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第5話

賃貸借契約を結ぶ ― 普通借家と定期借家

この話の舞台

6月

登場人物と「誰が何を決めるか」 → 舞台設定の全体 →

到達目標と条件

目標1普通借家と定期借家の違いを、更新の有無と要件で言える。
契約更新要件
普通借家法定更新(26条)。拒絶に正当事由必要借地借家法26〜30条
定期借家更新なし。期間満了で終了借地借家法38条(書面+事前説明書面)
くわしく(6項目)
  • 普通借家は法定更新が原則(借地借家法26条)。更新拒絶には正当事由が要る(28条)。
  • 30条強行規定で、この節の規定に反する借主に不利な特約は無効。
  • 定期借家は公正証書など書面の契約が要件(38条1項)。1年未満でも有効(29条1項を適用しない)。
  • 契約前に、更新がなく期間満了で終了する旨の別の書面を交付して説明する(38条3項)。説明がなければ更新しない旨の定めは無効(38条5項)。
  • 期間1年以上の定期借家は、満了の1年前から6か月前までに終了通知(38条6項)。
  • 200平方メートル未満の居住用は、やむを得ない事情で中途解約の特例(38条7項、申入れから1か月)。
目標2重要事項説明は誰が、いつ、何のためにするか言える。
項目内容根拠
誰が宅地建物取引士(カリン)宅建業法35条1項
いつ契約が成立するまでの間35条1項
何を書面を交付して説明、宅建士証の提示、記名35条1項・4項・5項
くわしく(4項目)
  • 宅建業法35条の説明は宅地建物取引士だけの仕事。経営管理士のツバサはできない。
  • 契約が成立するまでの間に、書面を交付して説明する(35条1項)。
  • 説明のときは宅建士証を、請求の有無にかかわらず提示する(35条4項)。
  • 書面には宅建士が記名する。押印は不要(35条5項)。
目標3特約が無効になる場合を、消費者契約法から言える。
条文無効になる特約
8条責任の全部免除/故意・重過失の一部免除
9条1号平均的損害を超える違約金(超える部分)
10条消費者の利益を一方的に害する特約
くわしく(4項目)
  • 事業者の債務不履行の責任を全部免除する特約は無効(8条1号)。
  • 故意又は重過失による債務不履行で責任の一部を免除する特約も無効(8条2号)。
  • 平均的な損害の額を超える違約金・遅延損害金は、超える部分だけが無効(9条1号)。
  • 消費者の利益を一方的に害する特約は無効(10条、受け皿の規定)。

覚える数字と条文

数字・条文内容
宅建業法35条重要事項説明は契約成立までの間に、宅建士が書面を交付して行う。宅建士証は請求の有無を問わず提示。書面には記名(押印不要)。
賃貸住宅標準契約書(平成30年3月公表)更新料の定めはなく特約で定める。用途も限定しない。賃料は敷地の使用対価も含む。
消費者契約法8〜10条責任の全部免除・故意重過失の一部免除(8条)、平均的損害を超える違約金(9条)、消費者の利益を一方的に害する特約(10条)はいずれも無効。
借地借家法26〜30条普通借家は法定更新。更新拒絶には正当事由が要る(28条)。30条は強行規定で借主に不利な特約は無効。
借地借家法38条定期借家は書面契約+別の事前説明書面が要件。1年未満でも有効。1年以上は満了の1年前〜6か月前に終了通知。200平方メートル未満・居住用はやむを得ない事情で中途解約可(申入れから1か月)。
附則3条(平成十一年法律第百五十三号)平成12年3月1日より前からの居住用契約は、合意解除して結び直しても当分の間は定期借家にならない。
高齢者住まい法52条都道府県知事の認可を受けた貸主が、60歳以上の借主と、公正証書等の書面で終身建物賃貸借契約を結べる。借主死亡で終了(54条1号、特約で排除不可)。64条で賃料改定特約があれば32条の増減請求は適用されない。
民法593条・601条使用貸借も賃貸借も合意のみで成立する諾成契約。必要費の負担は、賃貸借は貸主(608条1項)、使用貸借は借主(595条1項)で逆になる。

実務の流れ→ 横にスクロール

1
舞台
船橋・メゾン井上・204号室。6月、森さんの入居。
2
手順1 重要事項説明
カリンが宅建業法35条の重説(宅建士証の提示・記名)。
3
手順2 契約書の中身
賃貸住宅標準契約書。家賃68,000円+共益費3,000円、敷金・礼金各68,000円、更新料68,000円(2年ごと、特約欄)。
4
手順3 特約の相談
消費者契約法8〜10条の壁(責任の全部免除・違約金の超過部分・受け皿規定)。
5
手順4 普通借家
法定更新(26条)、正当事由(28条)、強行規定(30条)。
6
手順5 定期借家
書面契約+事前説明書面(38条3項・5項)、1年未満でも有効、終了通知(6項)、中途解約の特例(7項)、再契約。
7
手順6 井上さんの質問と終身建物賃貸借
附則3条の経過措置、高齢者住まい法52条。
8
手順7 使用貸借との違い
民法593条・601条、必要費の負担(595条・608条)。
ひっかけ 13件
  • 被保佐人が同意なくした行為は「無効」ではなく「取り消すことができる」にとどまる(民法13条4項)。
  • 2年の建物賃貸借は民法602条3号の3年以内で、そもそも保佐人の同意自体が不要。
  • 平均的損害を超える違約金は「全部無効」ではなく「超える部分」だけが無効(消費者契約法9条1号)。
  • 貸主による中途解約には、中途解約条項があっても正当事由が必要(38条7項は借主専用の特例)。
  • 定期借家の事前説明は賃貸人自身が行う義務。代理権のない媒介業者の説明では要件を満たさない。
  • 定期借家の終了通知が通知期間経過後になった場合、終了は満了日でなく通知の日から6か月後。
  • 事前説明は書面の「交付」が必須。契約書と事前説明書面を兼ねることはできない。
  • 平成12年3月1日より前からの居住用契約は、合意解除して結び直しても当分の間は定期借家にならない(附則3条)。
  • 電磁的方法による事前説明の提供には、賃借人の承諾が要る(38条4項)。承諾なしにはできない。
  • 終身建物賃貸借の死亡終了は定義そのもので、特約による排除はできない(54条1号)。
  • 賃借人死亡時に終了する旨の特約は、通常の建物賃貸借では効力を持たない(終身建物賃貸借の認可手続によってのみ実現できる)。
  • 賃貸借と使用貸借は、いずれも合意のみで成立する諾成契約。引渡しは成立要件ではない。
  • 必要費の負担は、賃貸借は貸主、使用貸借は借主で逆になる。

