退去と原状回復 ― ガイドラインで精算する
36分45秒この話の舞台
12月
到達目標と条件
目標1通常損耗・経年変化との違いを、条文と数字(敷金68,000円・入居者負担12,400円・返還55,600円)で言える。
| 状況 | 負担 | 根拠 |
|---|---|---|
| 日焼けによる壁紙の変色 | 貸主負担(経年変化) | 民法621条 |
| たばこの焦げ跡 | 借主負担(故意・過失) | 民法621条 |
| 画鋲の穴/釘・ネジの深い穴 | 貸主負担/借主負担 | 原状回復ガイドライン別表1 |
| 結露放置のカビ・シミ/日照の変色 | 借主負担/貸主負担 | 原状回復ガイドライン別表1 |
| クロスの毀損(経過年数内) | 6年で1円の直線で按分(入居時点が起点) | 原状回復ガイドライン |
| 敷金精算 | 68,000円−12,400円=55,600円を返還 | 民法622条の2 |
くわしく(6項目)
- 通常損耗・経年変化は貸主負担、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超える使用による損耗・毀損は借主負担(民法621条)。
- 原状回復とは、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧することをいう(原状回復ガイドライン)。
- 画鋲の穴・家具の設置跡・電気ヤケ・日照による変色は貸主負担。釘やネジの深い穴・結露放置のカビ・冷蔵庫下のサビ(放置)・引越の傷・油汚れ(手入れ不足)は借主負担(原状回復ガイドライン別表1)。
- クロス等は、6年で残存価値が1円になるような直線(または曲線)を想定し、経過年数により負担割合を決める。入居時点ですでに古かった物は、新品からでなく入居時点の残存価値を起点にする。
- 経過年数を超えていても、賃借人が故意・過失により破損し使用不能とした場合は、原状回復費用を負担することがある。
- 敷金は、名目を問わず賃料等の金銭債務を担保するために預かる金銭(民法622条の2第1項)。大野さんの入居者負担は12,400円で、68,000円から差し引いた55,600円を返還する。
目標2補修の単位と、特約の有効性を言える。
| 部位 | 負担単位 | 経過年数の考慮 |
|---|---|---|
| クロス | 原則㎡単位。色合わせなら一面まで | 6年で残存価値1円 |
| フローリング | 原則㎡単位。複数箇所は居室全体 | 部分補修は考慮しない(全体張替えは建物の耐用年数) |
| 畳・襖紙・障子紙 | 1枚単位。複数枚なら枚数分 | 考慮しない(消耗品) |
| 鍵(紛失) | シリンダー交換費用の全額 | 考慮しない |
| ハウスクリーニング | 部位もしくは住戸全体 | 考慮しない |
くわしく(5項目)
- クロスは原則㎡単位。色・模様が合わなければ、毀損箇所を含む一面分までは借主負担としてもやむを得ない。模様合わせ・色合わせ自体の費用は借主負担にしない。
- フローリングは、部分補修なら経過年数を考慮しないが、フローリング全体を張り替える場合は、建物の耐用年数で残存価値1円となる直線を想定する。
- 畳は最低1枚単位、毀損が複数枚なら枚数分。襖紙・障子紙・畳表は消耗品として、経過年数を考慮しない。ハウスクリーニング費用も経過年数を考慮しない。
- 鍵は、紛失した場合に限り、シリンダー交換費用の全額が借主負担。経過年数は考慮しない。
- 特約で借主に通常の原状回復義務を超えた負担を課すには、①特約の必要性があり暴利的でないこと②借主が義務の内容を認識していること③借主が同意の意思表示をしていること、の3要件が必要。ガイドラインには法的拘束力が無く、契約書・特約の内容が優先される。
目標3揉めた時、少額訴訟でどこまでできるかを言える。
| 項目 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 対象額 | 60万円以下の金銭の支払請求 | 368条1項 |
| 回数制限 | 同一の簡易裁判所・同一年に上限あり | 368条1項ただし書 |
