和4年度 問42 / P-R4-42

個人情報の保護に関する法律(以下、本問において「個人情報保護法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。ア 個人情報取扱事業者が個人情報を取得する場合は、利用目的をできる限り特定して通知又は公表する必要があるが、要配慮個人情報でない限り、本人の同意を得る必要はない。イ 個人情報取扱事業者が、個人データを漏えいした場合、不正アクセスによる場合であっても、本人の数が1,000人を超える漏えいでない限り、個人情報保護委員会に報告する義務はない。ウ 個人情報取扱事業者が委託先に個人データを提供することは、それが利用目的の達成に必要な範囲内であっても、個人データの第三者提供に該当するため、本人の同意を得る必要がある。エ 取り扱う個人情報の数が5,000人分以下である事業者であっても、個人情報データベース等を事業の用に供している者には、個人情報保護法による規制が適用される。

正解: 3. イ、ウ

  • ① × 誤り。「ア、ウ」はアを含むが、アは正しい記述であり、この組合せは誤り。
  • ② × 誤り。「ア、エ」はいずれも正しい記述であり、この組合せは誤り。
  • ③ ○ 正しい。イは、不正アクセス等不正な目的によるおそれがある漏えいは、人数にかかわらず報告義務がある点で誤り。ウは、委託に伴う提供は第三者提供に該当しない(27条5項1号)ため、本人の同意は不要という点で誤り。
  • ④ × 誤り。「イ、エ」はエを含むが、エは正しい記述(5,000件要件は既に撤廃されている)なので、この組合せは誤り。
  • 条文: 個人情報保護法27条5項1号「個人情報取扱事業者が利用目的の達成に必要な範囲内において個人データの取扱いの全部又は一部を委託することに伴って当該個人データが提供される場合」は第三者に該当しない。
  • 条文: 同法16条2項「…個人情報データベース等を事業の用に供している者をいう。」(取扱件数による適用除外はない)。
  • 引っかけ: 範囲の広げすぎ(委託先への提供まで第三者提供として同意を要求する誤り)。
  • まとめ: 委託に伴う提供は第三者提供にあたらず同意不要。漏えい報告は不正アクセス等では人数を問わない。
自作 / Q10

入居申込者から個人情報を取得するとき、あらかじめ利用目的を公表していない場合、どうすべきか。

正解: 2. 速やかに、本人に通知するか、公表する

  • ① × 誤り。何もしなくてよいとするのは誤り。
  • ② ○ 正しい。あらかじめ利用目的を公表している場合を除き、速やかに本人へ通知するか、公表しなければならない。
  • ③ × 誤り。「1年以内」という猶予期間は定められていない。
  • ④ × 誤り。本人の請求を待つのではなく、速やかに通知・公表する義務がある。
  • 条文: 個人情報保護法21条1項「個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。」
  • 引っかけ: 期限のすり替え(「速やかに」を「1年以内」等の猶予期間にすり替える)。
  • まとめ: 利用目的は、あらかじめ公表していなければ、取得後速やかに通知・公表する。
過去問 / 過去問 令和4年度 問43 / P-R4-43

賃貸取引の対象となる物件において人が死亡した場合の宅地建物取引業者の義務に関する次の記述のうち、「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」(国土交通省不動産・建設経済局令和3年10月公表)に照らして適切なものの組合せはどれか。ア 取引の対象となる不動産における事案の有無に関し、宅地建物取引業者は、原則として、貸主・管理業者以外に自ら周辺住民に聞き込みを行ったり、インターネットサイトを調査するなどの自発的な調査を行ったりする義務がある。イ 入居者が入浴中に溺死したときは、宅地建物取引業者は、次の賃貸借取引の際、原則として、借主に告知する必要がある。ウ 入居者が死亡した場合、宅地建物取引業者は、死亡時から3年を経過している場合であっても、借主から事案の有無について問われたときは、調査を通じて判明した点を告知する必要がある。エ 宅地建物取引業者が人の死について告知する際は、事案の発生時期、場所、死因及び特殊清掃等が行われた場合にはその旨を告げるものとし、具体的な死の態様、発見状況等を告げる必要はない。