到達目標(教科書)

目標1普通借家と定期借家の違いを、更新の有無と要件で言える。

契約更新要件
普通借家法定更新(26条)。拒絶に正当事由必要借地借家法26〜30条
定期借家更新なし。期間満了で終了借地借家法38条(書面+事前説明書面)
  • 普通借家は法定更新が原則(借地借家法26条)。更新拒絶には正当事由が要る(28条)。
  • 30条強行規定で、この節の規定に反する借主に不利な特約は無効。
  • 定期借家は公正証書など書面の契約が要件(38条1項)。1年未満でも有効(29条1項を適用しない)。
  • 契約前に、更新がなく期間満了で終了する旨の別の書面を交付して説明する(38条3項)。説明がなければ更新しない旨の定めは無効(38条5項)。
  • 期間1年以上の定期借家は、満了の1年前から6か月前までに終了通知(38条6項)。
  • 200平方メートル未満の居住用は、やむを得ない事情で中途解約の特例(38条7項、申入れから1か月)。

目標2重要事項説明は誰が、いつ、何のためにするか言える。

項目内容根拠
誰が宅地建物取引士(カリン)宅建業法35条1項
いつ契約が成立するまでの間35条1項
何を書面を交付して説明、宅建士証の提示、記名35条1項・4項・5項
  • 宅建業法35条の説明は宅地建物取引士だけの仕事。経営管理士のツバサはできない。
  • 契約が成立するまでの間に、書面を交付して説明する(35条1項)。
  • 説明のときは宅建士証を、請求の有無にかかわらず提示する(35条4項)。
  • 書面には宅建士が記名する。押印は不要(35条5項)。

目標3特約が無効になる場合を、消費者契約法から言える。

条文無効になる特約
8条責任の全部免除/故意・重過失の一部免除
9条1号平均的損害を超える違約金(超える部分)
10条消費者の利益を一方的に害する特約
  • 事業者の債務不履行の責任を全部免除する特約は無効(8条1号)。
  • 故意又は重過失による債務不履行で責任の一部を免除する特約も無効(8条2号)。
  • 平均的な損害の額を超える違約金・遅延損害金は、超える部分だけが無効(9条1号)。
  • 消費者の利益を一方的に害する特約は無効(10条、受け皿の規定)。

出典:
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過去問 / 過去問 令和5年度 問24 / PB-5-24

定期建物賃貸借契約に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。ア 定期建物賃貸借契約は、書面のほか、電磁的記録により締結することができる。イ 定期建物賃貸借契約における事前説明(賃貸借に契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借が終了する旨の説明)は、賃借人の承諾がなくとも、電磁的方法により提供することができる。ウ 契約期間が3か月の定期建物賃貸借契約の場合、賃貸人は契約終了の事前通知をせずとも、同契約の終了を賃借人に対抗できる。エ 賃貸人は、平成5年に締結された居住目的の建物賃貸借契約に関し、令和5年4月1日、賃借人の同意を得られれば、同契約を合意解除し、改めて定期建物賃貸借契約を締結することができる。

正解: 2. 2つ

  • ア ○ 正しい。定期建物賃貸借契約は電磁的記録によっても締結できる(38条2項)。
  • イ × 誤り。事前説明を電磁的方法で提供するには、賃借人の承諾が要る(38条4項)。承諾なしにはできない。
  • ウ ○ 正しい。終了の事前通知が必要なのは期間が1年以上のときだけ(38条6項)。3か月の契約は通知なしで終了を対抗できる。
  • エ × 誤り。平成12年3月1日より前からの居住用契約は、合意解除して結び直しても、
  • 当分の間は38条の適用がない(平成十一年法律第百五十三号附則3条)。平成5年の契約はこれに当たる。
  • 条文: 借地借家法38条4項「建物の賃貸人は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、建物の賃借人の承諾を得て、
  • …電磁的方法…により提供することができる。」
  • 条文: 附則3条(平成十一年法律第百五十三号)「…居住の用に供する建物の賃貸借…の当事者が、その賃貸借を合意により終了させ、
  • 引き続き新たに同一の建物を目的とする賃貸借をする場合には、当分の間、…第三十八条の規定は、適用しない。」
  • 引っかけ: 経過措置の見落とし(新法が一律に適用されると誤解する誤り)。
  • まとめ: 電磁的な事前説明には承諾が要る。平成12年3月より前の居住用契約は、合意解除しても定期借家に切り替えられない。
  • 正しいのは2つ(ア・ウ)。
過去問 / 過去問 令和6年度 問4 / PB-6-4

建物の賃貸借契約の有効性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

正解: 3. 被保佐人が保佐人の同意を得ずに締結した期間2年間の定期建物賃貸借契約は無効である。

  • ① ○ 正しい。滞納を理由に直ちに施錠する特約は自力救済にあたり無効である。
  • ② ○ 正しい。差押え・破産手続開始のみを理由に直ちに解除できる特約は無効と解されている。
  • ③ × 誤り。選択肢は「無効である」とするが、正しくは「取り消すことができる」にとどまる(民法13条4項)。
  • しかも2年の建物賃貸借は602条3号の3年以内で、保佐人の同意自体が不要。
  • ④ ○ 正しい。普通借家で「期間満了時に解約する」特約は、38条を経ない更新拒絶にあたり、30条の強行規定で無効。
  • 条文: 民法13条1項9号「第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること」
  • 条文: 民法13条4項「保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、
  • 取り消すことができる。」
  • 条文: 民法602条3号「建物の賃貸借 三年」
  • ※「無効」と「取消し」は別の効果。取消しは取り消されるまで有効に扱われる点が無効と異なる。
  • 引っかけ: 条文の混同(「取消し」でよいところを「無効」と言い換える誤り)。
  • まとめ: 被保佐人の同意なき行為は原則「取消し」。2年の建物賃貸借は602条の3年以内で、そもそも同意不要。
過去問 / 過去問 令和6年度 問22 / PB-6-22

