保証と敷金 ― 連帯保証人・保証会社・敷金の性質
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6月
到達目標と条件
目標1保証会社の審査から代位弁済までの流れと、極度額を書面で定める理由が言える。
| 内容 | 誰が | 根拠 |
|---|---|---|
| 保証会社の審査 | 保証会社(各社基準) | 法定基準なし |
| 滞納時の立替 | 保証会社→貸主 | 代位弁済 |
| 極度額の記載 | 個人の連帯保証人のみ | 民法465条の2 |
くわしく(4項目)
- 保証会社は各社独自の基準で審査し、保証委託料を受け取る(法定の統一基準はない)。
- 滞納が起きると、保証会社がまず貸主に立て替えて払い(代位弁済)、その後で借主に請求する。
- 個人の連帯保証は個人根保証契約にあたり、極度額を書面で定めなければ効力を生じない(民法465条の2第2項)。
- 極度額が要るのは保証人が個人の場合だけで、保証会社(法人)には及ばない(民法465条の2第1項)。
目標2保証人への情報提供義務(民法458条の2・465条の10)を、いつ・誰が・何を、で言える。
| 時点 | 義務の主体 | 根拠 |
|---|---|---|
| 契約前(事業目的のみ) | 主たる債務者→保証人 | 465条の10 |
| 契約後(請求時) | 債権者→保証人 | 458条の2 |
| 期限の利益喪失時 | 債権者→保証人(2か月以内) | 458条の3 |
くわしく(4項目)
- 契約締結時:主たる債務者が、事業のために負担する債務のときだけ、保証人へ財産・収支状況等を提供する義務を負う(民法465条の10第1項)。個人の家賃保証には及ばない。
- 契約後:保証人の請求があれば、債権者は遅滞なく主たる債務の不履行の有無・残額等を提供しなければならない(民法458条の2)。
- 情報提供義務は、保証人が法人の場合には適用されない(465条の10第3項)。458条の2の履行状況の情報提供義務には法人除外の規定はない。
- 主たる債務者が期限の利益を失ったときは、債権者は知った時から2か月以内に保証人へ通知する義務がある(民法458条の3)。
目標3敷金の性質(民法622条の2: 定義・返還時期・充当・承継)と、成年後見人が関わる契約の注意点が言える。
| 論点 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 敷金の返還時期 | 明渡し後 | 622条の2第1項 |
| 充当できる側 | 貸主のみ | 622条の2第2項 |
| 所有権移転時の承継 | 新所有者が承継 | 605条の2第4項 |
| 成年被後見人の契約 | 後見人が代理 | 9条 |
くわしく(4項目)
- 敷金は、名目を問わず賃借人の金銭債務を担保するために交付する金銭(民法622条の2第1項柱書)。
- 返還は、賃貸借が終了し、かつ賃貸物の返還を受けたとき(明渡し後)。明渡し前には返還義務が生じない。
- 充当は貸主からはできるが、借主から充当を請求することはできない(622条の2第2項)。建物の所有権移転時は、敷金の返還債務も新所有者が承継する(605条の2第4項)。
- 成年被後見人本人の法律行為は取り消すことができる(9条)。契約は成年後見人が本人の代理人として結ぶ。被保佐人は602条を超える建物賃貸借など重要な行為に保佐人の同意が要る(13条)。
覚える数字と条文
| 数字・条文 | 内容 |
|---|---|
| 民法465条の2第2項 | 個人根保証契約は極度額を書面で定めなければ効力を生じない。保証人が法人なら適用されない(465条の2第1項)。 |
| 民法458条の2 | 保証人の請求があれば、債権者は遅滞なく主たる債務の不履行の有無・残額を提供する義務がある(個人情報を理由に拒めない)。 |
| 民法465条の10 | 契約締結時の情報提供義務は、事業のために負担する債務のときだけ、主たる債務者から保証人へ。保証人が法人なら適用されない(同条3項)。 |
| 民法465条の4 | 死亡・破産・強制執行等の申立てで個人根保証契約の元本が確定する。確定後の債務は別に手当てが必要。 |
| 民法622条の2 | 敷金は明渡し後に返還。充当は貸主からのみ可能、借主からは請求できない。 |
| 民法605条の2第4項 | 賃貸人たる地位が移転すると、敷金の返還債務も特段の事情がない限り新所有者が承継する。 |
| 民法9条・10条 | 成年被後見人の法律行為は取り消せる。判断能力が回復しても、後見開始の審判が取り消されるまで効果は続く。 |
| 民法7条 | 後見開始の審判を請求できるのは本人・配偶者・四親等内の親族・後見人等・検察官。賃借人のような単なる利害関係人は含まれない。 |
| 民法13条 | 被保佐人が602条(短期賃貸借、建物は3年)を超える建物の賃貸借など重要な行為をするには保佐人の同意が要る。 |
| 保証委託料・更新料・極度額の具体的な金額は、法令が倍数を定めているわけではない(相場の目安。sources.md参照)。 |
実務の流れ→ 横にスクロール
ひっかけ 10件
- 「保証会社があれば個人の連帯保証人はいらない」という誤り(うちは両方を求め、保証会社が保証しない債務の隙間を個人保証が埋める)。
- 「極度額を定めなくても連帯保証契約は有効」という誤り(個人根保証は極度額を書面で定めないと効力を生じない、465条の2第2項)。
- 「保証会社(法人)にも極度額の規定が及ぶ」という誤り(極度額が必要なのは保証人が個人の場合だけ)。
- 「保証人に滞納状況を教えるのは個人情報保護違反」という誤り(保証人の請求があれば債権者は提供義務を負う、458条の2)。