正解: 4. ウ、エ

  • ① × 誤り。「ア、イ」はいずれも誤った記述であり、この組合せは誤り。
  • ② × 誤り。「ア、エ」はアが誤った記述であり、この組合せは誤り。
  • ③ × 誤り。「イ、ウ」はイが誤った記述であり、この組合せは誤り。
  • ④ ○ 正しい。ウは、3年を経過していても、借主から問われれば判明した点を告知するとする記述で正しい。エは、告知内容を発生時期・場所・死因・特殊清掃の有無にとどめ、具体的な態様や発見状況までは不要とする記述で正しい。
  • 条文: 宅建業法47条1号ニ「…取引条件又は当該宅地建物取引業者若しくは取引の関係者の資力若しくは信用に関する事項であつて、宅地建物取引業者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの」
  • ※ ガイドライン原文の逐語引用は本コースでは確認できず、内容は本問・令和5年度問40の問題文・選択肢自体(国家試験の公式問題文)を出典として整理した。
  • 引っかけ: 義務の広げすぎ(自発的な聞き込み調査、入浴中の溺死の一律告知)。
  • まとめ: 自発的な調査義務はなく、入浴中の溺死は原則自然死等として告知不要。問われれば3年経過後も判明した点は告知する。
自作 / Q12

ドアーズ賃貸管理の中で、担当者が変わって申込者の情報を別の担当者に引き継いだ。これは第三者提供にあたるか。

正解: 2. あたらない。同一の事業者内での利用は第三者提供ではない

  • ① × 誤り。同一事業者内の担当者間の引き継ぎは、第三者提供にはあたらない。
  • ② ○ 正しい。個人情報取扱事業者が、利用目的の達成に必要な範囲内で、自社の担当者間で情報を扱うことは第三者提供にあたらない。
  • ③ × 誤り。委員会への届出が必要になるのは第三者提供の場面であり、社内での引き継ぎとは異なる。
  • ④ × 誤り。利用目的の範囲を超えた利用は認められない。
  • 条文: 個人情報保護法18条1項「個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。」
  • 引っかけ: 範囲の広げすぎ(社内の引き継ぎまで第三者提供に含めてしまう誤り)。
  • まとめ: 社内での引き継ぎは第三者提供ではないが、利用目的の範囲は超えられない。
過去問 / 過去問 令和5年度年度 問44 / P-R5-44

賃貸住宅の入居者の募集広告に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

正解: 3. 募集する貸室が集合住宅内である場合、最寄り駅までの所要時間算出の起点は募集対象の貸室の玄関である。

  • ① ○ 正しい。募集広告のために作成した間取り図は、賃貸人にも確認してもらう必要がある(実務上の注意。宅建業法31条の信義誠実の原則にもとづく)。
  • ② ○ 正しい。新築の表示は、建築工事完了後1年未満であって、居住の用に供されたことがないものに限られる(表示規約18条1号)。
  • ③ × 誤り。選択肢は「起点は募集対象の貸室の玄関」とするが、集合住宅(マンション・アパート)では、起点はその施設から最も近い建物の出入口である(表示規約施行規則9条8号)。
  • ④ ○ 正しい。成約済みの物件をインターネット広告から削除せず掲載を継続すると、実際には取引の対象となり得ない物件の表示として、おとり広告(表示規約21条2号)や、宅建業法32条の誇大広告等の禁止に触れる場合がある。
  • 条文: 表示規約18条1号「新 築 建築工事完了後1年未満であって、居住の用に供されたことがないものをいう。」
  • 条文: 表示規約施行規則9条8号「…その施設から最も近い建物の出入口)を起点として算出した数値…を表示すること。」
  • 条文: 表示規約21条「事業者は、次に掲げる広告表示をしてはならない。(2)物件は存在するが、実際には取引の対象となり得ない物件に関する表示」
  • 引っかけ: 基準のすり替えです。貸室の玄関と、建物の出入口を入れ替えています。
  • まとめ: 徒歩所要時間の起点は建物の出入口。成約済み物件の放置広告はおとり広告になり得る。
自作 / Q13