定期建物賃貸借契約に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。ア 賃貸人が定期建物賃貸借契約の中途解約条項に基づき、同契約を中途解約する場合、正当事由の具備は不要である。イ 宅地建物取引業者が定期建物賃貸借契約を媒介する場合、代理権が無い場合でも、同契約は更新がなく期間の満了により終了することの説明をすれば、契約の更新がないこととする旨の定めは有効に成立する。ウ 200 ㎡未満の賃貸住宅の定期建物賃貸借契約が成立しているときに、賃借人が親族の介護により同建物を生活の本拠として使用することが困難となり、賃貸人に対して解約申入れをした場合、同契約は解約申入日から1か月を経過することにより終了する。エ 定期建物賃貸借契約の期間が1年以上のとき、賃貸人が期間満了の5か月前に、賃借人に対して同契約が終了する旨を通知した場合、同契約の期間満了日から6か月経過後に終了する。

正解: 3. 3つ

  • ア × 誤り。貸主による中途解約には、中途解約条項があっても正当事由が必要と解されている。38条7項は借主を守るための特例。
  • イ × 誤り。事前説明は賃貸人自身が行う義務。代理権のない媒介業者が説明しても、更新しないこととする旨の定めは有効に成立しない。
  • ウ ○ 正しい。200平方メートル未満の居住用で、介護等のやむを得ない事情による解約申入れは、
  • 申入れの日から1か月経過で終了する(38条7項)。
  • エ × 誤り。5か月前の通知は「通知期間」経過後の通知にあたる。終了は満了日からではなく、
  • 通知の日から6か月経過後(38条6項ただし書)。
  • 条文: 借地借家法38条7項「…転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により…賃借人は、解約の申入れをすることができる。
  • この場合…解約の申入れの日から一月を経過することによって終了する。」
  • 条文: 借地借家法38条6項ただし書「建物の賃貸人が通知期間の経過後…通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、
  • この限りでない。」
  • 引っかけ: 起算点のすり替え(満了日起算と通知日起算の取り違え)。
  • まとめ: 中途解約特例は借主専用。通知が遅れた場合の6か月は、満了日でなく通知の日から数える。誤りは3つ(ア・イ・エ)。
過去問 / 過去問 令和7年度 問4 / PB-7-4

定期建物賃貸借契約における次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。ア 定期建物賃貸借契約の更新がない旨の事前説明を書面に基づいて行えば、その書面の交付がなくとも、契約は有効に成立する。イ 契約期間が1年未満の定期建物賃貸借契約も有効である。ウ 電磁的記録により定期建物賃貸借契約を締結することは可能である。エ 150 ㎡の居住用建物の定期建物賃貸借契約において、賃借人が海外転勤を理由に解約を申し入れた場合、同契約は解約申入日から1か月を経過することで当然に終了する。

正解: 3. 3つ

  • ア × 誤り。事前説明は書面を「交付」しなければならない(38条3項)。交付がなければ、
  • 更新しないこととする旨の定めは無効(38条5項)。
  • イ ○ 正しい。定期建物賃貸借は29条1項(1年未満は無期限とみなす規定)を適用しない(38条1項後段)。1年未満でも有効。
  • ウ ○ 正しい。契約は電磁的記録によっても締結できる(38条2項)。
  • エ ○ 正しい。150平方メートルは200平方メートル未満、海外転勤はやむを得ない事情にあたり、
  • 解約申入れの日から1か月経過で終了する(38条7項)。
  • 条文: 借地借家法38条3項「建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、…その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。」
  • 条文: 借地借家法38条1項後段「…この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。」
  • 条文: 借地借家法38条2項「前項の規定による建物の賃貸借の契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その契約は、
  • 書面によってされたものとみなして、同項の規定を適用する。」
  • 引っかけ: 交付と説明の混同(口頭や提示だけで交付を省く誤り)。
  • まとめ: 事前説明は書面の「交付」が必須。1年未満でも有効、電磁的記録でも締結できる。正しいのは3つ(イ・ウ・エ)。
過去問 / 過去問 令和5年度 問21 / PB-5-21

賃貸住宅を目的とする賃貸借契約に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。ア 賃貸借契約が有効に成立するためには、契約の終期について合意しなければならない。イ 契約期間2年の建物賃貸借契約を締結し、「契約期間内に賃借人が死亡したときに契約が終了する」との特約を設けたとき、賃借人の死亡により賃貸借契約は終了する。ウ 賃料の支払時期に関する合意をしなければ、当月分の賃料は当月末日払となる。エ 賃貸借契約の締結に向けた交渉がなされ、賃貸人に契約が成立することの強い信頼を与えるに至ったにもかかわらず、合意直前で賃借人予定者が理由なく翻意し、契約が成立しなかった場合、賃借人予定者が不法行為責任を負うことがある。

正解: 2. 2つ

  • ア × 誤り。賃貸借の成立に契約の終期の合意は不要(期間の定めのない賃貸借も有効。民法617条)。
  • イ × 誤り。賃借人死亡時に終了する旨の特約は、通常の建物賃貸借では効力を持たないと解されている(借家権は相続人に承継されるのが原則で、
  • 死亡による終了は高齢者住まい法の終身建物賃貸借という特別な認可手続によってのみ実現できる)。
  • ウ ○ 正しい。賃料は動産・建物については毎月末に支払うのが原則(民法614条)。
  • エ ○ 正しい。契約締結に向けた強い信頼を与えたのち理由なく翻意した場合、契約締結上の過失として不法行為責任を負うことがある。
  • 条文: 民法614条「賃料は、動産、建物及び宅地については毎月末に…支払わなければならない。」
  • 条文: 民法617条1項「当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。」
  • 引っかけ: 制度の混同(死亡終了特約と終身建物賃貸借の認可手続の取り違え)。
  • まとめ: 賃貸借は終期の合意なしに成立する。死亡終了特約は通常の契約では効かず、終身建物賃貸借の認可を要する。誤りは2つ(ア・イ)。
過去問 / 過去問 令和3年度 問23 / PB-3-23