- 「契約前の情報提供義務はどんな保証にも及ぶ」という誤り(事業のために負担する債務のときだけ、465条の10)。
- 「保証人が死亡しても保証は無限に続く」という誤り(死亡・破産等で元本が確定する、465条の4)。
- 「敷金は退去前でも借主から充当を請求できる」という誤り(充当できるのは貸主からだけ、622条の2第2項)。
- 「大家が変わったら敷金は宙に浮く」という誤り(特段の事情がない限り新所有者が承継する、605条の2第4項)。
- 「判断能力が回復すれば成年被後見人の契約は取り消せない」という誤り(審判が取り消されるまでは取り消せる、9条・10条)。
- 「賃借人も利害関係人として後見開始の審判を請求できる」という誤り(請求できる者は7条に列挙された者に限られる)。
到達目標(教科書)
目標1保証会社の審査から代位弁済までの流れと、極度額を書面で定める理由が言える。
| 内容 | 誰が | 根拠 |
|---|---|---|
| 保証会社の審査 | 保証会社(各社基準) | 法定基準なし |
| 滞納時の立替 | 保証会社→貸主 | 代位弁済 |
| 極度額の記載 | 個人の連帯保証人のみ | 民法465条の2 |
- 保証会社は各社独自の基準で審査し、保証委託料を受け取る(法定の統一基準はない)。
- 滞納が起きると、保証会社がまず貸主に立て替えて払い(代位弁済)、その後で借主に請求する。
- 個人の連帯保証は個人根保証契約にあたり、極度額を書面で定めなければ効力を生じない(民法465条の2第2項)。
- 極度額が要るのは保証人が個人の場合だけで、保証会社(法人)には及ばない(民法465条の2第1項)。
目標2保証人への情報提供義務(民法458条の2・465条の10)を、いつ・誰が・何を、で言える。
| 時点 | 義務の主体 | 根拠 |
|---|---|---|
| 契約前(事業目的のみ) | 主たる債務者→保証人 | 465条の10 |
| 契約後(請求時) | 債権者→保証人 | 458条の2 |
| 期限の利益喪失時 | 債権者→保証人(2か月以内) | 458条の3 |
- 契約締結時:主たる債務者が、事業のために負担する債務のときだけ、保証人へ財産・収支状況等を提供する義務を負う(民法465条の10第1項)。個人の家賃保証には及ばない。
- 契約後:保証人の請求があれば、債権者は遅滞なく主たる債務の不履行の有無・残額等を提供しなければならない(民法458条の2)。
- 情報提供義務は、保証人が法人の場合には適用されない(465条の10第3項)。458条の2の履行状況の情報提供義務には法人除外の規定はない。
- 主たる債務者が期限の利益を失ったときは、債権者は知った時から2か月以内に保証人へ通知する義務がある(民法458条の3)。
目標3敷金の性質(民法622条の2: 定義・返還時期・充当・承継)と、成年後見人が関わる契約の注意点が言える。
| 論点 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 敷金の返還時期 | 明渡し後 | 622条の2第1項 |
| 充当できる側 | 貸主のみ | 622条の2第2項 |
| 所有権移転時の承継 | 新所有者が承継 | 605条の2第4項 |
| 成年被後見人の契約 | 後見人が代理 | 9条 |
- 敷金は、名目を問わず賃借人の金銭債務を担保するために交付する金銭(民法622条の2第1項柱書)。
- 返還は、賃貸借が終了し、かつ賃貸物の返還を受けたとき(明渡し後)。明渡し前には返還義務が生じない。
- 充当は貸主からはできるが、借主から充当を請求することはできない(622条の2第2項)。建物の所有権移転時は、敷金の返還債務も新所有者が承継する(605条の2第4項)。
- 成年被後見人本人の法律行為は取り消すことができる(9条)。契約は成年後見人が本人の代理人として結ぶ。被保佐人は602条を超える建物賃貸借など重要な行為に保佐人の同意が要る(13条)。
Aを賃貸人、Bを賃借人として令和4年 12 月1日に締結された期間2年の建物賃貸借において、個人であるCはBから委託を受けてAと連帯保証契約を同日締結した。この事案に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。ア 保証契約は書面により締結されなければならないため、同契約がその内容を記録した電磁的記録によってなされても無効である。イ Bが賃料の支払を遅滞した場合、AがCに対して連帯保証債務の履行を請求するためには、AB間の賃貸借契約を解除しなければならない。ウ AC間の連帯保証契約は、主債務の範囲に含まれる債務の種別を問わず、極度額を定めなければ効力を生じない。エ CがAに対して主債務の元本及び主債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供することを請求した場合、Aには情報提供義務がある。
正解: 4. ウ、エ
- ① × 誤り。アとイの組合せだが、アは電磁的記録も書面とみなされ有効(民法446条3項)なので誤り。
- ② × 誤り。アとウの組合せだが、アが誤りのため不適切。
- ③ × 誤り。イとエの組合せだが、イは保証債務の履行請求に賃貸借契約の解除を要件としない(446条1項)ので誤り。
- ④ ○ 正しい。ウ(極度額は主債務の種別を問わず必須、465条の2第2項)とエ(保証人の請求で情報提供義務、458条の2)がいずれも正しい。
- 条文: 民法465条の2第2項「個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない。」