| 審理 | 原則1回の期日で完了 | 370条1項 |
| 反訴 | できない | 369条 |
| 通常訴訟への移行 | 被告が申述できる | 373条1項 |
| 不服申立て | 控訴不可。異議の申立てのみ | 377条・378条 |
くわしく(7項目)
- 少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払の請求に限られる(民事訴訟法368条1項)。明渡し請求のような金銭以外の請求は対象にならない。
- 同一の簡易裁判所において同一の年に求められる回数にも上限があり(368条1項ただし書、回数は最高裁判所規則で定める)、訴えの提起の際に少額訴訟を求める申述が必要。
- 少額訴訟は、特別の事情がある場合を除き、最初にすべき口頭弁論の期日において審理を完了する(370条1項)。
- 少額訴訟では、反訴を提起することができない(369条)。
- 被告は、最初の期日で弁論する前などであれば、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる(373条1項)。
- 裁判所は、請求を認容する判決でも、被告の資力その他の事情を考慮し、支払時期の猶予や分割払いの定めをすることができる(375条1項)。
- 少額訴訟の終局判決に対しては控訴をすることができず、同じ裁判所への異議の申立てに限られる(377条・378条)。
覚える数字と条文
| 数字・条文 | 内容 |
|---|---|
| 民法621条 | 賃借人は、受け取った後に生じた損傷(通常の使用・収益による損耗と経年変化を除く)について、賃貸借終了時に原状回復義務を負う。責めに帰することができない事由による損傷は除く。 |
| 原状回復ガイドライン | 原状回復とは、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること。 |
| 原状回復ガイドライン別表1(貸主負担の例) | 画鋲・ピンの穴、テレビ・冷蔵庫の裏の電気ヤケ、家具の設置跡、日照による変色、鍵の取替え(紛失・破損なし)、ハウスクリーニング(通常の清掃をしていた場合)、エアコンの内部洗浄(喫煙等の臭いが無い場合)。 |
| 原状回復ガイドライン別表1(借主負担の例) | 重い物をかける釘・ネジの穴(下地ボードの張替えが要る程度)、結露を放置してできたカビ・シミ、拭かずに放置した冷蔵庫下のサビ、引越作業の傷、台所の油汚れ(手入れ不足)。 |
| 経過年数を超えた設備等でも、賃借人が故意・過失により破損し使用不能にした場合、本来機能していた状態まで戻す費用は借主負担になることがある(落書きの例)。 | |
| クロス・カーペット・クッションフロアは、6年で残存価値1円となる直線(または曲線)を想定し、経過年数により負担割合を決める。入居時点ですでに古かった物は、新品からでなく入居時点の残存価値を起点に直線を引く。 | |
| 襖紙・障子紙・畳表は消耗品として扱われ、経過年数を考慮しない。ハウスクリーニング費用も経過年数を考慮しない。 | |
| フローリングは原則㎡単位で経過年数を考慮しないが、フローリング全体を張り替える場合は建物の耐用年数で1円直線を想定する。 | |
| クロスの補修単位は原則㎡単位。色・模様が合わなければ、毀損箇所を含む一面分までは借主負担としてもやむを得ないが、模様合わせ・色合わせ自体の費用は借主負担にしない。 | |
| 喫煙で居室全体にヤニ・臭いが付着した場合に限り、居室全体のクリーニングまたは張替え費用を借主負担にできる。一部にとどまる場合は対象外。 | |
| 鍵は紛失した場合に限り、シリンダー交換費用の全額が借主負担。経過年数は考慮しない。 | |
| 特約で借主に通常の原状回復義務を超えた負担を課すには、①必要性があり暴利的でないこと②借主が義務の内容を認識していること③借主が同意の意思表示をしていること、の3要件が必要(最高裁判例H17.12.16)。原状回復ガイドラインには法的拘束力はなく、契約書・特約の内容が優先される。 | |