賃貸住宅標準契約書(国土交通省住宅局平成 30 年3月公表)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

正解: 2. 賃貸住宅標準契約書では、更新料の支払に関する定めはない。

  • ① × 誤り。標準契約書は建物賃貸借の目的を「住居」「事務所」に限定していない(用途は契約書の使用細目欄で定める)。
  • ② ○ 正しい。標準契約書そのものには更新料の定めがなく、必要なら特約で定める。
  • ③ × 誤り。賃料は建物だけでなく敷地の使用の対価も含めた金額とされる。
  • ④ × 誤り。共用部分の水道光熱費等の維持管理費用は、貸主だけが負担すると限定されておらず、共益費でまかなうのが実務の基本形。
  • 条文: 賃貸住宅標準契約書(国交省、平成30年3月公表)の用途・賃料・更新料に関する条項
  • 引っかけ: 断定の書き換え(「限定していない」を「限定している」のように反対にする誤り)。
  • まとめ: 標準契約書に更新料の定めはなく、用途も住居・事務所に限らない。賃料は敷地の対価も含む。
過去問 / 過去問 令和4年度 問26 / PB-4-26

高齢者の居住の安定確保に関する法律(以下、本問において「高齢者住まい法」という。)に基づく建物賃貸借契約(以下、本問において「終身建物賃貸借契約」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

正解: 1. 終身建物賃貸借契約は、借主の死亡に至るまで存続し、かつ、借主が死亡したときに終了するが、これは特約により排除することも可能である。

  • ① × 誤り。借主の死亡による終了は終身建物賃貸借の定義そのもので、特約による排除はできない(高齢者住まい法54条1号)。
  • ② ○ 正しい。公正証書によるなど書面によって契約しなければならない(52条1項)。
  • ③ ○ 正しい。賃貸住宅は加齢対応構造等(段差のない床・手すり等)の基準に適合しなければならない(57条1項2号)。
  • ④ ○ 正しい。借賃改定特約があるときは借地借家法32条が適用されないため、増額・減額いずれの請求権も排除できる(64条)。
  • 条文: 高齢者住まい法54条1号「…賃借人の死亡に至るまで存続し、かつ、賃借人が死亡した時に終了するもの(以下『終身建物賃貸借』という。
  • )をするものであること。」
  • 条文: 高齢者住まい法64条「借地借家法第三十二条の規定は、終身建物賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しない。」
  • 引っかけ: 例外の付け足し(定義そのものである終了要件を、特約で排除できると誤解する誤り)。
  • まとめ: 終身建物賃貸借は死亡終了が定義そのもので特約排除不可。書面・バリアフリー基準は必須、
  • 賃料改定特約があれば増減請求権はいずれも排除できる。
過去問 / 過去問 令和6年度 問39 / PB-6-39

賃貸人が事業者、賃借人が消費者である賃貸借契約における特約の有効性に関する次の記述のうち、消費者契約法によれば、誤っているものはどれか。

正解: 1. 賃借人の債務不履行を理由として賃貸人が賃貸借契約を解除した場合において、賃貸人が賃借人に対して請求する違約金につき、賃貸人に生ずべき平均的な損害の額を超える額を定めた違約金の特約は、全部無効である。

  • ① × 誤り。選択肢は「全部無効」とするが、正しくは平均的な損害の額を超える部分だけが無効(消費者契約法9条1号)。
  • ② ○ 正しい。賃借人の解除権をあらかじめ放棄させる特約は、消費者の利益を一方的に害するものとして無効になりうる(10条)。
  • ③ ○ 正しい。事業者の債務不履行による損害賠償責任の全部を免除する特約は無効(8条1号)。
  • ④ ○ 正しい。故意又は重過失による債務不履行の場合に、責任の一部を免除する特約は無効(8条2号)。
  • 条文: 消費者契約法9条1号「…これらを合算した額が…平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分」
  • 条文: 消費者契約法8条1号「事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し…条項」
  • 条文: 消費者契約法8条2号「事業者の債務不履行(…代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。
  • )により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除し…条項」
  • 引っかけ: 範囲の書き換え(「超える部分」を「全部」に広げる誤り)。
  • まとめ: 平均的損害を超える違約金は超える部分だけ無効。全部免除・故意重過失の一部免除は8条でそもそも無効。
過去問 / 過去問 令和3年度 問26 / PB-3-26

定期建物賃貸借契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

正解: 4. 定期建物賃貸借契約において、賃料減額請求権を行使しない旨の特約は有効である。

  • ① × 誤り。中途解約条項があっても、貸主からの中途解約には正当事由が必要と解されている。
  • ② × 誤り。事前説明書面は契約書と別の書面であることが必要とされ、契約書が事前説明書面を兼ねることはできない。
  • ③ × 誤り。宅建業法35条の重要事項説明と、借地借家法38条3項の事前説明は別の制度で、
  • 35条の説明をしても38条3項の事前説明義務は消えない。
  • ④ ○ 正しい。定期建物賃貸借において賃料改定の特約があるときは、32条(賃料増減請求)は適用されない(38条9項)。
  • 賃料減額請求権を行使しない特約も有効。
  • 条文: 借地借家法38条9項「第三十二条の規定は、第一項の規定による建物の賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、
  • 適用しない。」
  • 引っかけ: 例外の見落とし(32条が定期借家にも一律適用されると誤解する誤り)。
  • まとめ: 定期借家は、賃料改定特約があれば32条の適用がなく、減額請求権を排除する特約も有効。
過去問 / 過去問 令和4年度 問24 / PB-4-24

