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第7話

毎月の家賃 ― 入金・滞納・回収

この話の舞台

7〜10月

登場人物と「誰が何を決めるか」 → 舞台設定の全体 →

到達目標と条件

目標1毎月の家賃の通り道と、山田さんの滞納が大きくなる流れを、日付と金額で言える。
日付・時期やること根拠
27日入金(口座振替・振込)メゾン井上の契約
翌月5日消込で未入金を確認
1か月目電話・未納のお知らせ・督促状民法541条
2か月目内容証明郵便・保証会社へ事故報告民法150条
くわしく(4項目)
  • 入居者は毎月27日にうちの口座へ振込。翌月5日に消込で入金を確認する。
  • 1か月目は電話と未納のお知らせ・督促状。2か月目は配達証明付き内容証明郵便と保証会社への事故報告。
  • 2か月の滞納は142,000円(家賃68,000円+共益費3,000円の2か月分)。
  • 6か月前後で理事会・大家と相談し、法的手続に進む(管理業法の委託期間を超えた督促はしない)。
目標2代位弁済のあと何ができて何ができないかを、自力救済の禁止と信頼関係破壊の法理で言える。
手段内容根拠
支払督促簡裁書記官に申立て。異議なければ仮執行宣言民事訴訟法391条
少額訴訟60万円以下の金銭請求。簡裁のみ民事訴訟法368条1項
明渡し訴訟明渡しには判決が必要(公正証書では不可)民事執行法22条5号
強制執行裁判所の執行官が実施民事執行法22条5号
くわしく(4項目)
  • 保証会社が大家へ立て替え払い(代位弁済)すると、賃借人への請求権は保証会社に移る。
  • うちが鍵を勝手に交換したり、残置物を勝手に処分したりすることはできない(自力救済の禁止)。
  • 無催告解除特約は、信頼関係が破壊されたと言えるときに限り有効(信頼関係破壊の法理)。代位弁済があっても賃借人本人の不履行の事実は消えない。
  • 最終的な回収・明渡しは、支払督促少額訴訟・明渡し訴訟・強制執行の順で、裁判所の手続を通す。
目標3時効・供託・賃料増減請求の3つを、いつ・誰が使う制度かで言える。
制度誰が使うか根拠
消滅時効滞納が長引いたときの回収側の注意点民法166条1項
供託値上げ交渉で受け取りを拒まれた借主民法494条1項
賃料増減請求値上げ・値下げを求める当事者借地借家法32条1項
くわしく(3項目)
  • 家賃の債権は5年で時効消滅する。催告で6か月の完成猶予(1回のみ)、承認や裁判上の請求で更新される。
  • 貸主が家賃の受け取りを拒んだときは、借主は家賃を供託でき、その分の家賃債務を免れる。
  • 賃料増減請求権(借地借家法32条)は、協議で決める特約があっても行使できる。定期借家で改定しない特約があるときだけ32条は適用されない。

覚える数字と条文

数字・条文内容
民法541条相当の期間を定めた催告後、履行がなければ契約を解除できる。帰責事由は要件ではない。
民法150条1項催告があると、その時から6か月、時効の完成が猶予される(1回のみ)。
民法166条1項1号債権は、権利行使できることを知った時から5年で時効消滅する。
民法494条1項1号受領拒否のときは、弁済者は供託でき、供託時に債権が消滅する。
民法622条の2第2項賃貸人は敷金を賃料債務の弁済に充てられる。借主からの充当請求はできない。
民法454条連帯保証人には催告の抗弁権・検索の抗弁権がない。
民法488条1項・2項弁済充当は、まず弁済者(借主)が指定。異議があれば法定充当による。
借地借家法32条1項契約の条件にかかわらず、将来に向かって賃料の増減を請求できる。
借地借家法38条9項定期建物賃貸借で改定に係る特約があるときは、32条は適用されない。
民事執行法22条5号執行認諾文言付き公正証書(執行証書)は金銭請求の強制執行に使える。明渡しには使えない。
民事訴訟法368条1項少額訴訟は60万円以下の金銭請求、簡易裁判所のみ、同一簡裁で年の回数制限あり。
民事訴訟法391条・395条仮執行宣言後2週間以内の督促異議で通常訴訟に移行する。
弁護士法72条弁護士でない者は、報酬目的で訴訟の代理等を業とすることができない。
世界設定の数字家賃68,000円+共益費3,000円=71,000円/月。山田さんの2か月滞納は142,000円。

実務の流れ→ 横にスクロール

1
舞台
メゾン井上、木造2階建て8戸、101号室 山田さん(会社員)が滞納。7〜10月の出来事。
2
1 集める
27日振込→翌月5日消込で未入金に気づく。
3
2 1か月目
電話(口約束)→未納のお知らせ・督促状(書面)。
4
3 2か月目
配達証明付き内容証明郵便+保証会社(中山さん)へ事故報告。滞納142,000円。
5
4 代位弁済
保証会社が井上さんへ立て替え払い。請求権は保証会社に移転。
6
5 自力救済の禁止
鍵交換・残置物処分は不可。無催告解除特約は信頼関係破壊が要る。
7
6 法的手続
支払督促→(異議あれば)通常訴訟/少額訴訟。明渡しには判決。強制執行は執行官。
8
7 消滅時効
5年、催告で6か月猶予(1回)、承認・裁判上の請求で更新。
9
8 賃料増減請求・供託
借地借家法32条(協議特約があっても行使可)、受領拒否には供託。定期借家は38条9項で別扱い。
ひっかけ 10件
  • 「督促状を送れば必ず解決する」という誤り(送っても入金されないことがあり、段階を踏んで進める)。
  • 「代位弁済があれば賃借人の不払いの事実は消える」という誤り(保証会社の履行と本人の不履行は別)。
  • 「無催告解除特約があれば当然に鍵を交換・残置物を処分できる」という誤り(自力救済の禁止、信頼関係破壊が要件)。
  • 「解除の通知は内容証明郵便でなければ効力が生じない」という誤り(書面なら方式を問わない)。
  • 「執行認諾文言付き公正証書があれば明渡しも強制執行できる」という誤り(明渡しには判決が必要)。
  • 「少額訴訟はどの裁判所でも、何度でも使える」という誤り(簡易裁判所のみ、同一簡裁で回数制限)。
  • 「催告を繰り返せば時効はそのたびに止まる」という誤り(猶予期間中の再度の催告に効力なし)。
  • 「弁済の提供をしただけで賃料債務を免れる」という誤り(免れるには供託まで必要)。
  • 「協議で決めるという特約があれば賃料増減請求権を排除できる」という誤り(普通借家では排除できない。定期借家の改定しない特約は別)。
  • 「連帯保証人には先に賃借人へ請求してからでないと請求できない」という誤り(連帯保証人には催告の抗弁権がない)。