| ペットの飼育による柱・クロス等のキズや臭いは、承諾の有無にかかわらず借主負担になり得る。無断飼育はそれとは別に契約違反(用法違反)になる。 | |
| 戸建賃貸住宅の庭に生い茂った雑草の原状回復費用は借主負担とされる。 | |
| 民法622条の2第1項 | 敷金とは、名目を問わず、賃料債務その他賃貸借に基づいて生ずる金銭債務を担保する目的で賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。賃貸借が終了しかつ賃貸物の返還を受けたとき、または賃借人が適法に賃借権を譲渡したときに、債務額を控除した残額を返還する。 |
| 民法622条の2第2項 | 貸主は敷金を債務の弁済に充てることができるが、借主から敷金を債務の弁済に充てるよう請求することはできない。 |
| 賃貸住宅標準契約書第15条 | 賃借人は、通常の使用に伴う損耗と経年変化を除き、原状回復しなければならない。責めに帰することができない事由による損傷は除く。負担の考え方は別表にまとめられている。 |
| 民事訴訟法368条1項 | 少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えに限られる。同項ただし書:同一の簡易裁判所において同一の年に最高裁判所規則で定める回数を超えて求めることはできない。3項:少額訴訟を求める旨の申述は訴えの提起の際にしなければならない。 |
| 民事訴訟法369条 | 少額訴訟では反訴を提起することができない。 |
| 民事訴訟法370条1項 | 少額訴訟は、特別の事情がある場合を除き、最初の期日で審理を完了する。 |
| 民事訴訟法373条1項 | 被告は、最初の期日で弁論する前などであれば、通常の手続に移行させる旨の申述ができる。 |
| 民事訴訟法375条1項 | 裁判所は、認容判決でも、被告の事情を考慮し、支払時期の猶予・分割払いの定めができる。 |
| 民事訴訟法377条 | 少額訴訟の終局判決には控訴できない。378条により、同じ裁判所への異議の申立てに限られる。 |
実務の流れ→ 横にスクロール
ひっかけ 20件
- 「特約が無ければ借主は何も負担しない」という誤り(故意の損傷は特約が無くても借主負担になる、民法621条)。
- 「経過年数を超えたら免責される」という誤り(故意・過失で破損し使用不能にした場合は負担することがある)。
- 落書きの負担を「残存価値の1円にとどまる」と誤解する誤り(本来機能していた状態まで戻す費用を全額負担することがある)。
- 襖紙やクッションフロアの経過年数の扱いを、クロスの「6年で1円」と混同する誤り(襖紙・畳は経過年数を考慮しない、クッションフロアはクロスと同じく考慮する)。
- 「フローリングの毀損は常に経過年数を考慮しない」と思い込む誤り(フローリング床全体を張り替える場合は建物の耐用年数で考慮する)。
- 「模様合わせ・色合わせの費用も借主負担」という誤り(模様合わせ・色合わせ自体の費用は借主負担にしない)。
- 「タバコのヤニが一部でも居室全体を借主負担にできる」という誤り(居室全体に付着した場合に限られる)。
- 「畳の毀損が複数枚なら居室全体が借主負担」という誤り(その枚数分が負担で、居室全体ではない)。
- 「鍵も年数が経てば安くなる」という誤り(鍵の紛失は経過年数を考慮せず全額)。
- 「入居時点の設備の価値は貸主・管理業者が決める」という誤り(契約当事者が協議して決めるのが適当とされる)。
- 「クロスの残存価値は常に新品を起点に数える」という誤り(入居時点ですでに古かった場合は、入居時点の残存価値が起点になる)。
- 「損耗が拡大した部分は全額借主負担」と決めつける誤り(善管注意義務違反等の検討が必要で、常に全額とは限らない)。
- 「ガイドラインと異なる特約は当然に無効」という誤り(3要件を満たせば異なる内容の特約も有効になり得る)。
- 「ペットの臭いは無断飼育の場合だけ借主負担」という誤り(承諾があっても借主負担になり得る。無断はさらに別の契約違反)。
- 「画鋲の穴も釘・ネジの穴も同じ扱い」という誤り(画鋲は貸主負担、下地ボードの張替えが要るほど深い釘・ネジの穴は借主負担)。