森さんの入居審査を保証会社に委託する場合、委託に伴い個人データを保証会社に渡すことは第三者提供にあたるか。

正解: 2. あたらない。委託に伴う提供は第三者に該当しない

  • ① × 誤り。委託に伴う提供は、第三者提供そのものには該当しない扱いとされる。
  • ② ○ 正しい。利用目的の達成に必要な範囲内で、個人データの取扱いの全部又は一部を委託することに伴って提供される場合、当該提供を受ける者は第三者に該当しない。
  • ③ × 誤り。委員会の許可は不要。
  • ④ × 誤り。保証会社が個人情報取扱事業者にあたるかどうかは、この除外の理由ではない。
  • 条文: 個人情報保護法27条5項1号「個人情報取扱事業者が利用目的の達成に必要な範囲内において個人データの取扱いの全部又は一部を委託することに伴って当該個人データが提供される場合」
  • 引っかけ: 範囲の広げすぎ(委託先への提供まで通常の第三者提供として同意を要求する誤り)。
  • まとめ: 業務委託に伴う提供は、第三者提供に該当しない。
過去問 / 過去問 令和7年度年度 問22 / P-R7-22

障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律及び「国土交通省所管事業における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針」(国土交通省令和5年11月)に関する次の記述のうち、適切なものの組合せはどれか。ア 社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮は、努力義務とされている。イ 不動産管理業者が、歩行障害を有する者に個別訪問により重要事項説明等を行うことを求められた場合に、個別訪問を可能とする人的体制を有していないため対応が難しい等の理由を説明した上で、当該対応を断ることは、合理的配慮の提供義務違反に該当しないとされている。ウ 不動産管理業者が、障害者に対して障害の状況を確認することは、障害者の社会的障壁を除去するために必要な範囲で、プライバシーに配慮して行えば、不当な差別的取扱いに該当しないとされている。エ 電話利用が困難な障害者から各種手続においてメールによる対応を求められた場合であっても、自社マニュアル上、当該手続は利用者本人による電話のみで対応するものとされている場合には、それを理由として対応を断ることは、合理的配慮の提供義務に違反しないとされている。

正解: 3. イ、ウ

  • ① × 誤り。「ア、イ」の組合せはアを含むため誤り。アは、社会的障壁の除去の必要かつ合理的な配慮を「努力義務」とするが、事業者についても法律上の義務である(8条2項)。
  • ② × 誤り。「ア、エ」の組合せはアもエも誤った記述を含む。エは、自社マニュアルを理由に一律にメール対応を断ることを認めるが、それだけでは合理的配慮の提供義務違反にならないとは言えない。
  • ③ ○ 正しい。イは、個別訪問できない理由(人的体制がない等)を説明したうえで断ることは義務違反に該当しないとする記述で正しい。ウは、必要な範囲でプライバシーに配慮して障害の状況を確認することは不当な差別的取扱いに該当しないとする記述で正しい。
  • ④ × 誤り。「ウ、エ」の組合せはエを含むため誤り(エの誤りは②のとおり)。
  • 条文: 障害者差別解消法8条1項「事業者は、その事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。」
  • 条文: 障害者差別解消法8条2項「事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、…当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替えです。法律上の義務を、努力義務にすり替えています。
  • まとめ: 合理的配慮の提供は事業者の法律上の義務(8条2項)。過重な負担があれば理由を説明して断ることができ、画一的なマニュアル対応での拒否は義務違反になり得る。
自作 / Q17

車椅子を使う方から個別訪問での重要事項説明を求められたが、人的体制がなく対応できない。どうすればよいか。

正解: 3. 対応が難しい理由を説明したうえで、断ることができる

  • ① × 誤り。理由を説明しない一方的な拒否は、合理的配慮の観点から望ましくない。
  • ② × 誤り。過重な負担がある場合にまで、必ず対応しなければならないわけではない。
  • ③ ○ 正しい。個別訪問を可能とする人的体制がないなど、対応が難しい理由を説明したうえで断ることは、合理的配慮の提供義務違反に該当しないとされている。
  • ④ × 誤り。説明を尽くさない一方的な断り方は望ましくない。
  • 条文: 障害者差別解消法8条2項「…その実施に伴う負担が過重でないときは…必要かつ合理的な配慮をしなければならない。」(過重な負担がある場合は義務の限度を超える)
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(理由説明の有無を無視して、断ること自体を一律に禁止・許可する誤り)。
  • まとめ: 過重な負担があるときは、理由を説明したうえで断ることができる。
過去問 / 過去問 令和5年度年度 問41 / P-R5-41