到達目標(教科書)

目標1毎月の家賃の通り道と、山田さんの滞納が大きくなる流れを、日付と金額で言える。

日付・時期やること根拠
27日入金(口座振替・振込)メゾン井上の契約
翌月5日消込で未入金を確認
1か月目電話・未納のお知らせ・督促状民法541条
2か月目内容証明郵便・保証会社へ事故報告民法150条
  • 入居者は毎月27日にうちの口座へ振込。翌月5日に消込で入金を確認する。
  • 1か月目は電話と未納のお知らせ・督促状。2か月目は配達証明付き内容証明郵便と保証会社への事故報告。
  • 2か月の滞納は142,000円(家賃68,000円+共益費3,000円の2か月分)。
  • 6か月前後で理事会・大家と相談し、法的手続に進む(管理業法の委託期間を超えた督促はしない)。

目標2代位弁済のあと何ができて何ができないかを、自力救済の禁止と信頼関係破壊の法理で言える。

手段内容根拠
支払督促簡裁書記官に申立て。異議なければ仮執行宣言民事訴訟法391条
少額訴訟60万円以下の金銭請求。簡裁のみ民事訴訟法368条1項
明渡し訴訟明渡しには判決が必要(公正証書では不可)民事執行法22条5号
強制執行裁判所の執行官が実施民事執行法22条5号
  • 保証会社が大家へ立て替え払い(代位弁済)すると、賃借人への請求権は保証会社に移る。
  • うちが鍵を勝手に交換したり、残置物を勝手に処分したりすることはできない(自力救済の禁止)。
  • 無催告解除特約は、信頼関係が破壊されたと言えるときに限り有効(信頼関係破壊の法理)。代位弁済があっても賃借人本人の不履行の事実は消えない。
  • 最終的な回収・明渡しは、支払督促少額訴訟・明渡し訴訟・強制執行の順で、裁判所の手続を通す。

目標3時効・供託・賃料増減請求の3つを、いつ・誰が使う制度かで言える。

制度誰が使うか根拠
消滅時効滞納が長引いたときの回収側の注意点民法166条1項
供託値上げ交渉で受け取りを拒まれた借主民法494条1項
賃料増減請求値上げ・値下げを求める当事者借地借家法32条1項
  • 家賃の債権は5年で時効消滅する。催告で6か月の完成猶予(1回のみ)、承認や裁判上の請求で更新される。
  • 貸主が家賃の受け取りを拒んだときは、借主は家賃を供託でき、その分の家賃債務を免れる。
  • 賃料増減請求権(借地借家法32条)は、協議で決める特約があっても行使できる。定期借家で改定しない特約があるときだけ32条は適用されない。

出典:
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過去問 / 過去問 令和5年度 問25 / Q7

令和3年4月1日に締結された賃貸借契約の終了に関する次の記述のうち、適切なものの組合せはどれか。ア 賃貸人と賃借人に紛争があり、賃借人があらかじめ賃料の支払を拒絶する意思を書面にて明らかにしており、実際に賃料の滞納が3か月に及ぶ場合、賃貸人は催告することなく賃貸借契約を解除することができる。イ 賃料支払義務は賃借人の中核的義務である以上、1回でも賃料不払があれば、賃貸人との間の信頼関係が破壊されたとして、賃貸人は賃貸借契約を解除することができる。ウ 賃貸借契約が解除されると、解除の遡及効により契約当初に遡り解除の効果が生ずる。エ 家賃債務保証業者が連帯保証人となっている場合において、当該業者が賃借人による賃料不払に関して保証債務を履行していても、信頼関係が破壊されたとして、賃貸人による賃貸借契約の解除が認められる場合がある。

正解: 4. ア、エ

  • ① × 誤り。選択肢は「ア、イ」だが、イは1回の不払いだけで直ちに信頼関係破壊とは認められず不適切。
  • ② × 誤り。選択肢は「イ、ウ」だが、イに加えウも不適切(賃貸借の解除は将来に向かってのみ効力を生じ、遡及しない)。
  • ③ × 誤り。選択肢は「ウ、エ」だが、ウが不適切なので組合せとして成立しない。
  • ④ ○ 正しい。アは、支払拒絶の意思をあらかじめ明示し実際に3か月滞納した場合、信頼関係破壊が明白として無催告解除が認められる。エは、保証会社の代位弁済があっても、不払いの事実や交渉経緯から信頼関係破壊が認定される場合がある。
  • 条文: 民法541条「当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(1回の不払いで直ちに解除できるとする誤り、解除の効果を遡及とする誤り)。
  • まとめ: 無催告解除は信頼関係破壊が明白なときに限る。賃貸借の解除は将来に向かってのみ効力を生じる。
過去問 / 過去問 令和6年度 問18 / Q2

賃借人の滞納賃料を回収するための法的手続に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

正解: 2. 期間内に滞納賃料の支払がない場合には期間の経過をもって賃貸借契約を解除する旨の通知は、内容証明郵便により行わなければ、賃借人が滞納賃料を支払わないまま所定の期間が経過しても、契約解除の効力は生じない。

  • ① ○ 正しい。執行認諾文言付きの公正証書(執行証書)があれば、訴訟によらず強制執行できる(民事執行法22条5号)。
  • ② × 誤り。これが正解。催告や解除の意思表示は書面の種類を問わず、相手に到達すれば効力を生じ、内容証明でなくてもよい。
  • ③ ○ 正しい。仮執行の宣言後、2週間以内に督促異議を申し立てれば、通常の訴訟手続に移る(民事訴訟法391条・395条)。
  • ④ ○ 正しい。少額訴訟の回数制限は同一の簡易裁判所ごとに数えるため、別の簡裁でなら提起できる(民事訴訟法368条1項ただし書)。
  • 条文: 民事執行法22条5号「金銭の一定の額の支払…を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載…されているもの」
  • 条文: 民事訴訟法368条1項「簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる。ただし、同一の簡易裁判所において同一の年に最高裁判所規則で定める回数を超えてこれを求めることができない」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(書面の種類を内容証明だけに限定する誤り)。
  • まとめ: 催告・解除は書面なら方式を問わない。少額訴訟の回数は簡易裁判所ごとに数える。
過去問 / 過去問 令和4年度 問20 / Q3