定期建物賃貸借契約に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。ア 貸主が死亡したときに賃貸借契約が終了する旨の特約は、有効である。イ 期間 50 年を超える定期建物賃貸借契約は、有効である。ウ 定期建物賃貸借契約に特約を設けることで、借主の賃料減額請求権を排除することが可能である。エ 契約期間の定めを契約書に明記すれば、更新がなく期間満了により当該建物の賃貸借が終了する旨(更新否定条項)を明記したと認められる。

正解: 3. 2つ

  • ア × 誤り。貸主が死亡したときに終了する旨の特約は、効力を有しないと解されている(借家契約は当事者の死亡によって当然に終了せず、
  • 原則として承継される)。
  • イ ○ 正しい。建物の賃貸借は民法604条の期間の上限が適用されないため(借地借家法29条2項)、
  • 50年を超える定期建物賃貸借契約も有効。
  • ウ ○ 正しい。賃料改定の特約があるときは32条が適用されないため、賃料減額請求権を排除する特約も有効(38条9項)。
  • エ × 誤り。契約期間を明記しただけでは、
  • 更新がなく期間満了で終了する旨(更新否定条項)を明記したとは認められない(期間の定めと更新否定は別)。
  • 条文: 借地借家法29条2項「民法…第六百四条の規定は、建物の賃貸借については、適用しない。」
  • 条文: 借地借家法38条9項「第三十二条の規定は、第一項の規定による建物の賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、
  • 適用しない。」
  • 条文: 借地借家法26条1項「…更新をしない旨の通知…をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。」
  • 引っかけ: 要件の省略(期間の明記だけで更新否定条項の要件を満たすと誤解する誤り)。
  • まとめ: 期間の合意だけでは定期借家にならない。建物賃貸借に50年超の期間制限はなく、減額請求権を排除する特約も有効。
  • 誤りは2つ(ア・エ)。
過去問 / 過去問 令和4年度 問28 / PB-4-28

令和4年5月1日に締結された建物賃貸借契約と建物使用貸借契約に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。ア 建物賃貸借契約の期間が満了した場合、同契約が法定更新されることはあるが、建物使用貸借契約の期間が満了しても、同契約が法定更新されることはない。イ 建物賃貸借では建物の引渡しが契約の成立要件となるが、建物使用貸借は合意のみで契約が成立する。ウ 期間 10 年の建物賃貸借契約は有効だが、期間 10 年の建物使用貸借契約は無効である。エ 契約に特段の定めがない場合、建物賃貸借契約における必要費は貸主が負担し、建物使用貸借契約における必要費は借主が負担する。

正解: 2. 2つ

  • ア ○ 正しい。建物賃貸借は法定更新されることがあるが、使用貸借にはそのような規定がなく法定更新されない。
  • イ × 誤り。賃貸借も使用貸借も、当事者の合意のみで成立する諾成契約(民法601条・593条)。引渡しは成立要件ではない。
  • ウ × 誤り。建物の賃貸借に民法604条の期間の上限は適用されず(借地借家法29条2項)、
  • 10年の使用貸借契約も特に期間の上限はなく有効。
  • エ ○ 正しい。特段の定めがなければ、賃貸借の必要費は貸主が負担し(民法608条1項)、
  • 使用貸借の通常の必要費は借主が負担する(民法595条1項)。
  • 条文: 民法593条「使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、
  • 相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。」
  • 条文: 民法595条1項「借主は、借用物の通常の必要費を負担する。」
  • 引っかけ: 対比の取り違え(賃貸借と使用貸借の成立要件が違うと誤解する誤り)。
  • まとめ: 賃貸借も使用貸借も合意のみで成立する。必要費の負担は賃貸借が貸主、使用貸借が借主で逆になる。正しいのは2つ(ア・エ)。
自作 / Q1

あなたはツバサ。6月、森さんとの契約の重要事項説明をする日です。あなたが自分で説明してもよいか。

正解: 2. 宅建士のカリンに任せなければならない

  • ① × 誤り。宅建業法35条の重要事項説明は宅地建物取引士だけができる仕事で、経営管理士のツバサはできない。
  • ② ○ 正しい。宅建士であるカリンが説明しなければならない(宅建業法35条1項)。
  • ③ × 誤り。井上さんは大家であり説明の担い手ではない。
  • ④ × 誤り。契約が成立するまでの間に必ず説明しなければならない。
  • 条文: 宅建業法35条1項「…その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして…説明をさせなければならない。」
  • 引っかけ: 資格の混同(経営管理士と宅建士の役割を取り違える誤り)。
  • まとめ: 重要事項説明は宅建士だけの仕事。経営管理士は代わりができない。
自作 / Q3

あなたはツバサ。カリンが重要事項説明書を作成しました。書面に必要なのはどれか。

正解: 2. カリンの記名

  • ① × 誤り。ツバサは宅建士ではないので記名する立場にない。
  • ② ○ 正しい。書面には説明した宅建士(カリン)が記名する(宅建業法35条5項)。
  • ③ × 誤り。押印は不要で、記名だけで足りる。
  • ④ × 誤り。ツバサの記名は求められておらず、押印も不要。
  • 条文: 宅建業法35条5項「第一項から第三項までの書面の交付に当たつては、宅地建物取引士は、当該書面に記名しなければならない。」
  • 引っかけ: 手続の追加(押印まで必要と誤解する誤り)。
  • まとめ: 重要事項説明書には宅建士の記名が必要。押印は不要。
自作 / Q11

あなたはツバサ。普通借家契約で当事者が更新拒絶の通知をしなかった場合、契約はどうなるか。

正解: 2. 従前と同一の条件で更新されたとみなされるが、期間の定めはないものとなる

  • ① × 誤り。当然に終了するのではなく、更新したものとみなされる。
  • ② ○ 正しい。従前と同一の条件で更新したものとみなされるが、期間だけは定めがないものとなる(26条1項)。
  • ③ × 誤り。期間まで従前と同じになるわけではない。
  • ④ × 誤り。貸主が自由に決められるのではなく、法定更新される。
  • 条文: 借地借家法26条1項「…従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。」
  • 引っかけ: 期間の見落とし(条件は同一でも期間だけは無期限になる点を見落とす誤り)。
  • まとめ: 通知がなければ法定更新。条件は同一だが期間の定めはなくなる。
自作 / Q15