宅地建物取引業者の障害者に対する対応に関する次の記述のうち、「国土交通省所管事業における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針」(平成29年3月)に照らし、誤っているものはどれか。

正解: 1. 宅地建物取引業者が障害者に対して「火災を起こす恐れがある」等の懸念を理由に仲介を断ることは、不当な差別的取扱いに該当しない。

  • ① × 誤り。「火災を起こす恐れがある」等の抽象的な懸念のみを理由に仲介を断ることは、不当な差別的取扱いに該当する。
  • ② ○ 正しい。物件広告に「障害者お断り」として募集を行うことは、不当な差別的取扱いに該当する。
  • ③ ○ 正しい。合理的配慮の提供等に必要な範囲で、プライバシーに配慮しつつ障害の状況等を確認することは、不当な差別的取扱いに該当しない。
  • ④ ○ 正しい。障害を理由とした誓約書の提出を求めることは、不当な差別的取扱いに該当する。
  • 条文: 障害者差別解消法8条1項「事業者は、その事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替えです。懸念だけの拒否を、正当な対応であるかのように見せています。
  • まとめ: 個別事情を検討しない、抽象的な懸念だけを理由にした拒否は不当な差別的取扱いに当たる。
自作 / Q1

あなたはドアくん。204号室の募集図面を作成した。次に必ずすることはどれか。

正解: 2. 大家の井上さんに図面の内容を確認してもらう

  • ① × 誤り。図面は掲載前に、まず貸主の確認を得るべきである。
  • ② ○ 正しい。募集広告のために作成した図面は、内容に誤りがないか、大家(貸主)にも確認してもらう必要がある。
  • ③ × 誤り。仲介手数料の金額は宅建業法46条の上限の範囲で決まるものであり、図面作成の直後に決める事項ではない。
  • ④ × 誤り。入居審査の基準は、募集の準備段階の図面確認とは別の場面の話である。
  • 条文: 宅建業法31条「宅地建物取引業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行なわなければならない。」
  • 引っかけ: 手順の入れ替え(確認前に掲載してしまう誤り)。
  • まとめ: 図面は貸主にも確認してもらってから広告に出す。
自作 / Q18

メゾン井上の前の入居者が、持病により部屋で自然死した。次の入居者との契約で、この事実の告知は必要か。

正解: 2. 原則不要。自然死等は告知しなくてよいとされる

  • ① × 誤り。自然死等をすべて一律に告知するというのは誤り。
  • ② ○ 正しい。自然死又は日常生活の中での不慮の死(自然死等)は、原則として告知の対象としなくてよいとされている。
  • ③ × 誤り。自然死等は、そもそも原則告知不要であり、3年ルールが適用されるのは自然死等以外の死である。
  • ④ × 誤り。大家に事実を確認すること自体は必要(本編の井上さんへの確認の場面)。
  • 条文: 宅建業法47条1号ニ「…宅地建物取引業者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの」について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為を禁止する(自然死等は通常この重要事項にあたらないと整理される)。
  • 引っかけ: 範囲の広げすぎ(自然死等にまで一律の告知義務を及ぼす誤り)。
  • まとめ: 自然死等は原則告知不要。3年ルールは自然死等以外の死に適用される。
自作 / Q20

発生から3年を過ぎた自然死等以外の死について、社会的に大きく報道された事件だった場合、告知はどうなるか。

正解: 2. 社会的な影響が大きい事案は、3年を過ぎても告知の対象になり得る

  • ① × 誤り。3年経過で一律に不要になるわけではない。
  • ② ○ 正しい。社会的に影響の大きい事案(周知性が高い事案)は、3年の経過期間にかかわらず、告知の対象になり得る。
  • ③ × 誤り。当事者の特定の有無は、告知の要否を左右する要素ではない。
  • ④ × 誤り。宅建業者には47条1号ニによる法律上の義務があり、大家の自由な判断だけで決まるものではない。
  • 条文: 宅建業法47条1号ニ「…宅地建物取引業者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの」について、故意に事実を告げない行為を禁止する。
  • 引っかけ: 期限のすり替え(3年という目安を、例外のない絶対的な期限として扱う誤り)。
  • まとめ: 社会的影響の大きい事案は、3年を過ぎても告知の対象になり得る。
自作 / Q21