- 「少額訴訟なら明渡しも請求できる」という誤り(少額訴訟は金銭の支払請求に限られる)。
- 「少額訴訟は途中で和解できない」という誤り(和解による解決は妨げられない)。
- 「少額訴訟の判決に不服なら控訴すればよい」という誤り(控訴はできず、同じ裁判所への異議に限られる)。
- 「少額訴訟は何度でも同じ簡易裁判所に求められる」という誤り(同一年・同一の簡易裁判所での回数には上限がある)。
- 「敷金は明渡し前でも先に控除して返せる」という誤り(返還義務は明渡しを受けた後に生じる、民法622条の2)。
到達目標(教科書)
目標1通常損耗・経年変化との違いを、条文と数字(敷金68,000円・入居者負担12,400円・返還55,600円)で言える。
| 状況 | 負担 | 根拠 |
|---|---|---|
| 日焼けによる壁紙の変色 | 貸主負担(経年変化) | 民法621条 |
| たばこの焦げ跡 | 借主負担(故意・過失) | 民法621条 |
| 画鋲の穴/釘・ネジの深い穴 | 貸主負担/借主負担 | 原状回復ガイドライン別表1 |
| 結露放置のカビ・シミ/日照の変色 | 借主負担/貸主負担 | 原状回復ガイドライン別表1 |
| クロスの毀損(経過年数内) | 6年で1円の直線で按分(入居時点が起点) | 原状回復ガイドライン |
| 敷金精算 | 68,000円−12,400円=55,600円を返還 | 民法622条の2 |
- 通常損耗・経年変化は貸主負担、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超える使用による損耗・毀損は借主負担(民法621条)。
- 原状回復とは、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧することをいう(原状回復ガイドライン)。
- 画鋲の穴・家具の設置跡・電気ヤケ・日照による変色は貸主負担。釘やネジの深い穴・結露放置のカビ・冷蔵庫下のサビ(放置)・引越の傷・油汚れ(手入れ不足)は借主負担(原状回復ガイドライン別表1)。
- クロス等は、6年で残存価値が1円になるような直線(または曲線)を想定し、経過年数により負担割合を決める。入居時点ですでに古かった物は、新品からでなく入居時点の残存価値を起点にする。
- 経過年数を超えていても、賃借人が故意・過失により破損し使用不能とした場合は、原状回復費用を負担することがある。
- 敷金は、名目を問わず賃料等の金銭債務を担保するために預かる金銭(民法622条の2第1項)。大野さんの入居者負担は12,400円で、68,000円から差し引いた55,600円を返還する。
目標2補修の単位と、特約の有効性を言える。
| 部位 | 負担単位 | 経過年数の考慮 |
|---|---|---|
| クロス | 原則㎡単位。色合わせなら一面まで | 6年で残存価値1円 |
| フローリング | 原則㎡単位。複数箇所は居室全体 | 部分補修は考慮しない(全体張替えは建物の耐用年数) |
| 畳・襖紙・障子紙 | 1枚単位。複数枚なら枚数分 | 考慮しない(消耗品) |
| 鍵(紛失) | シリンダー交換費用の全額 | 考慮しない |
| ハウスクリーニング | 部位もしくは住戸全体 | 考慮しない |
- クロスは原則㎡単位。色・模様が合わなければ、毀損箇所を含む一面分までは借主負担としてもやむを得ない。模様合わせ・色合わせ自体の費用は借主負担にしない。
- フローリングは、部分補修なら経過年数を考慮しないが、フローリング全体を張り替える場合は、建物の耐用年数で残存価値1円となる直線を想定する。
- 畳は最低1枚単位、毀損が複数枚なら枚数分。襖紙・障子紙・畳表は消耗品として、経過年数を考慮しない。ハウスクリーニング費用も経過年数を考慮しない。
- 鍵は、紛失した場合に限り、シリンダー交換費用の全額が借主負担。経過年数は考慮しない。
- 特約で借主に通常の原状回復義務を超えた負担を課すには、①特約の必要性があり暴利的でないこと②借主が義務の内容を認識していること③借主が同意の意思表示をしていること、の3要件が必要。ガイドラインには法的拘束力が無く、契約書・特約の内容が優先される。