賃料に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

正解: 1. 貸主が支払期限を知っている通常の場合、賃料債権は、5年の消滅時効に服する。

  • ① ○ 正しい。貸主が支払期限を知っている通常の場合、賃料債権は権利を行使できることを知った時から5年で時効消滅する。
  • ② × 誤り。選択肢は「敷地の対価を当然に別途請求できる」とするが、家賃には敷地利用の対価も含まれ、別途請求できない。
  • ③ × 誤り。選択肢は「遺産分割までの賃料債権は相続財産となる」とするが、判例上、各相続人に法定相続分に応じて当然に分割承継される。
  • ④ × 誤り。選択肢は「貸主が指定した債務に充当され、借主はこれに従う」とするが、充当の合意がなければ、まず弁済をする者(借主)が指定できる。
  • 条文: 民法166条1項1号「債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき…時効によって消滅する」
  • 条文: 民法488条1項「弁済をする者は、給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる」
  • 引っかけ: 主語の入れ替え(充当の指定権を借主から貸主にすり替える誤り)。
  • まとめ: 賃料債権は原則5年で時効消滅。充当の指定は、まず借主(弁済者)の権利。
過去問 / 過去問 令和5年度 問19 / Q4

賃借人が賃料債務を免れる場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

正解: 4. 賃貸借契約期間中であっても、賃貸人が、敷金の一部を賃借人の賃料債務に充当したときは、賃借人の承諾の有無にかかわらず、賃借人は、その分の賃料債務を免れる。

  • ① × 誤り。選択肢は「10年経過で特段の手続なく免れる」とするが、時効は当然には成立せず、援用が必要。
  • ② × 誤り。選択肢は「受け取れる状況にすれば、受領拒否でも債務を免れる」とするが、弁済の提供だけでは債務は消滅せず、免れるには供託が必要。
  • ③ × 誤り。選択肢は「振込払いの特約なのに持参して供託できる」とするが、契約で定めた支払方法と異なる提供は、本旨に従った提供と認められないことがある。
  • ④ ○ 正しい。賃貸人が敷金を賃料債務に充当したときは、賃借人の承諾の有無にかかわらず、その範囲で賃料債務は消滅する。
  • 条文: 民法494条1項1号「弁済の提供をした場合において、債権者がその受領を拒んだとき…弁済者は…供託することができる。この場合においては、弁済者が供託をした時に、その債権は、消滅する」
  • 条文: 民法622条の2第2項「賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(提供しただけで足りるかのように書く誤り)。
  • まとめ: 債務を消滅させるには供託まで必要。敷金充当は貸主の権利で、借主の承諾は不要。
過去問 / 過去問 令和7年度 問29 / Q5

借地借家法第32条に定める賃料増減請求権の行使に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

正解: 1. 普通建物賃貸借契約で、賃料改定は協議により行うという特約がある場合でも、当事者間で協議が調わないときは、賃貸人は、賃料増額請求権を行使することができる。

  • ① ○ 正しい。協議による特約があっても、協議が調わなければ賃料増減請求権を行使できる。
  • ② × 誤り。選択肢は「定期借家でも改定しない特約があれば減額請求できる」とするが、その特約があるときは借地借家法32条の適用がない。
  • ③ × 誤り。選択肢は「到達後1か月経過で増額される」とするが、増額の効力は意思表示が到達した時から生じる。
  • ④ × 誤り。選択肢は「一部への通知で全員に請求できる」とするが、増減請求は賃借人ごとに個別の意思表示が必要。
  • 条文: 借地借家法32条1項「契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる」
  • 条文: 借地借家法38条9項「第32条の規定は、第1項の規定による建物の賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しない」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(定期借家だけの特約排除を普通借家にまで広げる誤り)。
  • まとめ: 協議特約があっても32条は使える。適用除外できるのは定期借家の改定特約だけ。
過去問 / 過去問 令和5年度 問7 / Q6

次の記述のうち、居住用賃貸借契約に定める約定として不適切なものはいくつあるか。ア 賃借人が支払を怠った賃料の合計額が賃料3か月分以上に達したとき、賃貸人は無催告にて賃貸借契約を解除し、賃借人の残置物がある場合はこれを任意に処分することができる。イ 賃借人が支払を怠った賃料の合計額が賃料3か月分以上に達したとき、連帯保証人は、無催告にて賃貸借契約を解除し、賃借人の残置物がある場合はこれを任意に処分することができる。ウ 賃借人が契約期間満了日に貸室を明け渡さなかった場合、賃借人は契約期間満了日の翌日から明渡しが完了するまでの間、賃料相当額の損害金を賃貸人に支払うものとする。エ 賃借人が契約期間満了日に貸室を明け渡さなかった場合、賃借人は契約期間満了日の翌日から明渡しが完了するまでの間、賃料の2倍相当額の使用損害金を賃貸人に支払うものとする。

正解: 2. 2つ

  • ① × 誤り。選択肢は「1つ」だが、不適切な約定はア・イの2つある。
  • ② ○ 正しい。アは、賃貸人の無催告解除自体は要件次第で有効となり得るが、残置物の「任意処分」は自力救済の禁止に反し無効。イは、解除権や残置物処分権を契約当事者でない連帯保証人に与える特約であり無効。ウ・エは明渡し遅延時の損害金の定めで、いずれも有効。よって不適切なのはア・イの2つ。
  • ③ × 誤り。選択肢は「3つ」だが、ウ・エは有効な約定であり不適切に含まれない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「4つ」だが、不適切なのは2つにとどまる。
  • 条文: 民法541条「当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる」
  • 引っかけ: 主語の入れ替え(解除権・処分権を賃貸人以外の連帯保証人に認める誤り)。
  • まとめ: 残置物の任意処分は自力救済の禁止で常に無効。解除権・処分権は連帯保証人には帰属しない。
過去問 / 過去問 令和6年度 問17 / Q8

月額賃料10万円の賃貸住宅につき、賃借人が月額賃料7万円への減額を請求した場合に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