空室が多いメゾン井上について、住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅として登録する場合、正しい記述はどれか。

正解: 1. 建物ごとに都道府県知事の登録を受けられ、受け入れる要配慮者の範囲を限定できる

  • ① ○ 正しい。住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅事業を行う者は、建築物ごとに都道府県知事の登録を受けることができ、入居を受け入れる要配慮者の範囲を定める場合は、その範囲を申請書に記載できる。
  • ② × 誤り。登録の申請先は都道府県知事である。
  • ③ × 誤り。要配慮者の範囲は、登録の際に限定することができる。
  • ④ × 誤り。各戸の床面積や、構造・設備について省令で定める基準に適合することが登録の要件である。
  • 条文: 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律8条「…住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅…を構成する建築物ごとに、都道府県知事の登録を受けることができる。」
  • 条文: 同法9条1項6号「入居を受け入れることとする住宅確保要配慮者の範囲を定める場合にあっては、その範囲」
  • 引っかけ: 範囲の広げすぎ(範囲を限定できないと誤認させる)。
  • まとめ: 登録は建物ごとに都道府県知事へ。要配慮者の範囲を選ぶこともできる。
自作 / Q3

他の物件情報をもとに、賃料や間取りを改ざんして、実際には存在しない部屋を広告に載せた。これは何にあたるか。

正解: 2. おとり広告(物件が存在しないため実際には取引することができない物件の表示)

  • ① × 誤り。実在しない物件の広告は違法であり、工夫として許されるものではない。
  • ② ○ 正しい。物件が存在しないため実際には取引することができない物件に関する表示は、おとり広告に該当する。
  • ③ × 誤り。二重価格表示は、過去の販売価格等と比較した表示に関する別のルールであり、本問の事案とは異なる。
  • ④ × 誤り。秘密保持義務は管理業法上の別の規定であり、広告の内容とは関係しない。
  • 条文: 表示規約21条1号「物件が存在しないため、実際には取引することができない物件に関する表示」
  • 引っかけ: 論点のすり替え(別の規制=二重価格表示や秘密保持と混同させる)。
  • まとめ: 存在しない物件の広告は、おとり広告の典型例。
自作 / Q5

204号室は集合住宅(アパート)内の1室である。募集広告の「駅徒歩10分」の起点はどこか。

正解: 3. 建物(メゾン井上)の出入口

  • ① × 誤り。集合住宅では、募集対象の貸室の玄関を起点とはしない。
  • ② × 誤り。窓を起点とする規定はない。
  • ③ ○ 正しい。マンション及びアパートでは、その施設から最も近い建物の出入口を起点として算出する。
  • ④ × 誤り。起点は物件側であり、駅の改札口ではない。
  • 条文: 表示規約施行規則9条8号「…(マンション及びアパートにあっては、その施設から最も近い建物の出入口)を起点として算出した数値…を表示すること。」
  • 引っかけ: 基準のすり替え(貸室の玄関と、建物の出入口の取り違え)。
  • まとめ: 集合住宅の徒歩所要時間の起点は、建物の出入口。
自作 / Q14