- 条文: 民法458条の2「保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なく…情報を提供しなければならない。」
- 引っかけ: 要件の付け足し(履行請求に不要な「解除」を条件として混ぜる誤り)。
- まとめ: 極度額は主債務の種別を問わず必須。情報提供義務は保証人の請求があれば生じる。
個人であるAが賃貸不動産を賃借するに当たって、Aが勤務する会社BがAの委託を受けて連帯保証人となった場合の連帯保証契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
正解: 2. 賃貸人は、Bから請求があったときは、Aの賃貸借契約上の債務の履行状況につき、情報提供しなければならない。
- ① × 誤り。Bは法人であり、極度額が必須なのは保証人が個人の場合だけ(民法465条の2第1項)なので、Bには適用されない。
- ② ○ 正しい。保証人の請求があれば、債権者は主たる債務の履行状況を情報提供しなければならない(民法458条の2)。
- ③ × 誤り。契約締結時の情報提供義務(465条の10)は保証人が法人の場合は適用されない(同条3項)。
- ④ × 誤り。解除権は契約の当事者または法律の規定で有する者が行使するもので(民法540条1項)、保証人が別段の授権なく行使することはできない。
- 条文: 民法458条の2「保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なく…情報を提供しなければならない。」
- 条文: 民法465条の10第3項「前二項の規定は、保証をする者が法人である場合には、適用しない。」
- 引っかけ: 範囲の広げすぎ(法人保証人にも個人向けの保護規定を及ぼす誤り)。
- まとめ: 極度額・契約前の情報提供義務は、いずれも保証人が個人のときだけの規定。
敷金の取扱いに関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
正解: 1. 敷金は、賃貸借契約上賃借人が負うべき債務の担保として交付されるものであるが、賃貸借契約は継続しつつ、敷金契約を合意解約して敷金の返還をすることができる。
- ① ○ 正しい。敷金契約は賃貸借契約に付随する別個の合意であり、賃貸借契約を維持したまま、合意で敷金契約だけを解約して返還することは妨げられない。
- ② × 誤り。敷金の交付時期を締結時・締結前に限る規定はなく、締結後の交付も可能。
- ③ × 誤り。明渡し遅延による賃料相当の使用損害金も、賃貸借に基づいて生ずる賃借人の金銭給付債務として、敷金が担保する範囲に含まれる(民法622条の2第1項柱書の広い定義)。
- ④ × 誤り。充当は貸主の一方的な権利で、個別の債務を特定し意思表示をすることまでは要件ではない(622条の2第2項)。
- 条文: 民法622条の2第1項柱書「賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず…金銭をいう。)を受け取っている場合において…返還しなければならない。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(敷金の交付・充当に、条文にない制限を加える誤り)。
- まとめ: 敷金は賃貸借に基づく金銭債務を広く担保する。合意による解約・後払いも妨げられない。
- ※ ①の「合意解約して返還できる」は、敷金契約が賃貸借契約とは別個独立の合意であることによる(判例・通説の整理。条文の直接規定ではない点はsources.mdに記載)。
Aを貸主、Bを借主として令和4年5月1日に締結された期間1年の建物賃貸借契約において、CはBから委託を受けてAと連帯保証契約を同日締結した。この事案に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。ア AB間の建物賃貸借契約が法定更新されると、AC間の保証契約も法定更新される。イ Aは極度額の記載のない連帯保証契約書を持参してCと面会し、口頭で極度額について合意した上、Cの署名押印を得た。この場合も連帯保証契約は効力を生じる。ウ Cが、Aに対して、Bの賃料その他の債務について、不履行の有無、利息、違約金、損害賠償などの額について情報提供を求めた場合、Aは個人情報保護を理由に情報提供を拒むことはできない。エ Bが死亡すると、連帯保証契約の元本は確定する。
正解: 3. ウ、エ
- ① × 誤り。アとイの組合せだが、イは誤り(極度額は書面に定めが必要で、口頭合意だけでは効力を生じない)なので不適切。
- ② × 誤り。イとウの組合せだが、イが誤りのため不適切。
- ③ ○ 正しい。ウ(保証人の請求には情報提供義務がある、458条の2)とエ(主たる債務者の死亡で元本確定、465条の4第1項3号)がいずれも正しい。
- ④ × 誤り。アとエの組合せだが、アは「保証契約が法定更新される」という言い回しが不正確なため誤り。
- 条文: 民法465条の4第1項3号「主たる債務者又は保証人が死亡したとき」(個人根保証契約の元本の確定事由)。
- 条文: 民法458条の2「保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なく…情報を提供しなければならない。」
- 引っかけ: 要件の付け足し(極度額を口頭合意でも足りるとする誤り)。
- まとめ: 極度額は書面で定める必要がある。主債務者の死亡で根保証の元本は確定する。
- ※ アの「法定更新される」という表現の当否は判例(保証は賃貸借の更新後も継続しうるとする理解)に関わる整理で、条文の直接規定ではない点はsources.mdに記載。