正解: 1. 敷金が20万円の場合、賃料減額請求権の行使により敷金も14万円に減額になるので、賃貸人は敷金の差額分の6万円を返還しなければならない。

  • ① × 誤り。これが正解。敷金額は当初の契約で定めた金額のままで、賃料減額に伴い当然に精算・返還する義務はない。敷金は賃貸借終了時にあらためて精算される。
  • ② ○ 正しい。裁判所は減額請求の意思表示が到達した時点の事情を基準に相当賃料を判断するため、後発の事情(雨漏り)は当該請求の当否には影響しない。
  • ③ ○ 正しい。賃料増減請求権は形成権であり、行使に書面は不要で口頭でも有効。
  • ④ ○ 正しい。賃料減額請求後、確定額より低い額しか払っていなかった場合、不足分には法定利率による利息を付して請求できる(借地借家法32条2項・3項)。
  • 条文: 借地借家法32条1項「契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(賃料と敷金が自動的に連動するという誤り)。
  • まとめ: 敷金は賃料減額に連動して自動精算されない。増減請求は口頭でも有効、確定額との差額には利息が付く。
過去問 / 過去問 令和7年度 問28 / Q9

定期建物賃貸借でも一時使用目的の賃貸借でもない建物賃貸借契約(以下、「普通建物賃貸借契約」という。)で、賃借人が賃料3か月分を滞納している場合において、賃貸人又は賃料の収納業務を委託された賃貸住宅管理業者の対応に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

正解: 2. 賃借人が賃貸人に対し、敷金を滞納賃料の一部に充てることを請求した場合であっても、賃貸人は、改めて滞納賃料の全額及びこれに対する遅延利息を賃借人に請求することができる。

  • ① × 誤り。選択肢は「賃借人に先に請求し、履行しないときに限り保証人に請求できる」とするが、連帯保証人には催告の抗弁権・検索の抗弁権がなく、賃貸人は最初から連帯保証人に請求できる(民法454条)。
  • ② ○ 正しい。敷金充当は賃貸人側の権利であり、賃借人の側から敷金充当を請求することはできない。よって賃貸人は敷金充当に応じず、全額と遅延損害金を請求できる。
  • ③ × 誤り。選択肢は「協議の上で決める」とするが、弁済者(借主)が指定した充当に貸主が直ちに異議を述べたときは、その指定は効力を生じず、法定充当(民法489条)の順序による。協議で決めるものではない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「特別の委任があれば管理業者が訴訟提起できる」とするが、訴訟代理は弁護士法72条により弁護士でない者は行えず、委任があっても不可。
  • 条文: 民法454条「保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条の権利を有しない」
  • 条文: 弁護士法72条「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件…その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い…業とすることができない」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(連帯保証人に催告の抗弁権があるかのように書く誤り、非弁行為を委任で正当化する誤り)。
  • まとめ: 連帯保証人には催告・検索の抗弁権がない。管理業者は委任があっても訴訟代理はできない(弁護士法72条)。
過去問 / 過去問 令和3年度 問21 / Q10

賃料増減請求に関する次の記述のうち、適切なものの組合せはどれか。ア 賃料増減請求は、請求権を行使した時ではなく、客観的に賃料が不相当となった時に遡って効力を生ずる。イ 賃料改定を協議により行うとする特約が定められている場合であっても、賃料増減請求を行うことができる。ウ 借主が賃料減額請求を行ったが、協議が調わない場合、減額を正当とする裁判が確定するまでの間、借主は減額された賃料を支払えば足り、貸主は従前の賃料を請求することができない。エ 賃料改定については、合意が成立しなければ、訴訟によって裁判所の判断を求めることになるが、原則として、訴訟提起の前に調停を申し立てなければならない。

正解: 3. イ、エ

  • ① × 誤り。選択肢は「ア、イ」だが、アが不適切(効力は意思表示到達時からで、遡及しない)。
  • ② × 誤り。選択肢は「ア、ウ」だが、ア・ウとも不適切。ウは、貸主は確定までなお従前の賃料額を請求でき、「従前の賃料を請求できない」は誤り。
  • ③ ○ 正しい。イは、協議特約があっても普通借家では32条の増減請求権を排除できないので適切。エは、賃料等増減の訴えは調停前置主義により訴訟提起前にまず調停を申し立てる必要があるので適切。
  • ④ × 誤り。選択肢は「ウ、エ」だが、ウが不適切。
  • 条文: 借地借家法32条1項「契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(効力の発生時期を遡及とする誤り、確定前の支払で貸主の請求権が失われるとする誤り)。
  • まとめ: 増減請求の効力は到達時から将来に向かって生じる。協議特約があっても行使でき、訴訟前にまず調停が要る。
過去問 / 過去問 令和7年度 問6 / Q1

建物賃貸借契約が賃借人の賃料不払を理由に解除され終了する場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

正解: 1. 賃貸人が賃借人の賃料不払を理由に賃貸借契約を解除する場合、賃借人の帰責事由は解除権行使の要件にならない。

  • ① ○ 正しい。2020年の民法改正後、賃料不払いによる解除に賃借人の帰責事由(落ち度)は要件になっていない。
  • ② × 誤り。選択肢は「直接受領が必要」とするが、了知可能な状態に置かれれば到達したといえる(民法97条1項)。
  • ③ × 誤り。選択肢は「代位弁済があれば不履行は否定される」とするが、保証会社の代位弁済は保証債務の履行であり、賃借人本人の不払いの事実は消えない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「保証業者が無催告解除できる条項は有効」とするが、解除権は契約当事者である賃貸人にあり、保証業者に解除権を与える特約は無効。
  • 条文: 民法541条「当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる」
  • 引っかけ: 主語の入れ替え(解除権者を賃貸人から保証業者にすり替える誤り)。
  • まとめ: 賃料不払いの解除に帰責事由は不要。解除権は賃貸人にあり、代位弁済があっても不履行の事実は消えない。
過去問 / 過去問 令和3年度 問22 / Q11

賃料回収及び明渡しに向けた業務に関する次の記述のうち、不適切なものの組合せはどれか。ア 明渡しを命じる判決が確定すれば、貸主は、強制執行によることなく、居室内に立ち入り、残置物を処分することができる。イ 貸主は、契約解除後、借主が任意に明渡すことを承諾している場合、明渡し期限後の残置物の所有権の放棄を内容とする念書を取得すれば、借主が退去した後に残置物があったとしても自らこれを処分することができる。ウ 貸主は、借主の未払賃料について、支払を命じる判決が確定しなければ、賃料債務の有無及び額が確定しないため、敷金を充当することができない。エ 貸主は、賃貸借契約書を公正証書で作成した場合であっても、建物の明渡しの強制執行をするためには、訴訟を提起して判決を得なければならない。