申込者の個人データが、不正アクセスにより漏えいした(対象者は300人)。委員会への報告は必要か。

正解: 2. 必要。不正アクセス等による漏えいは人数にかかわらず報告義務がある

  • ① × 誤り。1,000人を超えていなくても報告義務が生じる場合がある。
  • ② ○ 正しい。不正アクセス等、不正の目的をもって行われたおそれがある漏えいは、人数にかかわらず個人情報保護委員会への報告義務が生じる。
  • ③ × 誤り。要配慮個人情報でなくても、不正アクセスによる漏えいは報告義務の対象になり得る。
  • ④ × 誤り。委員会への報告に加え、原則として本人への通知も必要である。
  • 条文: 個人情報保護法26条1項「個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい…であって個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして個人情報保護委員会規則で定めるものが生じたときは…当該事態が生じた旨を個人情報保護委員会に報告しなければならない。」
  • 条文: 同法26条2項「前項に規定する場合には、個人情報取扱事業者…は、本人に対し…当該事態が生じた旨を通知しなければならない。」
  • 引っかけ: 数字のずらし(1,000人という人数基準を、不正アクセスの場合にも適用してしまう誤り)。
  • まとめ: 不正アクセス等による漏えいは、人数にかかわらず委員会への報告と本人への通知が必要。
過去問 / 過去問 令和3年度 問44 / P-R3-44

宅地建物取引業におけるおとり広告に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

正解: 1. 成約済みの物件を速やかに広告から削除せずに当該物件のインターネット広告等を掲載することは、おとり広告に該当する。

  • ① ○ 正しい。成約済みの物件を速やかに削除しないまま掲載を続けることは、おとり広告に該当する(表示規約21条2号)。
  • ② × 誤り。物件の内容が事実に基づくものであっても、実際には取引する意思がない物件の広告はおとり広告に該当する(表示規約21条3号)。
  • ③ 実際には存在しない物件を広告することはおとり広告の類型(表示規約21条1号)に近いが、本問の出題趣旨で唯一「適切」とされるのは①であり、③の当てはめの詳細な区別は一次資料で確認しきれていない(design.md参照)。
  • ④ × 誤り。おとり広告は表示規約だけでなく、宅建業法32条の誇大広告等の禁止にも触れ得る。
  • 条文: 表示規約21条2号「物件は存在するが、実際には取引の対象となり得ない物件に関する表示」
  • 条文: 表示規約21条3号「物件は存在するが、実際には取引する意思がない物件に関する表示」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(「事実に基づく」ことを理由に、おとり広告に当たらないと誤認させる)。
  • まとめ: 成約済みの放置広告と、取引意思のない広告は、いずれもおとり広告に該当する。

補足: 選択肢③(改ざんによる架空物件の広告)とおとり広告該当性の詳細な区別については、一次資料での確認が今回できなかった(design.md「確認できなかった事項」参照)。答えは変えていない。

過去問 / 過去問 令和7年度 問23 / P-R7-23

住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(以下、本問において「住宅セーフティネット法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問において「セーフティネット登録住宅」とは、同法第8条の「住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅事業に係る賃貸住宅」をいう。

正解: 3. 賃貸住宅の賃貸人がセーフティネット登録住宅の登録をする際、住宅の規模、構造等についての制限はない。

  • ① ○ 正しい。制度には登録住宅の改修費補助や、入居者の家賃負担を軽減するための支援が用意されている。
  • ② ○ 正しい。登録の際、入居を受け入れる住宅確保要配慮者の範囲を定める場合は、その範囲を申請書に記載できる(9条1項6号)。
  • ③ × 誤り。選択肢は「規模、構造等についての制限はない」とするが、実際は各戸の床面積や、構造・設備について省令で定める基準に適合することが登録の要件である(10条1号・2号)。
  • ④ ○ 正しい。登録は建築物ごとに戸数等を申請書に記載して行うため、一棟単位に限らず住戸単位での登録も可能である(8条、9条1項3号)。
  • 条文: 住宅セーフティネット法10条1号「住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅の各戸の床面積が、国土交通省令で定める規模以上であること。」
  • 条文: 同法10条2号「…構造及び設備が、住宅確保要配慮者の入居に支障を及ぼすおそれがないものとして国土交通省令で定める基準に適合するものであること。」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(登録基準が「無い」とする誤り)。
  • まとめ: セーフティネット登録住宅にも床面積・構造設備の基準があり、無制限ではない。
過去問 / 過去問 令和7年度 問24 / P-R7-24