あなたはツバサ。期間2年の定期借家契約で、終了通知が必要になる期限はいつまでか。

正解: 3. 満了の1年前から6か月前までの間

  • ① × 誤り。1週間前では遅すぎる。
  • ② × 誤り。1か月前でも足りない。
  • ③ ○ 正しい。期間1年以上の定期借家は、満了の1年前から6か月前までの間に終了通知が必要(38条6項)。
  • ④ × 誤り。満了後の通知は原則の通知期間に間に合わない(ただし通知の日から6か月経過後に終了を対抗できる特則がある)。
  • 条文: 借地借家法38条6項「…期間の満了の一年前から六月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に…通知をしなければ、
  • その終了を…対抗することができない。」
  • 引っかけ: 期間の書き換え(通知期限を短く言い換える誤り)。
  • まとめ: 1年以上の定期借家は、満了の1年前から6か月前までに終了通知が必要。
自作 / Q2

あなたはツバサ。カリンが森さんに重要事項説明をする日、宅建士証の提示について正しいのはどれか。

正解: 2. 請求の有無にかかわらず提示しなければならない

  • ① × 誤り。請求の有無を問わず提示する義務がある。
  • ② ○ 正しい。説明のときは必ず宅建士証を提示しなければならない(宅建業法35条4項)。
  • ③ × 誤り。提示は必須である。
  • ④ × 誤り。契約後ではなく、説明のときに提示する。
  • 条文: 宅建業法35条4項「宅地建物取引士は、前三項の説明をするときは、説明の相手方に対し、宅地建物取引士証を提示しなければならない。」
  • 引っかけ: 要件の追加(「請求があれば」という条件を勝手に付け足す誤り)。
  • まとめ: 重説のときの宅建士証提示は、相手の請求の有無にかかわらず必須。
自作 / Q4

あなたはツバサ。森さんとの契約書を作る日です。国交省の賃貸住宅標準契約書には何の定めがないか。

正解: 3. 更新料

  • ① × 誤り。敷金は標準契約書にも定めがある。
  • ② × 誤り。礼金も標準契約書に定めがある。
  • ③ ○ 正しい。更新料の支払に関する定めは標準契約書そのものにはなく、特約で定める。
  • ④ × 誤り。賃料も標準契約書に定めがある。
  • 条文: 賃貸住宅標準契約書(国交省、平成30年3月公表)の条項構成
  • 引っかけ: 対象の書き換え(更新料以外の項目を選ばせる誤り)。
  • まとめ: 標準契約書に更新料の定めはなく、うちの特約欄に書き足す。
自作 / Q5

あなたはツバサ。契約書の賃料の説明で正しいのはどれか。

正解: 2. 賃料は敷地の使用対価も含む

  • ① × 誤り。賃料は建物だけの対価ではない。
  • ② ○ 正しい。賃料は建物だけでなく敷地の使用の対価も含めた金額である。
  • ③ × 誤り。敷地の対価を別途請求する扱いにはなっていない。
  • ④ × 誤り。敷地の対価は共益費ではなく賃料に含まれる。
  • 条文: 賃貸住宅標準契約書(国交省、平成30年3月公表)の賃料条項の一般的な理解
  • 引っかけ: 範囲の切り縮め(賃料の対象を建物だけに限定する誤り)。
  • まとめ: 賃料は建物と敷地、両方の使用の対価を含む。
自作 / Q6

あなたはツバサ。賃貸住宅標準契約書は建物の用途をどう扱っているか。

正解: 2. 用途は限定せず契約書の用途欄で定める

  • ① × 誤り。住居・事務所に限定してはいない。
  • ② ○ 正しい。用途は限定されておらず、契約書の使用細目欄で個別に定める。
  • ③ × 誤り。住居のみに限定する扱いではない。
  • ④ × 誤り。事務所のみに限定する扱いでもない。
  • 条文: 賃貸住宅標準契約書(国交省、平成30年3月公表)の使用細目に関する条項
  • 引っかけ: 断定の追加(限定していないものを限定していると言い換える誤り)。
  • まとめ: 標準契約書は用途を限定していない。使用細目欄で個別に定める。
自作 / Q7

あなたはツバサ。カリンが「敷金は理由を問わず一切返さない」と特約に書こうとしています。正しい対応はどれか。

正解: 2. 消費者契約法8条の趣旨から無効になりうるため止める

  • ① × 誤り。理由を問わず一切返さない特約は無効になりうる。
  • ② ○ 正しい。事業者の責任を全部免除する特約は消費者契約法8条により無効になりうるため、止めるべき。
  • ③ × 誤り。井上さんの承諾では特約の有効性は左右されない。
  • ④ × 誤り。森さんの承諾があっても、消費者に不利な条項の無効は変わらない。
  • 条文: 消費者契約法8条1号「事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し…条項」
  • 引っかけ: 承諾での正当化(相手の同意があれば無効な特約も有効になると誤解する誤り)。
  • まとめ: 理由を問わず一切返さない特約は、消費者契約法8条の趣旨から無効になりうる。
自作 / Q8

あなたはツバサ。特約で違約金を平均的損害の額より高く定めた場合、消費者契約法上どうなるか。

正解: 2. 超える部分だけ無効になる

  • ① × 誤り。全部が無効になるのではない。
  • ② ○ 正しい。平均的な損害の額を超える部分だけが無効になる(消費者契約法9条1号)。
  • ③ × 誤り。超える部分は無効になる。
  • ④ × 誤り。裁判所の許可という手続はない。
  • 条文: 消費者契約法9条1号「…これらを合算した額が…平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分」
  • 引っかけ: 範囲の書き換え(「超える部分」を「全部」に広げる誤り)。
  • まとめ: 平均的損害を超える違約金は、超える部分だけが無効になる。
自作 / Q9