正解: 2. ア、ウ

  • ① × 誤り。選択肢は「ア、イ」だが、イは適切(借主本人の有効な同意・念書があれば、自力救済禁止の例外として処分できる)。
  • ② ○ 正しい。アは不適切(判決確定後も、自力での立入り・処分は自力救済の禁止に反し、執行官による強制執行の手続が必要)。ウも不適切(敷金充当は貸主の一存でいつでもでき、判決確定を待つ必要はない)。
  • ③ × 誤り。選択肢は「イ、エ」だが、イ・エとも適切な記述であり不適切に含まれない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「ウ、エ」だが、エは適切(公正証書は金銭債権の強制執行に使えても、明渡しの強制執行には使えず、訴訟が必要)。
  • 条文: 民事執行法22条5号「金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載…されているもの」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(判決確定を自力執行の許可と誤解する誤り、敷金充当に判決確定が必要とする誤り)。
  • まとめ: 明渡しの実現には常に強制執行の手続が必要。敷金充当は判決確定を待たず貸主が行える。
自作 / Q18

あなたはツバサ。山田さんの滞納が2か月分になった。家賃68,000円、共益費3,000円のとき、滞納額はいくらか。

正解: 3. 142,000円

  • ① × 誤り。選択肢の71,000円は1か月分(家賃68,000円+共益費3,000円)であり、2か月分ではない。
  • ② × 誤り。選択肢の132,000円は正しい計算式(71,000円×2)の結果ではない。
  • ③ ○ 正しい。家賃68,000円と共益費3,000円の合計71,000円の2か月分で142,000円。
  • ④ × 誤り。選択肢の152,000円も正しい計算式の結果ではない。
  • 条文: 賃貸住宅標準管理受託契約書(金銭管理に関する定め。金額の計算は契約に定めた家賃・共益費の額による)
  • 引っかけ: 数字のずらし(1か月分の金額や誤った合計を選ばせる誤り)。
  • まとめ: 2か月の滞納は家賃と共益費の合計を2倍した142,000円。
自作 / Q20

あなたはツバサ。2か月分の滞納が続き、保証会社に事故報告をすることにした。あわせて何を送るとよいか。

正解: 2. これまでの督促状・催告書のコピーを添えて報告する。

  • ① × 誤り。選択肢は「電話だけで報告」とするが、経過が分かる書類を添えて報告するのが確実。
  • ② ○ 正しい。督促状や催告書のコピーなど、これまでの経過が分かる書類を添えて事故報告する。
  • ③ × 誤り。選択肢は「個人的な生活状況を推測して報告」とするが、事実に基づかない推測は報告に含めない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「井上さんには報告せず」とするが、大家である井上さんへの報告も必要。
  • 条文: 賃貸住宅管理業法20条「管理業務の実施状況その他の国土交通省令で定める事項について、定期的に、報告をしなければならない」
  • 引っかけ: 手順の省略(経過を示す書類を添えずに報告できるとする誤り)。
  • まとめ: 事故報告には督促の経過書類を添える。大家への報告も欠かさない。
自作 / Q35

あなたはツバサ。井上さんが値上げを求めたが、入居者が今までの家賃しか払わず、井上さんがその受け取りを拒んだ。入居者が取れる手段は何か。

正解: 2. 家賃を法務局へ供託すれば、その分の家賃債務を免れる。

  • ① × 誤り。選択肢は「何もできず支払わなかったことになる」とするが、供託という手段がある。
  • ② ○ 正しい。弁済の提供をしたのに貸主が受領を拒んだときは、借主は家賃を供託でき、供託によりその分の家賃債務を免れる。
  • ③ × 誤り。選択肢は「自分の口座に貯めておけばよい」とするが、それだけでは債務は消滅しない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「値上げに同意するまで一切払わなくてよい」とするが、正当な額を提供・供託する必要がある。
  • 条文: 民法494条1項1号「弁済の提供をした場合において、債権者がその受領を拒んだとき…弁済者は…供託することができる。この場合においては、弁済者が供託をした時に、その債権は、消滅する」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(受領拒否があると何もしなくてよいとする誤り)。
  • まとめ: 貸主が受領を拒んだときは、借主は家賃を供託して債務を免れることができる。
自作 / Q12

あなたはツバサ。7月27日、メゾン井上の8戸のうち101号室・山田さんの家賃だけ入金がなかった。次にすることは何か。

正解: 2. 翌月5日、井上さんへの送金前にもう一度入金を確認する。

  • ① × 誤り。選択肢は「すぐに部屋へ行き鍵を確認する」とするが、この段階では自力救済にあたる行為をする理由がない。
  • ② ○ 正しい。27日の振込を翌月5日に確認し、未入金であれば消込で気づく、が最初の手順。
  • ③ × 誤り。選択肢は「送金しないと伝える」とするが、未収分を除いた送金と明細の説明が先。
  • ④ × 誤り。選択肢は「すぐ代位弁済を求める」とするが、代位弁済は1〜2か月目の督促・事故報告を経てからの話。
  • 条文: 賃貸住宅管理業法16条「家賃、敷金、共益費その他の金銭を受領した場合においては…整然と管理する方法により、自己の固有財産及び他の管理受託契約に基づく管理業務に係る金銭と分別して管理しなければならない」
  • 引っかけ: 手順の飛ばし(確認より先に実力行使や代位弁済を選ばせる誤り)。
  • まとめ: 未入金にはまず27日→翌月5日の消込で気づき、順を追って対応する。
自作 / Q15

あなたはツバサ。8月、山田さんに電話すると「今月中に払います」と言われたが、月が変わっても入金がない。次に何をするか。

正解: 2. 未納のお知らせと督促状を書面で送る。

  • ① × 誤り。選択肢は「口約束を信じて様子を見る」とするが、電話だけでは形に残らず、1か月目の対応として不十分。
  • ② ○ 正しい。1か月目は電話に加えて、未納のお知らせと督促状を書面で送る。
  • ③ × 誤り。選択肢は「すぐ代位弁済」とするが、代位弁済は2か月目の事故報告のあと。
  • ④ × 誤り。選択肢は「すぐ支払督促」とするが、法的手続は6か月目前後、理事会や大家との相談を経てから。
  • 条文: 民法541条「当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる」
  • 引っかけ: 手順の飛ばし(初期段階でいきなり法的手続や代位弁済に進める誤り)。
  • まとめ: 1か月目は電話+書面の督促にとどめ、段階を踏んで進める。
自作 / Q22