成年後見に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
正解: 1. 成年被後見人である賃貸人が賃貸借契約を締結した場合において、締結時に賃貸人の判断能力が回復していたとしても、家庭裁判所により後見開始の審判が取り消されていなければ、成年後見人は、賃貸人本人が3か月前に締結した賃貸借契約を取り消すことができる。
- ① ○ 正しい。判断能力が回復していても、後見開始の審判が取り消されない限り成年被後見人の立場は続き、後見人は本人の法律行為を取り消せる(民法9条・10条)。
- ② × 誤り。後見開始の審判を請求できるのは本人・配偶者・四親等内の親族・後見人等・検察官に限られ(民法7条)、賃借人のような単なる利害関係人は含まれない。
- ③ × 誤り。成年被後見人の法律行為は後見人の同意があっても取り消せる(9条)。被保佐人の「同意権」とは異なり、後見は「代理」で行う。
- ④ × 誤り。9条が取り消せるのは成年被後見人となった後の法律行為であり、審判前に有効に成立していた契約を、審判を理由に遡って取り消せるわけではない。
- 条文: 民法9条「成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。」
- 条文: 民法7条「…家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。」
- 引っかけ: 範囲の広げすぎ(請求できる人・取り消せる行為の範囲を実際より広く見せる誤り)。
- まとめ: 後見人の取消権は審判が取り消されるまで続き、対象は被後見人となった後の行為。
敷金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解: 3. 貸主が建物を借主に引き渡した後、第三者に当該建物を売却し、所有権移転登記を完了した場合、特段の事情がない限り、敷金に関する権利義務は当然に当該第三者に承継される。
- ① × 誤り。貸主は、賃借人が債務を履行しないときは、明渡し前でも敷金を弁済に充てることができる(民法622条の2第2項)。
- ② × 誤り。敷金の交付時期を制限する規定はなく、合意によって契約締結後に預け入れることもできる。
- ③ ○ 正しい。賃貸人たる地位が譲受人に移転すると、特段の事情がない限り、敷金の返還債務も譲受人が承継する(民法605条の2第4項)。
- ④ × 誤り。敷金の充当は貸主の一方的な権利であり、借主への通知や合意は要件ではない(622条の2第2項)。
- 条文: 民法605条の2第4項「…第六百二十二条の二第一項の規定による…敷金の返還に係る債務は、譲受人又はその承継人が承継する。」
- 条文: 民法622条の2第2項「賃貸人は、賃借人が…債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。」
- 引っかけ: 要件の付け足し(明渡し後・通知必須という、条文にない条件を加える誤り)。
- まとめ: 敷金の返還債務は、建物の所有者が変わっても新しい所有者が引き継ぐ。
Aを貸主、Bを借主とする建物賃貸借においてCを連帯保証人とする保証契約に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。ただし、それぞれの選択肢に記載のない事実はないものとする。ア Bが賃料の支払を怠ったので、AがCに対して保証債務履行請求権を行使した場合、Cは、Bには弁済する資力があり、かつその執行が容易である旨を証明すれば、AがBの財産について執行を行わない間は保証債務の履行を免れる。イ Aの賃料債権を被担保債権とする抵当権がD所有の甲不動産に設定されていた場合、Dの負う責任は甲不動産の範囲に限られるところ、Cの負う責任はCの全財産に及ぶ。ウ Cが自然人ではなく法人の場合は、極度額を書面で定めなくてもよい。エ Bの賃借人の地位がAの承諾の下、第三者に移転した場合、Cが引き続き連帯保証債務を負担することを「保証の随伴性」という。
正解: 4. ア、エ
- ① × 誤り。アとイの組合せだが、イは正しい記述(抵当権は目的物の範囲に限られ、保証人の責任は全財産に及ぶという対比は正しい)なので、組合せとして不適切。
- ② × 誤り。イとウの組合せだが、イ・ウとも正しい記述なので、組合せとして不適切。
- ③ × 誤り。ウとエの組合せだが、ウは正しい記述(極度額が必要なのは保証人が個人の場合だけ、民法465条の2第1項)なので、組合せとして不適切。
- ④ ○ 正しい。アとエが誤り。アは連帯保証人には検索の抗弁が認められない(民法454条)ので誤り。エは、賃借人(債務者)が変わるケースを「随伴性」と呼ぶ点が誤り。
- 条文: 民法454条「連帯保証人には、第四百五十二条及び第四百五十三条の規定を適用しない。」
- 条文: 民法453条「…保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。」
- 引っかけ: 条文の混同(連帯保証人にはない検索の抗弁を認める誤り、および用語の当てはめ違い)。
- まとめ: 連帯保証人には催告・検索の抗弁がない。法人保証人には極度額の規定は及ばない。
- ※ エの「随伴性」は、本来は債権者側の債権譲渡に伴い保証も移転するケースを指す概念であり、賃借人(債務者)の変更を指す用語ではない(通説の整理。条文の直接規定ではない点はsources.mdに記載)。
あなたはツバサ。6月、森さんが家賃を滞納し、保証会社が先に井上さんへ立て替えて支払った。この後、保証会社ができることは、次にすべきことは何か。