目標3揉めた時、少額訴訟でどこまでできるかを言える。
| 項目 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 対象額 | 60万円以下の金銭の支払請求 | 368条1項 |
| 回数制限 | 同一の簡易裁判所・同一年に上限あり | 368条1項ただし書 |
| 審理 | 原則1回の期日で完了 | 370条1項 |
| 反訴 | できない | 369条 |
| 通常訴訟への移行 | 被告が申述できる | 373条1項 |
| 不服申立て | 控訴不可。異議の申立てのみ | 377条・378条 |
- 少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払の請求に限られる(民事訴訟法368条1項)。明渡し請求のような金銭以外の請求は対象にならない。
- 同一の簡易裁判所において同一の年に求められる回数にも上限があり(368条1項ただし書、回数は最高裁判所規則で定める)、訴えの提起の際に少額訴訟を求める申述が必要。
- 少額訴訟は、特別の事情がある場合を除き、最初にすべき口頭弁論の期日において審理を完了する(370条1項)。
- 少額訴訟では、反訴を提起することができない(369条)。
- 被告は、最初の期日で弁論する前などであれば、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる(373条1項)。
- 裁判所は、請求を認容する判決でも、被告の資力その他の事情を考慮し、支払時期の猶予や分割払いの定めをすることができる(375条1項)。
- 少額訴訟の終局判決に対しては控訴をすることができず、同じ裁判所への異議の申立てに限られる(377条・378条)。
あなたはツバサ。ドアくんから「善管注意義務って何ですか?」と聞かれた。最も適切な説明はどれか。
正解: 2. 善良な管理者として、取引上一般に要求される程度の注意を払って使用する義務
- ① × 誤り。自分の物と「同程度」でよいのは自己の財産に対する注意義務(別の概念)であり、善管注意義務はより高い水準が求められる。
- ② ○ 正しい。善管注意義務は、善良な管理者として取引上一般に要求される程度の注意を払う義務をいう。
- ③ × 誤り。貸主の指示に限られるものではない。
- ④ × 誤り。何も注意しなくてよいわけではない。
- 条文: 民法400条「債権の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、その引渡しをするまで、契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして定まる善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない」
- 引っかけ: 「自分の物と同じ程度」(自己の財産に対する注意義務)と善管注意義務を混同する型。
- まとめ: 善管注意義務は、取引上一般に要求される程度の注意を払う義務。
原状回復ガイドラインに関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
正解: 2. フローリングの毀損箇所が一箇所のときは、居室全体の張り替え費用を借主の負担とすることはできない。
- ① × 誤り。色・模様が合わない場合でも、借主負担としてやむを得ないのは毀損箇所を含む一面分までで、居室全体ではない。
- ② ○ 正しい。フローリングは原則㎡単位で、毀損箇所が一箇所なら居室全体の張り替え費用を借主負担とすることはできない。
- ③ × 誤り。畳の色合わせで居室の枚数分の施工が必要でも、借主の負担は毀損した枚数分にとどまる。
- ④ × 誤り。鍵の紛失は経過年数を考慮せず、交換費用相当分を全額借主負担とする。
- 条文: 原状回復ガイドライン別表2「(フローリング)毀損等が複数箇所にわたる場合は当該居室全体」(一箇所なら原則㎡単位にとどまる)