あなたはツバサ。代位弁済のあと、うちの役目として適切なものはどれか。

正解: 2. 井上さんへの報告と、101号室を今後どうするかを一緒に考える。

  • ① × 誤り。選択肢は「これまでどおり請求を続ける」とするが、回収の窓口は保証会社に移っている。
  • ② ○ 正しい。うちの役目は、井上さんへの報告と、101号室の今後(明渡しに向けた対応等)を一緒に考えること。
  • ③ × 誤り。選択肢は「保証会社の代わりに回収する」とするが、回収は保証会社が行う。
  • ④ × 誤り。選択肢は「特にすることがない」とするが、報告や今後の対応の検討は必要。
  • 条文: 賃貸住宅管理業法20条「管理業務の実施状況…について、定期的に、報告をしなければならない」
  • 引っかけ: 範囲の広げすぎ(保証会社の役目までうちが担うとする誤り)。
  • まとめ: 代位弁済後、回収は保証会社、報告と今後の対応の検討はうちの役目。
自作 / Q13

あなたはツバサ。8月5日、山田さんの家賃が未収のまま井上さんへ送金する日を迎えた。送金明細にどう書くか。

正解: 2. 未収分を送金額から除き、明細に未収である旨を書く。

  • ① × 誤り。選択肢は「満額を送金し明細に書かない」とするが、未収があるのに満額を送るのは事実と異なる。
  • ② ○ 正しい。未収の分は今月の送金額から除き、明細にも未収と明記して説明する。
  • ③ × 誤り。選択肢は「自社が立て替える」とするが、うちは家賃を立て替えない(保証会社が代位弁済する仕組みを使う)。
  • ④ × 誤り。選択肢は「全額止める」とするが、他の7戸分は通常どおり送金する。
  • 条文: 賃貸住宅管理業法16条「家賃、敷金、共益費その他の金銭を受領した場合においては…分別して管理しなければならない」
  • 引っかけ: 範囲の広げすぎ(1戸の未収を理由に送金全体を止める誤り)。
  • まとめ: 未収分だけ除いて送金し、明細で説明する。管理会社は家賃を立て替えない。
自作 / Q14

あなたはツバサ。ドアくんが「今月もだいたい入ってます」と報告したが、山田さんの分だけ確認していなかった。この報告の扱いは。

正解: 2. 1件ずつ入金と請求を照らし合わせ、未収がないか確認し直す。

  • ① × 誤り。選択肢は「だいたい入っていれば十分」とするが、1件でも見落とすと会計と督促の対応が遅れる。
  • ② ○ 正しい。消込は請求と入金を1件ずつ照らし合わせる作業で、ここがずれると送金や督促の判断も誤る。
  • ③ × 誤り。選択肢は「来月まとめて確認」とするが、確認が1か月遅れると督促の開始も1か月遅れる。
  • ④ × 誤り。選択肢は「入金が多い月は省略してよい」とするが、件数にかかわらず毎月必ず確認する。
  • 条文: 賃貸住宅管理業法18条「帳簿を備え…管理受託契約について契約年月日その他の国土交通省令で定める事項を記載し…保存しなければならない」
  • 引っかけ: 基準のすり替え(「だいたい」で済ませてよいとする誤り)。
  • まとめ: 消込は1件ずつ確認する。見落としは督促の遅れに直結する。
自作 / Q16

あなたはツバサ。督促状を送る目的をドアくんに説明することになった。最も適切な説明はどれか。

正解: 1. 電話だけでは形に残らないため、書面でも記録を残す。

  • ① ○ 正しい。電話は形に残らないため、未納のお知らせ・督促状を書面で送り、記録として残す。
  • ② × 誤り。選択肢は「必ずその場で入金される」とするが、督促状を送っても入金されない場合があり、段階的な対応が必要になる。
  • ③ × 誤り。選択肢は「金額を書かず口頭で」とするが、督促状には金額や期限を明記する。
  • ④ × 誤り。選択肢は「3か月目以降にしか送れない」とするが、督促状は1か月目から送る。
  • 条文: 民法541条「相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし…契約の解除をすることができる」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(督促状の効果を過大視する誤り)。
  • まとめ: 督促状は記録を残すための書面。1か月目から送り、金額・期限を明記する。
自作 / Q17

あなたはツバサ。山田さんへの督促の記録を、井上さんに説明することになった。適切な説明はどれか。

正解: 2. 電話と書面の督促の経過を、日付とともに記録して報告する。

  • ① × 誤り。選択肢は「電話は記録せず書面のみ」とするが、電話の日時・内容も記録しておくべき。
  • ② ○ 正しい。電話・督促状など督促の経過を日付とともに記録し、井上さんに報告する。
  • ③ × 誤り。選択肢は「保証会社にのみ渡す」とするが、委託者である井上さんへの報告も必要。
  • ④ × 誤り。選択肢は「訴訟になった段階で初めて作る」とするが、督促の記録は最初の電話から残しておく。
  • 条文: 賃貸住宅管理業法20条「管理業務の実施状況その他の国土交通省令で定める事項について、定期的に、報告をしなければならない」
  • 引っかけ: 期限の前後(記録を後からまとめて作れるとする誤り)。
  • まとめ: 督促の経過は最初から記録し、井上さんへの定期報告にも使う。
自作 / Q19

あなたはツバサ。2か月目の督促で、なぜ内容証明郵便を使うのか、ドアくんに説明することになった。適切な説明はどれか。

正解: 2. 催告した事実を証拠として残すためであり、普通郵便でも催告自体の効力は生じる。

  • ① × 誤り。選択肢は「内容証明でなければ効力が生じない」とするが、書面による催告は普通郵便でも効力を生じる。
  • ② ○ 正しい。内容証明を使うのは、催告した事実を証拠として残すためであり、普通郵便でも催告自体の効力は生じる。
  • ③ × 誤り。選択肢は「自動的に契約が解除される」とするが、内容証明の送付だけで契約は解除されない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「無料で送れる」とするが、内容証明の郵送には実費(内容証明料・配達証明料等)がかかる。
  • 条文: 民法150条1項「催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(内容証明でなければ効力がないとする誤り)。
  • まとめ: 内容証明は証拠を残す手段。催告自体の効力は書面なら方式を問わない。
自作 / Q21