個人情報の保護に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

正解: 3. 個人情報取扱事業者が個人データを第三者に提供する場合、個人情報保護委員会の許可を得る必要がある。

  • ① ○ 正しい。他の情報と容易に照合でき、それにより特定の個人を識別できるものは個人情報に含まれる(2条1項1号)。
  • ② ○ 正しい。当初特定した利用目的の達成に必要な範囲内であれば、社内の他部署への提供に本人の同意は不要(17条・18条1項)。
  • ③ × 誤り。選択肢は「個人情報保護委員会の許可を得る必要がある」とするが、必要なのは原則としてあらかじめ本人の同意であり、委員会の許可ではない(27条1項)。
  • ④ ○ 正しい。あらかじめ利用目的を公表している場合は、取得のたびに本人へ通知する必要はない(21条1項)。
  • 条文: 個人情報保護法27条1項「個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。」
  • 条文: 同法21条1項「個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。」
  • 引っかけ: 主体のすり替え(本人の同意を、行政機関の許可にすり替え)。
  • まとめ: 第三者提供に必要なのは本人の同意で、個人情報保護委員会の許可ではない。
過去問 / 過去問 令和4年度 問47 / P-R4-47

賃貸住宅の入居者の募集に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

正解: 4. 入居審査のため借受希望者から提出された身元確認書類は、入居を断る場合には、本人に返却する必要がある。

  • ① × 誤り。年齢だけを理由に、病歴の申告書類の提出を一律に求める必要はない。要配慮個人情報(病歴)の取得は、より慎重な検討が必要な事項である。
  • ② × 誤り。年収とのバランスがとれない場合に、同居人の収入の申告を求めることが一律に不適切とはいえない。
  • ③ × 誤り。サブリース方式(特定賃貸借契約)では、特定転貸事業者が転貸人として入居者を決定する立場にある。管理受託契約における媒介業者とは異なる。
  • ④ ○ 正しい。入居審査のために提出された身元確認書類は、入居を断る場合、本人に返却する必要がある。
  • 条文: 個人情報保護法18条1項「個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。」(提出書類を審査目的以外に保持し続けないことの根拠)
  • 引っかけ: 主体の入れ替え(サブリースの特定転貸事業者を、通常の媒介業者と同じ立場に見せる)。
  • まとめ: 審査書類は不要になれば返却。サブリースの入居者決定権は特定転貸事業者にある。
自作 / Q2

メゾン井上(築24年、2002年3月竣工)の募集広告に「新築」と記載してよいか。

正解: 2. 記載できない。建築後1年未満・未使用の物件に限られるから

  • ① × 誤り。築24年であり、建築後1年未満という要件を満たさない。
  • ② ○ 正しい。「新築」の表示は、建築工事完了後1年未満であって、居住の用に供されたことがないものに限られる。
  • ③ × 誤り。大家の了承があっても、表示規約上の新築の定義を満たさない限り記載できない。
  • ④ × 誤り。共益費の有無は新築表示の可否と関係しない。
  • 条文: 表示規約18条1号「新 築 建築工事完了後1年未満であって、居住の用に供されたことがないものをいう。」
  • 引っかけ: 条文にない基準の創作(大家の了承や共益費を理由にする誤り)。
  • まとめ: 新築表示は建築後1年未満・未使用の物件だけ。
自作 / Q4

実在する物件だが、内見の申込があってもすべて断り、実際には契約する意思のない物件を広告に掲載し続けている。これは何にあたるか。

正解: 3. おとり広告(取引する意思がない物件の表示)に該当する

  • ① × 誤り。物件が実在していても、取引する意思がなければおとり広告になり得る。
  • ② × 誤り。内容が事実に基づいていても、取引意思がないことがおとり広告の要件である。
  • ③ ○ 正しい。物件は存在するが、実際には取引する意思がない物件に関する表示は、おとり広告に該当する。
  • ④ × 誤り。交渉のテクニックとして正当化されるものではない。
  • 条文: 表示規約21条3号「物件は存在するが、実際には取引する意思がない物件に関する表示」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(「事実に基づく」ことを理由に適法とみせる)。
  • まとめ: 取引の意思がない物件の広告も、おとり広告に該当する。
自作 / Q9

申込書に「取得した個人情報を、保証会社への提供と本人確認のために利用します」と書いた。これは何を満たすためか。

正解: 1. 利用目的の特定(個人情報保護法17条)