正解: 1. 立て替えた分を森さんに請求できる
- ① ○ 正しい。代位弁済により、保証会社は貸主に代わって支払った分を、滞納した借主に請求する立場になる。
- ② × 誤り。代位弁済は保証会社が負担したままで終わるものではなく、借主への求償を前提とする。
- ③ × 誤り。立て替えたのは井上さん(貸主)への支払いであり、井上さんに返還請求する筋合いはない。
- ④ × 誤り。管理会社(ツバサの会社)は保証の当事者ではなく、代位弁済の負担を負わない。
- 条文: なし(保証委託契約に基づく代位弁済の実務上の整理)。
- 引っかけ: 主語の入れ替え(請求先を貸主や管理会社にすり替える誤り)。
- まとめ: 代位弁済後は、保証会社が滞納した借主へ請求する。
あなたはツバサ。6月、森さんの契約書の連帯保証人欄(親、個人)の極度額欄が空欄だった。このままでは、次にすべきことは何か。
正解: 2. 連帯保証契約は効力を生じない
- ① × 誤り。個人根保証契約は極度額を定めなければ効力を生じない(民法465条の2第2項)。
- ② ○ 正しい。極度額の定めがなければ、個人根保証契約はそもそも効力を生じない。
- ③ × 誤り。極度額の定めには書面性が及び(465条の2第3項が446条2項・3項を準用)、口頭合意だけでは足りない。
- ④ × 誤り。極度額は保証人と債権者の間で書面により定めるもので、保証会社が代わりに定めるものではない。
- 条文: 民法465条の2第2項「個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(口頭合意で足りるとする誤り)。
- まとめ: 個人根保証契約は、極度額を書面で定めなければ無効。
あなたはツバサ。6月、森さんの契約で、極度額を家賃・共益費の合計24か月分と定めた。この金額の倍数について、次にすべきことは何か。
正解: 2. 倍数についての法令の定めはなく、契約当事者が具体的な金額を書面で定める
- ① × 誤り。民法465条の2は極度額を定めることを求めるだけで、何か月分にするかの倍数までは規定していない。
- ② ○ 正しい。極度額の倍数に関する法令上の定めはなく、当事者が具体的な金額を書面に定める。
- ③ × 誤り。国が標準的な倍数を告示している規定は確認できない。
- ④ × 誤り。12か月分に固定する法令上の定めはない。
- 条文: 民法465条の2第2項「個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない。」
- 引っかけ: 数字の決めつけ(法令が倍数を定めているかのように見せる誤り)。
- まとめ: 極度額の倍数に法定の基準はなく、契約書に具体的な金額を書面で定める。
森さんの契約は個人の住居用であり、事業のための債務ではない。この場合、親(連帯保証人)に対する契約締結時の情報提供義務(民法465条の10)は生じる。
正解: 2. 誤り
- ① (「正しい」を選んだ場合)× 誤り。465条の10の情報提供義務は、事業のために負担する債務のときだけ生じる。
- ② (「誤り」を選んだ場合)○ 正しい。森さんの家賃債務は事業のためのものではないので、465条の10の契約締結時の情報提供義務は法律上は生じない。
- 条文: 民法465条の10第1項「主たる債務者は、事業のために負担する債務を主たる債務とする保証…の委託をするときは…情報を提供しなければならない。」
- 引っかけ: 範囲の広げすぎ(事業目的でない保証にまで義務を及ぼす誤り)。
- まとめ: 契約締結時の情報提供義務は、事業のための債務のときだけ生じる。
あなたはツバサ。6月、森さんの父親から「滞納があるか教えてほしい」と請求があった。この場合、次にすべきことは何か。
正解: 2. 遅滞なく、主たる債務の不履行の有無や残額等を提供しなければならない
- ① × 誤り。保証人からの請求に対しては、個人情報保護を理由に提供を拒むことはできない(民法458条の2)。
- ② ○ 正しい。保証人の請求があったときは、債権者は遅滞なく不履行の有無・残額等を提供しなければならない。
- ③ × 誤り。458条の2の情報提供義務は森さん(主たる債務者)の同意を要件としていない。
- ④ × 誤り。458条の2は「提供しなければならない」と義務として定めており、任意ではない。
- 条文: 民法458条の2「保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なく…情報を提供しなければならない。」
- 引っかけ: 要件の付け足し(本人の同意を条件として加える誤り)。
- まとめ: 保証人からの請求には、個人情報を理由に断らず、遅滞なく情報提供する。
あなたはツバサ。7月、森さんが分割払いの猶予を受け、期限の利益を喪失した。この事実を知った場合、次にすべきことは何か。
正解: 2. 知った時から2か月以内に、保証人へ通知しなければならない
- ① × 誤り。458条の3は「2か月以内」という具体的な期間を定めており、期限のない努力義務ではない。
- ② ○ 正しい。主たる債務者が期限の利益を喪失したときは、知った時から2か月以内に保証人へ通知しなければならない(民法458条の3)。
- ③ × 誤り。通知をしないと、期限の利益喪失時から通知までの遅延損害金相当分を保証人に請求できなくなる不利益がある。
- ④ × 誤り。1年以内ではなく2か月以内である。
- 条文: 民法458条の3第1項「…その利益を喪失したときは、債権者は、保証人に対し、その利益の喪失を知った時から二箇月以内に、その旨を通知しなければならない。」