あなたはツバサ。保証会社から「代位弁済のご案内」が届いた。この後、山田さんへの請求権はどうなるか。

正解: 2. 保証会社に移り、保証会社が山田さんに請求する。

  • ① × 誤り。選択肢は「請求権が消滅する」とするが、代位弁済によって請求権は保証会社に移転するだけで消えない。
  • ② ○ 正しい。保証会社が井上さんに滞納家賃を支払うと、山田さんへの請求権は保証会社に移る。
  • ③ × 誤り。選択肢は「井上さんに残ったまま」とするが、代位弁済によって請求権は保証会社に移る。
  • ④ × 誤り。選択肢は「うちが請求し続ける」とするが、回収の窓口は保証会社に移る。
  • 条文: 民法(弁済による代位の一般的な考え方。第三者弁済をした者は、債権者が有していた権利を取得する)
  • 引っかけ: 主語の入れ替え(請求権の帰属先を保証会社以外にする誤り)。
  • まとめ: 代位弁済で請求権は保証会社に移る。うちの役目は報告と部屋の今後の検討。
自作 / Q23

あなたはツバサ。代位弁済によって山田さんが負う義務は何か。

正解: 2. 保証会社に対して、立て替えられた142,000円を返す義務。

  • ① × 誤り。選択肢は「井上さんに直接払う」とするが、請求権は保証会社に移っているので保証会社に払う。
  • ② ○ 正しい。山田さんは、保証会社に対して立て替えられた142,000円を返す義務を負う。
  • ③ × 誤り。選択肢は「義務は消滅する」とするが、義務は保証会社への返済義務として存続する。
  • ④ × 誤り。選択肢は「謝罪文の提出が法的義務」とするが、そのような法的義務は生じない。
  • 条文: 民法(弁済による代位。第三者弁済者は、債権者が有していた権利の範囲で債務者に求償できる)
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(義務が消滅するとする誤り)。
  • まとめ: 代位弁済後、山田さんは保証会社に対して返済義務を負う。
自作 / Q24

あなたはツバサ。ドアくんから「鍵を交換して荷物も片付けましょう」と提案された。適切な対応はどれか。

正解: 2. 自力救済の禁止に反するため断り、裁判所の手続を検討する。

  • ① × 誤り。選択肢は「すぐに鍵を交換し運び出す」とするが、自分で鍵を換えたり残置物を処分したりするのは自力救済の禁止に反する。
  • ② ○ 正しい。自力救済の禁止に反するため断り、裁判所の手続(明渡しを命じる判決・強制執行)を検討する。
  • ③ × 誤り。選択肢は「井上さんの許可があれば自由に処分してよい」とするが、契約当事者である大家の許可だけでは足りない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「保証会社の許可があれば自由に処分してよい」とするが、保証会社にも処分の権限はない。
  • 条文: 民事執行法22条5号(強制執行は債務名義に基づいて行うのが原則で、自力による権利実現は認められない)
  • 引っかけ: 範囲の広げすぎ(誰かの許可があれば自力で処分できるとする誤り)。
  • まとめ: 鍵の交換・残置物の処分は、当事者の許可があっても自力ではできない。
自作 / Q25

あなたはツバサ。契約書に「3か月以上滞納したら無催告で解除できる」という特約がある。この特約の効力はどうか。

正解: 2. 信頼関係が破壊されたと言える場合に限り、有効と解される。

  • ① × 誤り。選択肢は「特約に書いてあれば常に無催告解除できる」とするが、それだけでは足りない。
  • ② ○ 正しい。無催告解除の特約は、信頼関係が破壊されたと言えるときに限り、有効と解される(信頼関係破壊の法理)。
  • ③ × 誤り。選択肢は「特約自体が常に無効」とするが、要件を満たせば特約に基づく解除も認められ得る。
  • ④ × 誤り。選択肢は「自動的に契約は終了する」とするが、解除の意思表示や裁判所の判断が必要になる場合がある。
  • 条文: 民法541条「当事者の一方がその債務を履行しない場合において…契約の解除をすることができる」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(特約の記載だけで当然に有効とする誤り)。
  • まとめ: 無催告解除特約は、信頼関係破壊が認められるときに限り有効。
自作 / Q26

あなたはツバサ。「保証会社が代位弁済してくれたのだから、山田さんの不払いはもう問題ないのでは」とドアくんに聞かれた。適切な答えはどれか。

正解: 2. 代位弁済があっても、山田さんの不払いの事実は消えない。

  • ① × 誤り。選択肢は「不払いの事実は消える」とするが、代位弁済は保証会社の保証債務の履行であり、山田さん本人の不払いの事実は消えない。
  • ② ○ 正しい。代位弁済があっても、山田さんの不払いの事実は消えず、信頼関係破壊の判断材料になり得る。
  • ③ × 誤り。選択肢は「契約は自動的に更新される」とするが、代位弁済と契約の更新は関係ない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「退去しなくてよい」とするが、代位弁済があっても解除・明渡しの検討は続く。
  • 条文: 民法541条(債務の履行がないことを理由とする解除の一般原則)
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(保証会社の履行を賃借人本人の履行と同一視する誤り)。
  • まとめ: 代位弁済は保証会社の債務履行であり、賃借人本人の不払いの事実は消えない。
自作 / Q27

あなたはツバサ。簡易裁判所の書記官に支払督促を申し立てた。山田さんが何もしなかった場合、どうなるか。

正解: 2. 異議の申立てがなければ、仮執行の宣言を経て強制執行に進める。

  • ① × 誤り。選択肢は「そのまま失効する」とするが、異議がなければ手続は先に進む。
  • ② ○ 正しい。異議の申立てがなければ、仮執行の宣言を経て、強制執行に進めることができる。
  • ③ × 誤り。選択肢は「自動的に給料が差し押さえられる」とするが、差押えには別途の手続が必要。
  • ④ × 誤り。選択肢は「同意がなければ意味を持たない」とするが、支払督促は相手の同意を前提とする手続ではない。
  • 条文: 民事訴訟法391条1項(仮執行の宣言。異議の申立てがない場合に、裁判所書記官が仮執行の宣言をする旨の定め)
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(異議がなければ何も起こらないとする誤り)。
  • まとめ: 異議がなければ支払督促は仮執行宣言を経て強制執行に進む。
自作 / Q28