- 引っかけ: 借主負担の範囲を「一面まで」「その枚数分」から「居室全体」へ広げすぎる型。
- まとめ: 借主負担は原則、毀損した部分・枚数に限られる。居室全体になるのは要件を満たす場合に限られる。
あなたはツバサ。畳1枚が毀損し、色合わせのため居室の畳全部を表替えすることになった。借主の負担はどこまでか。
正解: 2. 毀損した1枚分(枚数分)にとどまる
- ① × 誤り。施工上は居室全体分の工事が必要でも、借主の負担は毀損した枚数分にとどまる。
- ② ○ 正しい。畳は原則1枚単位、複数枚の毀損ならその枚数分が借主負担になる。
- ③ × 誤り。半分という規定はない。
- ④ × 誤り。毀損している以上、負担は発生する。
- 条文: 原状回復ガイドライン別表2「畳:原則1枚単位。毀損等が複数枚にわたる場合は、その枚数(裏返しか表替えかは毀損の程度による)」
- 引っかけ: 施工単位(居室全体)と負担単位(枚数分)を混同する型。
- まとめ: 畳の借主負担は、施工が居室全体に及んでも、毀損した枚数分にとどまる。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(国土交通省平成23年8月。以下、各問において「原状回復ガイドライン」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。ア 原状回復ガイドラインによれば、賃借人の過失による壁(クロス)の毀損部分の補修費用は㎡単位で賃借人の負担となり、毀損箇所を含む一面分を賃借人の負担とすることはできない。イ 原状回復ガイドラインによれば、賃借人の喫煙により居室全体にタバコのヤニや臭いが付着した場合、当該居室全体のクリーニング費用を賃借人負担とすることはできるが、当該居室全体の壁(クロス)の張替え費用を賃借人負担とすることはできない。ウ 原状回復ガイドラインによれば、賃借人の過失による襖の毀損部分の補修費用は㎡単位で賃借人の負担となり、毀損箇所を含む一枚分を賃借人負担とすることはできない。エ 原状回復ガイドラインによれば、賃借人の過失によるフローリングの毀損部分の補修費用は原則㎡単位で賃借人の負担となるが、フローリングの毀損が複数箇所にわたる場合は居室全体分の補修費用を賃借人の負担とすることができる。
正解: 1. 1つ
- ① × 誤り。アは誤り。クロスは、毀損箇所を含む一面分までは借主負担としてもやむを得ないとされる。
- ② × 誤り。イは誤り。居室全体にヤニ・臭いが付着した場合は、クリーニングだけでなくクロスの張替え費用も居室全体分を借主負担にできる。
- ③ × 誤り。ウは誤り。襖は㎡単位ではなく、最低1枚単位で負担する。
- ④ ○ 正しい。エは正しい。フローリングは原則㎡単位だが、毀損が複数箇所にわたる場合は居室全体分を借主負担にできる。
- 条文: 原状回復ガイドライン別表2「壁(クロス):㎡単位が望ましいが、賃借人が毀損させた箇所を含む一面分までは張替え費用を賃借人負担としてもやむをえないとする」
- 条文: 原状回復ガイドライン別表2「建具(襖):最低1枚単位」
- 引っかけ: 部位ごとに違う負担単位(クロスは一面まで・襖は1枚単位・フローリングは複数箇所なら全体)を入れ替える型。
- まとめ: 正しいのはエだけ。クロスは一面まで、居室全体のヤニは張替えも対象、襖は1枚単位。
あなたはツバサ。104号室の大野さんから、来月末での解約の連絡があった。契約書では解約予告は1か月前とされている。今日通知を受けた場合、何を確認すればよいか。
正解: 2. 1か月前の予告期間を満たしているかを確認する
- ① × 誤り。今日通知があった時点で1か月以上先の解約であれば、予告期間は満たしている。
- ② ○ 正しい。契約書所定の予告期間(1か月前)を満たしているかを確認するのが最初の実務。
- ③ × 誤り。更新月にあたるかどうかは、更新料の要否等に関わるため確認事項である。
- ④ × 誤り。解約予告の方式は契約書の定めによる。書面が絶対条件とは限らない。