あなたはツバサ。「消費者の解除権をあらかじめ放棄させる」特約をどう扱うべきか。

正解: 2. 消費者契約法10条により無効になりうる

  • ① × 誤り。自由に定めてよいわけではない。
  • ② ○ 正しい。消費者の利益を一方的に害する条項として10条により無効になりうる。
  • ③ × 誤り。賃貸人の署名では無効の判断は変わらない。
  • ④ × 誤り。宅建士の記名は重要事項説明書の要件であり、特約の有効性とは無関係。
  • 条文: 消費者契約法10条「…民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。」
  • 引っかけ: 手続の混同(記名・署名があれば特約が有効になると誤解する誤り)。
  • まとめ: 消費者の解除権をあらかじめ放棄させる特約は、10条により無効になりうる。
自作 / Q10

あなたはツバサ。普通借家契約で貸主が更新を拒絶したい場合に必要なのは何か。

正解: 1. 正当事由

  • ① ○ 正しい。更新拒絶には正当事由が必要である(借地借家法28条)。
  • ② × 誤り。立退料の申し出は正当事由の判断材料の一つに過ぎず、それだけでは足りない。
  • ③ × 誤り。通知だけでは足りず、正当事由が必要。
  • ④ × 誤り。何もなしに更新拒絶はできない。
  • 条文: 借地借家法28条「…正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。」
  • 引っかけ: 要件の一部だけを十分とみなす誤り(立退料や通知だけで足りるとする誤り)。
  • まとめ: 更新拒絶には正当事由が必要。立退料や通知はその判断材料の一つに過ぎない。
自作 / Q12

あなたはツバサ。定期借家契約を結ぶために必要な契約方式はどれか。

正解: 2. 公正証書など書面によらなければならない

  • ① × 誤り。口頭では定期借家契約は成立しない。
  • ② ○ 正しい。公正証書による等書面によって契約をするときに限り成立する(借地借家法38条1項)。
  • ③ × 誤り。メールのみでは書面の要件を満たさない(電磁的記録は別途38条2項で認められる)。
  • ④ × 誤り。電話では成立しない。
  • 条文: 借地借家法38条1項「…公正証書による等書面によって契約をするときに限り…契約の更新がないこととする旨を定めることができる。」
  • 引っかけ: 方式の緩和(書面以外でも成立すると誤解する誤り)。
  • まとめ: 定期借家契約は書面(公正証書等、または電磁的記録)による契約が要件。
自作 / Q13

あなたはツバサ。定期借家の事前説明書面を交付しなかった場合、更新しないこととする旨の定めはどうなるか。

正解: 2. 無効になる

  • ① × 誤り。そのまま有効にはならない。
  • ② ○ 正しい。事前説明をしなかったときは、更新しないこととする旨の定めは無効になる(38条5項)。
  • ③ × 誤り。裁判所の許可という手続はない。
  • ④ × 誤り。事後の同意では要件を満たさない。
  • 条文: 借地借家法38条5項「建物の賃貸人が第三項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。
  • 引っかけ: 事後の追認(説明不足を後から補えると誤解する誤り)。
  • まとめ: 事前説明書面がなければ、更新しない旨の定めは無効になり普通借家に戻る。
自作 / Q14

あなたはツバサ。定期借家契約の期間が1年未満のとき、有効性はどうなるか。

正解: 2. そのまま有効

  • ① × 誤り。無期限とみなされるのは普通借家の場合(29条1項)で、定期借家には適用されない。
  • ② ○ 正しい。定期借家は29条1項を適用しないため、1年未満の期間でも有効(38条1項後段)。
  • ③ × 誤り。契約自体は無効にならない。
  • ④ × 誤り。普通借家に変わるわけではない。
  • 条文: 借地借家法38条1項後段「…この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。」
  • 引っかけ: 規定の混同(普通借家の29条1項ルールを定期借家にも適用すると誤解する誤り)。
  • まとめ: 定期借家は1年未満の期間でも有効。29条1項は適用されない。
自作 / Q16

あなたはツバサ。定期借家で終了通知が通知期間経過後になった場合、契約はいつ終了するか。

正解: 3. 通知の日から6か月後

  • ① × 誤り。もとの満了日で自動的に終了するのではない。
  • ② × 誤り。1か月後ではない。
  • ③ ○ 正しい。通知期間経過後の通知は、その通知の日から6か月を経過した後に終了を対抗できる(38条6項ただし書)。
  • ④ × 誤り。終了しないわけではない。
  • 条文: 借地借家法38条6項ただし書「建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、
  • その通知の日から六月を経過した後は、この限りでない。」
  • 引っかけ: 起算点のすり替え(満了日起算と通知日起算の取り違え)。
  • まとめ: 通知が遅れた場合、終了は満了日でなく通知の日から6か月後。
自作 / Q17

あなたはツバサ。200平方メートル未満の居住用の定期借家で、賃借人が転勤を理由に解約を申し入れた場合、契約はいつ終了するか。

正解: 1. 申入れの日から1か月後

  • ① ○ 正しい。200平方メートル未満の居住用で転勤等やむを得ない事情があれば、申入れの日から1か月経過で終了する(38条7項)。
  • ② × 誤り。6か月ではなく1か月。
  • ③ × 誤り。期間満了を待たずに終了できるのがこの特例の趣旨。
  • ④ × 誤り。中途解約は認められている。
  • 条文: 借地借家法38条7項「…転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により…賃借人は、解約の申入れをすることができる。
  • この場合…解約の申入れの日から一月を経過することによって終了する。」
  • 引っかけ: 期間の書き換え(1か月を6か月に言い換える誤り)。
  • まとめ: 200平方メートル未満・居住用・やむを得ない事情の中途解約は、申入れから1か月で終了。
自作 / Q18

あなたはツバサ。井上さんに「昭和の終わりからずっと住んでいる居住用の契約を、今から定期借家に変えられるか」と聞かれました。正しい答えはどれか。

正解: 2. 平成12年3月1日より前からの居住用契約は、合意解除しても当分の間は定期借家にならない

  • ① × 誤り。いつでも変えられるわけではない。
  • ② ○ 正しい。平成12年3月1日より前からの居住用契約は、合意解除して結び直しても当分の間は38条の適用がない(附則3条)。
  • ③ × 誤り。絶対に変えられないわけではなく、経過措置の対象になるだけ。
  • ④ × 誤り。貸主の一存では決められず、借主の同意も要る。
  • 条文: 附則3条(平成十一年法律第百五十三号)「…居住の用に供する建物の賃貸借…の当事者が、その賃貸借を合意により終了させ、
  • 引き続き新たに同一の建物を目的とする賃貸借をする場合には、当分の間、…第三十八条の規定は、適用しない。」
  • 引っかけ: 経過措置の見落とし(新法が一律に適用されると誤解する誤り)。
  • まとめ: 平成12年3月より前の居住用契約は、合意解除しても定期借家に切り替えられない。
自作 / Q19