あなたはツバサ。山田さんへの滞納家賃の請求について、少額訴訟を選べるのはどのような場合か。

正解: 2. 60万円以下の金銭の支払を求める場合に選べる。

  • ① × 誤り。選択肢は「請求額にかかわらずいつでも選べる」とするが、金額に上限がある。
  • ② ○ 正しい。少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払を求める場合に、簡易裁判所で選べる。
  • ③ × 誤り。選択肢は「明渡しの請求にも使える」とするが、少額訴訟は金銭の支払請求のための手続。
  • ④ × 誤り。選択肢は「簡易裁判所以外でも申し立てられる」とするが、少額訴訟は簡易裁判所のみで行われる。
  • 条文: 民事訴訟法368条1項「簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる」
  • 引っかけ: 範囲の広げすぎ(金額や請求内容の制限を無視する誤り)。
  • まとめ: 少額訴訟は60万円以下の金銭支払請求に限り、簡易裁判所で利用できる。
自作 / Q29

あなたはツバサ。明渡しを命じる判決を得たあと、実際に山田さんを退去させる手続を誰が行うか。

正解: 2. 裁判所の執行官が強制執行として行う。

  • ① × 誤り。選択肢は「自分たちで運び出す」とするが、これは自力救済にあたり許されない。
  • ② ○ 正しい。明渡しの強制執行は、裁判所の執行官が行う。
  • ③ × 誤り。選択肢は「保証会社が代わりに行う」とするが、保証会社に強制執行の権限はない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「井上さんが自分で鍵を交換して行う」とするが、大家であっても自力での実行はできない。
  • 条文: 民事執行法22条5号(債務名義に基づく強制執行の一般的な仕組み。明渡しの強制執行は執行官が行う)
  • 引っかけ: 主語の入れ替え(執行の主体を関係者個人にすり替える誤り)。
  • まとめ: 明渡しの強制執行は、判決を債務名義として裁判所の執行官が行う。
自作 / Q30

あなたはツバサ。山田さんの家賃債権について、時効期間は原則何年か。

正解: 3. 5年

  • ① × 誤り。選択肢の1年は、家賃債権の消滅時効期間ではない。
  • ② × 誤り。選択肢の3年も、家賃債権の消滅時効期間ではない。
  • ③ ○ 正しい。貸主が支払期限を知っている通常の場合、賃料債権は権利を行使できることを知った時から5年で時効消滅する。
  • ④ × 誤り。選択肢の10年は、権利を行使することができる時から起算した場合の時効期間であり、通常の賃料債権のケースとは異なる。
  • 条文: 民法166条1項1号「債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき…時効によって消滅する」
  • 引っかけ: 数字のずらし(時効期間の年数を取り違える誤り)。
  • まとめ: 家賃債権は原則5年で時効消滅する。
自作 / Q31

あなたはツバサ。山田さんに督促状を送って催告した。この催告の効果として正しいものはどれか。

正解: 2. 催告から6か月、時効の完成が猶予される。ただし猶予期間中の再度の催告に効力はない。

  • ① × 誤り。選択肢は「催告のたびに何度でも延長される」とするが、猶予期間中の再度の催告には完成猶予の効力がない。
  • ② ○ 正しい。催告があると、その時から6か月間、時効の完成が猶予される。ただし、その猶予期間中に重ねて催告しても、再度の猶予は生じない。
  • ③ × 誤り。選択肢は「永久に完成しなくなる」とするが、猶予はあくまで一時的なもの。
  • ④ × 誤り。選択肢は「効果は一切ない」とするが、催告には完成猶予の効果がある。
  • 条文: 民法150条1項「催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(催告を繰り返せば無制限に猶予が続くとする誤り)。
  • まとめ: 催告の完成猶予は6か月・1回限り。次は裁判上の請求等が必要。
自作 / Q32

あなたはツバサ。山田さんが「今月中に払います」と滞納を認める発言をした。時効との関係で正しいものはどれか。

正解: 1. 承認にあたり、時効はその時点で更新される。

  • ① ○ 正しい。滞納を認める発言(承認)があると、それだけで時効は更新され、その時点から新たに5年が進行する。
  • ② × 誤り。選択肢は「口約束は何の影響も与えない」とするが、承認による更新は口頭でも生じる。
  • ③ × 誤り。選択肢は「書面でなければ効力を生じない」とするが、承認に書面は必要ない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「時効期間が短縮される」とするが、承認により振り出しに戻り、また5年となる。
  • 条文: 民法(承認による時効の更新。債務者が権利の承認をしたときは、その時から新たに時効期間が進行する旨の考え方)
  • 引っかけ: 基準のすり替え(承認の効力を否定する、または効果を逆にする誤り)。
  • まとめ: 滞納の承認があれば、その時点で時効は更新され、また5年が進行する。
自作 / Q33

あなたはツバサ。井上さんから「家賃を上げたい」と相談された。契約書に「賃料改定は協議で行う」という特約がある場合、増額請求はできるか。

正解: 2. 協議が調わなければ、賃料増額請求権を行使できる。

  • ① × 誤り。選択肢は「協議以外では一切請求できない」とするが、協議が調わなければ増減請求権を行使できる。
  • ② ○ 正しい。協議による特約があっても、協議が調わなければ賃料増額請求権を行使できる。
  • ③ × 誤り。選択肢は「自動的に毎年上がる」とするが、増額には請求の意思表示が必要。
  • ④ × 誤り。選択肢は「32条が適用されなくなる」とするが、普通借家では協議特約があっても32条の適用は排除されない。
  • 条文: 借地借家法32条1項「契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる」
  • 引っかけ: 範囲の広げすぎ(協議特約が32条そのものを排除するとする誤り)。
  • まとめ: 協議特約があっても、協議が調わなければ32条の増減請求権を行使できる。
自作 / Q34

あなたはツバサ。森さんの204号室は定期借家契約で「契約期間中は借賃を改定しない」という特約がある。この場合、借地借家法32条はどうなるか。

正解: 2. この特約があるときは、32条は適用されない。

  • ① × 誤り。選択肢は「普通借家と同じように適用される」とするが、定期借家で改定しない特約があれば32条は適用されない。
  • ② ○ 正しい。定期建物賃貸借で借賃の改定に係る特約があるときは、借地借家法32条は適用されない。
  • ③ × 誤り。選択肢は「特約自体を定められない」とするが、定期借家では改定しない特約を定めることができる。
  • ④ × 誤り。選択肢は「賃借人だけは32条を使える」とするが、この特約がある場合は32条自体が適用されない。
  • 条文: 借地借家法38条9項「第32条の規定は、第1項の規定による建物の賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しない」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(普通借家の規律を定期借家にそのまま当てはめる誤り)。
  • まとめ: 定期借家で改定しない特約があれば、32条の増減請求はできない。山田さん・101号室は普通借家なので特約があっても32条は使える。