- 条文: 民法618条「当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても、その一方又は双方がその期間内に解約をする権利を留保したときは、前条の規定を準用する」
- ※ 前条(617条)は期間の定めのない賃貸借の解約申入れの規定。契約で解約権を留保した場合の具体的な予告期間(1か月等)は、各契約の定めによる。
- 引っかけ: 予告期間の起算日を曖昧にする型。
- まとめ: 解約予告の期間は契約書の定めによる(法律上一律の期間があるわけではない)。まず契約書を確認する。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(国土交通省平成23年8月。以下、各問において「原状回復ガイドライン」という。)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解: 4. 賃貸借契約書に借主の帰責事由に基づく汚損を修復する費用について借主負担とする旨の定めがない場合であっても、借主がクロスに行った落書きを消すための費用は借主の負担となる。
- ① × 誤り。通常の清掃を怠った場合のクリーニング費用は、特約が無くても借主負担になり得る(原状回復ガイドライン別表2)。
- ② × 誤り。特約が無くても、過失による毀損の補修費用は経過年数を考慮して算定するのが原則(6年で1円等の考え方)。
- ③ × 誤り。全額借主負担の特約があっても、通常損耗まで当然に負担させられるわけではなく、特約の有効性の3要件を満たす必要がある。
- ④ ○ 正しい。落書きは賃借人の故意による毀損であり、特約が無くても借主負担になる。
- 条文: 民法621条「賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う」
- ※ 特約の有無にかかわらず、故意の損傷は借主負担になる。これは特約の有効性の3要件とは別の話。
- 引っかけ: 「特約が無い=借主は何も負担しない」という思い込み。
- まとめ: 通常損耗・経年変化は特約が無ければ貸主負担、故意の損傷は特約が無くても借主負担。
あなたはツバサ。退去立会いで、入居時の写真20か所と現状を見比べている。この作業の目的として、最も適切なものはどれか。
正解: 2. 通常損耗・経年変化と、故意・過失による損耗を見分ける材料を残すため
- ① × 誤り。立会いは疑うためではなく、負担区分の判断材料を残すための実務である。
- ② ○ 正しい。入居時との比較は、通常損耗・経年変化(貸主負担)と故意・過失(借主負担)を見分ける材料になる。
- ③ × 誤り。写真の有無と敷金の返還義務は別問題で、敷金は原則返還されるべきものである。
- ④ × 誤り。業者への支払額とは無関係な目的である。
- 条文: 民法621条「賃借人は…その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない」
- 引っかけ: 立会いの目的を「疑う」「一切返さない」など極端な話にすり替える型。
- まとめ: 退去立会いは、621条の負担区分(通常損耗・経年変化か、故意・過失か)をあとで揉めないように確認する実務。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)」(国土交通省住宅局平成23年8月。以下、各問において「原状回復ガイドライン」という。)に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。ア 借主の負担は、建物、設備等の経過年数を考慮して決定するものとし、経過年数による減価割合は、償却年数経過後の残存価値が10%となるようにして算定する。イ 中古物件の賃貸借契約であって、入居直前に設備等の交換を行っていない場合、入居時点の設備等の価値は、貸主又は管理業者が決定する。ウ 借主が通常の住まい方をしていても発生する損耗であっても、その後の借主の管理が悪く、損耗が拡大したと考えられるものは、借主が原状回復費用を全額負担する。エ 経過年数を超えた設備等であっても、継続して賃貸住宅の設備等として使用可能なものを借主が故意又は過失により破損した場合、借主は新品に交換する費用を負担する。