- 引っかけ: 数字のずらし(2か月を1年や無期限にすり替える誤り)。
- まとめ: 期限の利益喪失の通知は、知った時から2か月以内。怠ると一部の遅延損害金を請求できなくなる。
あなたはツバサ。6月、森さんの父(連帯保証人)が亡くなった場合、その後の保証について、次にすべきことは何か。
正解: 2. 死亡時点で元本が確定し、それ以降の新たな債務は保証の対象にならない
- ① × 誤り。死亡は元本確定事由であり、無限に保証が続くわけではない(民法465条の4第1項3号)。
- ② ○ 正しい。保証人の死亡によって元本が確定し、その時点までの債務だけが保証の対象として区切られる。
- ③ × 誤り。死亡は将来に向かって元本を確定させる事由であり、契約自体を遡って無効にするものではない。
- ④ × 誤り。465条の4第1項3号により、保証人の死亡は元本確定事由に当たる。
- 条文: 民法465条の4第1項3号「主たる債務者又は保証人が死亡したとき。」
- 引っかけ: 範囲の広げすぎ(死亡後の新たな債務まで保証が及ぶとする誤り)。
- まとめ: 保証人の死亡で元本が確定し、それ以降の債務は別に手当てが必要。
あなたはツバサ。6月、井上さんの知人の父親の後見開始の審判を、誰が請求できるかを問われた。正しいのは、次にすべきことは何か。
正解: 1. 本人・配偶者・四親等内の親族・後見人等・検察官に限られる
- ① ○ 正しい。後見開始の審判を請求できる者は、本人・配偶者・四親等内の親族・未成年後見人等・保佐人等・補助人等・検察官に限られる(民法7条)。
- ② × 誤り。賃貸人(取引の相手方)は7条に列挙されておらず、単なる利害関係人として請求することはできない。
- ③ × 誤り。近所の住人という立場だけでは請求権者に当たらない。
- ④ × 誤り。管理会社も7条の請求権者には当たらない。
- 条文: 民法7条「…家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。」
- 引っかけ: 範囲の広げすぎ(利害関係人一般に請求権を認める誤り)。
- まとめ: 後見開始の審判を請求できる者は、7条に列挙された者に限られる。
あなたはツバサ。6月、森さんの保証会社の審査結果が届いた。保証委託料や審査基準について問われたら、次にすべきことは何か。
正解: 2. 保証会社の審査基準は各社が独自に定めており、法律上の統一基準はない
- ① × 誤り。保証会社の入居審査の基準を国が統一的に定めた規定は確認できない。
- ② ○ 正しい。家賃保証会社の審査基準は各社が独自に設けており、法定の統一基準はない。
- ③ × 誤り。賃貸住宅管理業法は管理業者の登録・業務規制を定める法律で、保証会社の審査基準を定めるものではない。
- ④ × 誤り。保証会社の審査結果と、貸主が入居を認めるかどうかは別の判断であり、審査に落ちたら必ず拒否できないという規定はない。
- 条文: なし(保証会社の審査基準は各社の内部基準による実務上の整理)。
- 引っかけ: 出典のすり替え(法定の基準があるかのように見せる誤り)。
- まとめ: 保証会社の審査基準は法定されておらず、各社の内部基準による。
あなたはツバサ。6月、森さんの保証会社(法人)との保証契約について、極度額の要否を問われたら、次にすべきことは何か。
正解: 2. 保証会社は法人なので、民法465条の2の極度額の規定は及ばない
- ① × 誤り。極度額が必要なのは保証人が個人の場合だけである(465条の2第1項の「保証人が法人でないもの」)。
- ② ○ 正しい。保証会社は法人であるため、個人根保証契約に関する465条の2の規定は適用されない。
- ③ × 誤り。極度額を定めてはならないという規定はなく、契約書上任意に上限を定めること自体は妨げられない。
- ④ × 誤り。法律の適用の有無は保証人が個人か法人かで決まるのであって、保証会社の一存で決まるものではない。
- 条文: 民法465条の2第1項「…保証人が法人でないもの(以下「個人根保証契約」という。)の保証人は…」
- 引っかけ: 主語の入れ替え(法人保証人にも個人向け規定を及ぼす誤り)。
- まとめ: 極度額の規定(465条の2)は、保証人が個人の場合にだけ適用される。
あなたはツバサ。6月、カリンから「保証は契約2年が終われば自動的に終わる」と聞かれた。正しい説明は、次にすべきことは何か。
正解: 2. 根保証なので更新後も保証は続くが、死亡・破産等の事由で元本が確定する
- ① × 誤り。根保証の性質上、更新後の賃貸借から生じる債務も保証の対象になりうる。
- ② ○ 正しい。更新後も同じ保証人が保証し続けるが、死亡・破産・強制執行の申立て等の事由が生じると元本が確定する(民法465条の4)。
- ③ × 誤り。更新されたら保証が当然に消滅するわけではない。
- ④ × 誤り。465条の4に元本確定事由が明記されており、永久に確定しないわけではない。
- 条文: 民法465条の4第1項「次に掲げる場合には、個人根保証契約における主たる債務の元本は、確定する。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(更新で当然に終わる/永久に続く、のどちらかに単純化する誤り)。
- まとめ: 根保証は更新後も続くが、死亡・破産等の事由で元本が確定する。
あなたはツバサ。6月、森さんに敷金68,000円の性質を説明する。最も適切な説明は、次にすべきことは何か。
正解: 2. 敷金は名目を問わず、賃借人の金銭債務を担保するために交付する金銭である
- ① × 誤り。敷金は債務が残らなければ残額を返還する金銭であり、返還を予定しない礼金とは性質が異なる。