あなたはツバサ。終身建物賃貸借契約を始めるために必要なのは何か。

正解: 2. 都道府県知事の認可

  • ① × 誤り。市区町村長の許可ではない。
  • ② ○ 正しい。都道府県知事の認可を受けなければならない(高齢者住まい法52条1項)。
  • ③ × 誤り。宅建士の記名の話ではない。
  • ④ × 誤り。認可が必要である。
  • 条文: 高齢者住まい法52条1項「…都道府県知事…の認可を受けた場合においては、
  • 公正証書による等書面によって契約をするときに限り…賃借人が死亡した時に終了する旨を定めることができる。」
  • 引っかけ: 主体の入れ替え(都道府県知事を市区町村長に言い換える誤り)。
  • まとめ: 終身建物賃貸借を行うには都道府県知事の認可が必要。
自作 / Q20

あなたはツバサ。終身建物賃貸借契約の対象になる借主の年齢要件はどれか。

正解: 3. 60歳以上

  • ① × 誤り。18歳以上ではない。
  • ② × 誤り。20歳以上でもない。
  • ③ ○ 正しい。対象は60歳以上の高齢者である(高齢者住まい法52条1項)。
  • ④ × 誤り。年齢は問われる。
  • 条文: 高齢者住まい法52条1項「自ら居住するため住宅を必要とする高齢者(六十歳以上の者…)…を賃借人とし…」
  • 引っかけ: 数字のずらし(60歳を18歳・20歳に言い換える誤り)。
  • まとめ: 終身建物賃貸借の対象は60歳以上の高齢者。
自作 / Q21

あなたはツバサ。終身建物賃貸借契約は借主が死亡したときどうなるか。

正解: 2. 契約は終了する

  • ① × 誤り。相続人が引き継ぐ通常の借家権とは異なり、終身建物賃貸借は死亡で終了する。
  • ② ○ 正しい。賃借人が死亡した時に終了するのが終身建物賃貸借の定義そのもの(高齢者住まい法54条1号)。
  • ③ × 誤り。貸主が選べるのではなく、死亡によって当然に終了する。
  • ④ × 誤り。自動更新される制度ではない。
  • 条文: 高齢者住まい法54条1号「…賃借人の死亡に至るまで存続し、かつ、賃借人が死亡した時に終了するもの(以下『終身建物賃貸借』という。
  • )をするものであること。」
  • 引っかけ: 制度の混同(通常の借家権の相続と終身建物賃貸借を取り違える誤り)。
  • まとめ: 終身建物賃貸借は借主の死亡で終了する。これは特約でも排除できない。
自作 / Q22

あなたはツバサ。知人に無償で部屋を貸す契約は何か。

正解: 2. 使用貸借

  • ① × 誤り。賃貸借は賃料を伴う契約。
  • ② ○ 正しい。無償で貸し借りする契約は使用貸借(民法593条)。
  • ③ × 誤り。転貸借は又貸しのこと。
  • ④ × 誤り。委任は事務処理を委託する契約で、部屋の貸し借りとは異なる。
  • 条文: 民法593条「使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、
  • 相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。」
  • 引っかけ: 有償・無償の混同(賃料の有無で契約類型が変わる点の見落とし)。
  • まとめ: 無償で貸す契約は使用貸借。家賃をもらえば賃貸借になる。
自作 / Q23

あなたはツバサ。使用貸借契約はいつ成立するか。

正解: 2. 当事者の合意のみで成立する

  • ① × 誤り。物の引渡しは成立要件ではない。
  • ② ○ 正しい。使用貸借は当事者の合意のみで成立する諾成契約(民法593条)。
  • ③ × 誤り。書面は成立要件ではない。
  • ④ × 誤り。登記も成立要件ではない。
  • 条文: 民法593条「使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し…契約が終了したときに返還をすることを約することによって、
  • その効力を生ずる。」
  • 引っかけ: 旧法との混同(改正前の要物契約のイメージを今の使用貸借に当てはめる誤り)。
  • まとめ: 使用貸借は合意のみで成立する。物の引渡しは成立要件ではない。
自作 / Q24

あなたはツバサ。使用貸借の通常の必要費は誰が負担するか。

正解: 2. 借主

  • ① × 誤り。貸主ではない。
  • ② ○ 正しい。借主が借用物の通常の必要費を負担する(民法595条1項)。
  • ③ × 誤り。折半という規定はない。
  • ④ × 誤り。誰かが負担しないわけではない。
  • 条文: 民法595条1項「借主は、借用物の通常の必要費を負担する。」
  • 引っかけ: 賃貸借との取り違え(賃貸借の負担ルールを使用貸借に当てはめる誤り)。
  • まとめ: 使用貸借の通常の必要費は借主が負担する。賃貸借とは逆になる。
自作 / Q25

あなたはツバサ。賃貸借の必要費は誰が負担するか。

正解: 1. 貸主

  • ① ○ 正しい。賃借人が賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、直ちに償還を請求できる。
  • つまり必要費は貸主が負担する(民法608条1項)。
  • ② × 誤り。借主が負担するのは使用貸借の場合。
  • ③ × 誤り。折半という規定はない。
  • ④ × 誤り。誰かが負担しないわけではない。
  • 条文: 民法608条1項「賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、
  • 直ちにその償還を請求することができる。」
  • 引っかけ: 使用貸借との取り違え(使用貸借の負担ルールを賃貸借に当てはめる誤り)。
  • まとめ: 賃貸借の必要費は貸主が負担する。使用貸借とは逆になる。