  • ① ○ 正しい。個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うにあたり、その利用目的をできる限り特定しなければならない。
  • ② × 誤り。報酬の説明は宅建業法46条の話であり、利用目的の特定とは別の制度。
  • ③ × 誤り。おとり広告の防止は募集広告の表示に関するルールであり、個人情報の話ではない。
  • ④ × 誤り。従業者証明書は管理業法の別の規定であり、申込書の利用目的とは無関係。
  • 条文: 個人情報保護法17条1項「個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うに当たっては、その利用目的(以下「利用目的」という。)をできる限り特定しなければならない。」
  • 引っかけ: 論点のすり替え(別の法律・別の条文と混同させる)。
  • まとめ: 利用目的をできる限り特定することが、個人情報保護法17条の要求。
自作 / Q11

森さんの入居審査のため、氏名・年収等の情報を保証会社に渡したい。何が必要か。

正解: 2. 本人の同意

  • ① × 誤り。第三者提供にあたるため、何もせず渡すことはできない。
  • ② ○ 正しい。個人情報取扱事業者は、原則としてあらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。
  • ③ × 誤り。個人情報保護委員会への届出が必要になるのは、オプトアウトによる第三者提供等の別の場面である。
  • ④ × 誤り。市区町村長の許可は不要。
  • 条文: 個人情報保護法27条1項「個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。」
  • 引っかけ: 主体の入れ替え(本人の同意を、行政の許可・届出にすり替える)。
  • まとめ: 保証会社への提供は第三者提供にあたり、本人の同意が必要。
自作 / Q15

車椅子を使う入居希望者からの内見の申込を、事情を確認せず「車椅子だから」という理由だけで断った。これは何にあたるか。

正解: 2. 不当な差別的取扱い(障害者差別解消法8条1項)

  • ① × 誤り。理由を確認せず一律に断ることは、合理的な業務判断とはいえない。
  • ② ○ 正しい。事業者は、その事業を行うにあたり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。
  • ③ × 誤り。個人情報保護法の問題ではない。
  • ④ × 誤り。広告の表示の問題ではない。
  • 条文: 障害者差別解消法8条1項「事業者は、その事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。」
  • 引っかけ: 論点のすり替え(別の法律の違反であるかのように見せる)。
  • まとめ: 障害を理由にした一律の拒否は、不当な差別的取扱いに当たる。
自作 / Q16

令和6年4月の改正で、事業者による社会的障壁の除去の合理的配慮は、どう変わったか。

正解: 1. 努力義務から、法律上の義務になった

  • ① ○ 正しい。障害者差別解消法の改正により、令和6年4月1日から、事業者による社会的障壁の除去についての合理的配慮の提供が、努力義務から法律上の義務になった。
  • ② × 誤り。義務から努力義務へ、と逆方向に説明している点が誤り。
  • ③ × 誤り。改正前は事業者について努力義務であり、「もともと義務だった」は誤り。
  • ④ × 誤り。改正後も、事業者に適用される(むしろ義務が強化された)。
  • 条文: 障害者差別解消法8条2項「事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは…必要かつ合理的な配慮をしなければならない。」
  • 引っかけ: 方向の入れ替え(義務化を、逆に努力義務化と説明する誤り)。
  • まとめ: 事業者の合理的配慮は、令和6年4月の改正で法律上の義務になった。
自作 / Q19

メゾン井上の外階段(共用部分)で、自然死等以外の死が発生した。発生から2年後に別の部屋の契約をする場合、告知は必要か。

正解: 2. 必要。共用部分での自然死等以外の死も、3年間は告知の対象

  • ① × 誤り。共用部分だから対象外、とするのは誤り。
  • ② ○ 正しい。日常生活上使用する共用部分での自然死等以外の死も、発生日から3年以内の賃貸借契約では、告知の対象になる。
  • ③ × 誤り。専有部分に限られるとするのは誤り。
  • ④ × 誤り。告知の目安期間は概ね3年間であり、10年間ではない。
  • 条文: 宅建業法47条1号ニ「…相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの」(共用部分での死も判断に影響し得る事項として扱われる)
  • 引っかけ: 範囲の縮めすぎ(専有部分に限定し、共用部分を除外してしまう誤り)。
  • まとめ: 共用部分での自然死等以外の死も、3年間は告知の対象になる。