- ② ○ 正しい。敷金は、名目を問わず賃借人の賃貸人に対する金銭債務を担保する目的で交付する金銭である(民法622条の2第1項柱書)。
- ③ × 誤り。敷金は家賃そのものの前払いではなく、債務の担保として預かる金銭である。
- ④ × 誤り。敷金と保証会社への保証委託料は別のお金であり、混同してはならない。
- 条文: 民法622条の2第1項柱書「賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず…金銭をいう。)を受け取っている場合において…」
- 引っかけ: 出典のすり替え(敷金を礼金・前払い家賃・保証料と混同させる誤り)。
- まとめ: 敷金は、名目を問わず賃借人の金銭債務を担保する金銭。
あなたはツバサ。6月、森さんから「敷金はいつ返してもらえますか」と聞かれた。正しい答えは、次にすべきことは何か。
正解: 2. 賃貸借が終了し、かつ部屋を明け渡した後に返還する
- ① × 誤り。敷金は契約締結時に返すものではなく、担保として預かるお金である。
- ② ○ 正しい。賃貸借が終了し、かつ賃貸物の返還(明渡し)を受けたときに、残額を返還する(民法622条の2第1項1号)。
- ③ × 誤り。契約期間中に借主が返還を請求できる規定はない。
- ④ × 誤り。更新のたびに一部返還する法令上の定めはない。
- 条文: 民法622条の2第1項1号「賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。」
- 引っかけ: 期限の前後(明渡し前に返還できるとする誤り)。
- まとめ: 敷金の返還時期は、終了かつ明渡し後。
あなたはツバサ。6月、森さんが「敷金を先に家賃の未払いに充ててほしい」と契約期間中に申し出た。この場合、次にすべきことは何か。
正解: 2. 借主から敷金の充当を請求することはできない
- ① × 誤り。622条の2第2項は、借主からの充当請求を認めていない。
- ② ○ 正しい。敷金を債務の弁済に充てることができるのは貸主からであり、借主から敷金を充当するよう請求することはできない。
- ③ × 誤り。充当できるのは貸主からのみで、借主からは請求できない。
- ④ × 誤り。充当に裁判所の許可を要する規定はない。
- 条文: 民法622条の2第2項「…この場合において、賃借人は、賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができない。」
- 引っかけ: 主語の入れ替え(充当を請求できる側を借主にすり替える誤り)。
- まとめ: 敷金の充当は貸主からのみ可能。借主からは請求できない。
あなたはツバサ。9月、井上さんがメゾン井上を第三者に売却し、所有権移転登記を終えた(仮定の設例)。森さんの敷金の扱いは、次にすべきことは何か。
正解: 2. 特段の事情がない限り、敷金の返還債務は新しい所有者が承継する
- ① × 誤り。所有権移転により賃貸人たる地位が移転すると、敷金の返還債務も新所有者に移る。
- ② ○ 正しい。特段の事情がない限り、敷金の返還債務は譲受人(新所有者)が承継する(民法605条の2第4項)。
- ③ × 誤り。所有権移転によって敷金の返還義務が消滅する規定はない。
- ④ × 誤り。敷金は当然に承継されるものであり、森さんが新所有者と改めて契約し直す必要はない。
- 条文: 民法605条の2第4項「…第六百二十二条の二第一項の規定による…敷金の返還に係る債務は、譲受人又はその承継人が承継する。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(承継されないとする誤り)。
- まとめ: 所有権移転時、敷金の返還債務は新所有者が当然に承継する。
あなたはツバサ。6月、井上さんの知人の父親(認知症、成年被後見人)が入居を希望している。契約の進め方として正しいのは、次にすべきことは何か。
正解: 2. 契約は成年後見人が本人の代理人として締結する
- ① × 誤り。成年被後見人本人の法律行為は取り消すことができ(民法9条)、後で取り消されるおそれがある。
- ② ○ 正しい。成年被後見人の財産に関する法律行為は、成年後見人が本人の代理人として行う。
- ③ × 誤り。被保佐人の「同意」とは異なり、成年被後見人は同意を得ても本人が単独で有効に契約できるわけではない(9条は同意の有無を問わず取り消せる)。
- ④ × 誤り。口頭でよいという規定はなく、通常の賃貸借契約と同様に書面で行う。
- 条文: 民法9条「成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。」
- 引っかけ: 制度の混同(後見と保佐の「同意」の仕組みを取り違える誤り)。
- まとめ: 成年被後見人の契約は、後見人が代理して結ぶ。
成年被後見人が契約締結時に判断能力が回復していれば、後見開始の審判が取り消されていなくても、その契約は後から取り消されることはない。
正解: 2. 誤り
- ① (「正しい」を選んだ場合)× 誤り。判断能力の回復だけでは足りない。
- ② (「誤り」を選んだ場合)○ 正しい。後見開始の審判が取り消されない限り、成年被後見人の立場は続き、後見人は本人の法律行為を取り消せる(民法9条・10条)。
- 条文: 民法10条「第七条に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は…後見開始の審判を取り消さなければならない。」
- 引っかけ: 基準のすり替え(判断能力の実態を、審判の有無より優先させる誤り)。
- まとめ: 取消しの可否は審判が取り消されたかどうかで決まり、実際の判断能力の回復だけでは決まらない。
あなたはツバサ。6月、井上さんの知人が「被保佐人ならどうか」と尋ねてきた。被保佐人が2年の建物賃貸借を自分で結ぶ場合、次にすべきことは何か。
正解: 2. 民法602条の期間(建物は3年)を超えなければ、保佐人の同意なく契約できる
- ① × 誤り。被保佐人は原則として自分で契約でき、成年被後見人のように包括的な制限があるわけではない。
- ② ○ 正しい。602条に定める期間(建物は3年)を超える賃貸借など、13条1項に列挙された重要な行為だけ保佐人の同意が必要。2年の契約はこれを超えないため、同意は不要。
- ③ × 誤り。すべての契約に同意が必要なのではなく、13条1項に列挙された重要な行為に限られる。
- ④ × 誤り。同意が必要な行為を同意なくした場合は「取り消すことができる」のであり、当然に無効になるわけではない。
- 条文: 民法13条1項9号「第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。」
- 条文: 民法602条3号「建物の賃貸借 三年」
- 引っかけ: 範囲の広げすぎ(保佐人の同意がすべての契約に必要とする誤り)。
- まとめ: 被保佐人に保佐人の同意が要るのは、602条の期間を超える賃貸借など重要な行為に限られる。
あなたはツバサ。6月、保証契約書を、内容を記録した電磁的記録(PDF等)で締結したいと相談された。正しい説明は、次にすべきことは何か。
正解: 2. その内容を記録した電磁的記録によってされたときは、書面によってされたものとみなされる
- ① × 誤り。446条3項により、電磁的記録による保証契約も書面によるものとみなされ、無効ではない。
- ② ○ 正しい。保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、書面によってされたものとみなす(民法446条3項)。
- ③ × 誤り。極度額の定めについても446条2項・3項が準用され(465条の2第3項)、電磁的記録による定めも認められる。
- ④ × 誤り。電磁的記録は書面と同じ扱いを受けるのであり、口頭の合意とは区別される。
- 条文: 民法446条3項「保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(電磁的記録を無効・口頭同然とする誤り)。
- まとめ: 電磁的記録による保証契約も、書面によるものとみなされ有効。
あなたはツバサ。6月、森さんが1か月家賃を滞納した。連帯保証人(親)に履行を請求するために、まず必要なことは、次にすべきことは何か。
正解: 2. 特に契約解除は不要で、森さんが家賃を支払わないという事実があれば請求できる
- ① × 誤り。保証人への履行請求に、主たる契約の解除を要件とする規定はない。
- ② ○ 正しい。保証人は主たる債務者が債務を履行しないときに履行する責任を負うのであり(民法446条1項)、契約解除は要件ではない。
- ③ × 誤り。個人の連帯保証人への請求に、別の保証会社の同意を要する規定はない。
- ④ × 誤り。極度額は責任の上限であり、極度額を超えるまで請求できないという規定ではない。
- 条文: 民法446条1項「保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。」
- 引っかけ: 要件の付け足し(解除という不要な条件を混ぜる誤り)。
- まとめ: 保証人への履行請求に、賃貸借契約の解除は要件ではない。
あなたはツバサ。6月、森さんの父(連帯保証人)が「検索の抗弁を主張したい」と言ってきた。連帯保証人について正しいのは、次にすべきことは何か。
正解: 2. 連帯保証人には催告の抗弁・検索の抗弁のいずれも認められない
- ① × 誤り。連帯保証人には検索の抗弁は認められない(民法454条)。
- ② ○ 正しい。連帯保証人には、催告の抗弁(452条)・検索の抗弁(453条)のいずれも適用されない(454条)。
- ③ × 誤り。極度額の超過とは関係なく、連帯保証である時点でこれらの抗弁は認められない。
- ④ × 誤り。連帯保証人一般(保証会社に限らない)に抗弁が認められない。
- 条文: 民法454条「連帯保証人には、第四百五十二条及び第四百五十三条の規定を適用しない。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(連帯保証人にも抗弁が認められるとする誤り)。
- まとめ: 連帯保証人には催告・検索の抗弁がない。
あなたはツバサ。10月、森さんが退去し、明渡しが完了した。原状回復の負担分があった場合の敷金の扱いは、次にすべきことは何か。
正解: 1. 敷金の額から負担分を控除した残額を返還する
- ① ○ 正しい。受け取った敷金の額から、賃貸借に基づいて生じた賃借人の金銭債務(原状回復費用を含む)の額を控除した残額を返還する(民法622条の2第1項柱書)。
- ② × 誤り。全額返還してから別途請求する規定ではなく、控除した残額を返還する仕組みである。
- ③ × 誤り。原状回復費用も賃貸借に基づいて生じる金銭債務にあたり、敷金から充当できる。
- ④ × 誤り。負担分を超える残額があれば返還しなければならない。
- 条文: 民法622条の2第1項柱書「…その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。」
- 引っかけ: 要件の付け足し(全額返還後に別途請求する、という条文にない手順を加える誤り)。
- まとめ: 敷金は、負担分を控除した残額を返還する。詳しい原状回復の負担割合は第10話で扱う。