正解: 1. なし
- ① × 誤り。アは古い制度の説明。平成19年の税制改正後は、残存価値10%ではなく1円になるように算定する。
- ② × 誤り。イは誤り。入居時点の設備等の価値は、契約当事者(貸主・借主)が確認のうえ協議して決めることが適当とされ、貸主・管理業者だけで決めるものではない。
- ③ × 誤り。ウは誤り。損耗が拡大した部分について善管注意義務違反等の検討が必要になるだけで、常に「全額」負担になるとは限らない。
- ④ × 誤り。エは誤り。負担するのは本来機能していた状態まで戻す費用であり、必ずしも新品への交換費用とは限らない。
- 条文: 原状回復ガイドライン「(平成19年の税制改正によって残存価値が廃止され)耐用年数経過時に残存簿価1円まで償却できるようになったことを踏まえ…6年で残存価値1円となるような直線(または曲線)を描いて…賃借人の負担を決定する」
- 条文: 原状回復ガイドライン「入居時点の状態でグラフの出発点をどこにするかは、契約当事者が確認のうえ、予め協議して決定することが適当である」
- ※ アは正しく見えるが「残存価値10%」が古い制度の数字である点に注意。
- 引っかけ: 「経過年数の考慮=10%」という古い制度の数字を、現行の「1円」にすり替える型。
- まとめ: 現行の原状回復ガイドラインは、残存価値1円までの直線・曲線で負担割合を決め、入居時点の価値は契約当事者の協議で決める。
あなたはツバサ。クロスの一部にキズが付いた。色や模様が合わないため、隣接する面まで張り替えることになった。借主負担の範囲はどこまでか。
正解: 1. キズの部分のみ(㎡単位)が原則だが、色・模様が合わなければ毀損箇所を含む一面分までは借主負担としてもやむを得ない
- ① ○ 正しい。原則は㎡単位だが、色・模様が合わない場合は毀損箇所を含む一面分までは借主負担としてもやむを得ない。
- ② × 誤り。居室全体まで広げる規定ではない。
- ③ × 誤り。隣室は関係ない。
- ④ × 誤り。借主に故意・過失があれば負担は発生する。
- 条文: 原状回復ガイドライン別表2「壁(クロス):㎡単位が望ましいが、賃借人が毀損させた箇所を含む一面分までは張替え費用を賃借人負担としてもやむをえないとする」
- 引っかけ: 「一面まで」を「居室全体」へ広げすぎる型。
- まとめ: クロスの借主負担は原則㎡単位、色合わせの事情があっても一面分が上限。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)」(国土交通省住宅局平成23年8月。以下、各問において「原状回復ガイドライン」という。)に関する次の記述のうち、不適切なものの組合せはどれか。ア 原状回復ガイドラインによれば、賃借人が天井に直接つけた照明器具のビス穴の跡の原状回復費用は、賃借人の負担とはならない。イ 原状回復ガイドラインによれば、飼育ペットによる臭いの原状回復費用は、無断飼育の場合を除き、賃借人の負担とはならない。ウ 原状回復ガイドラインによれば、賃借人が設置した家具によるカーペットのへこみや設置跡の原状回復費用は、賃借人の負担とはならない。エ 原状回復ガイドラインによれば、台所、トイレの消毒の費用は、賃借人の負担とはならない。
正解: 1. ア、イ
- ① × 誤り。アが不適切。あらかじめ設置された照明器具用コンセントを使用せず天井に直接つけた照明器具の跡は、通常の使用による損耗を超えると判断されることが多く、賃借人負担になり得る。
- ② × 誤り。イが不適切。ペットによる傷・臭いは、無断飼育の場合に限らず、承諾があっても賃借人負担と判断される場合が多い(無断飼育は別に用法違反にあたる)。
- ③ ○ 正しい。ウは適切。家具の設置による設置跡・へこみは、家具保有の必然性から通常の使用による損耗ととらえ、賃貸人負担とすることが妥当とされる。
- ④ ○ 正しい。エは適切。台所・トイレの消毒は、日常の清掃と異なり賃借人の管理の範囲を超えるため、賃貸人負担とすることが妥当とされる。
- 条文: 原状回復ガイドライン「天井に直接つけた照明器具の跡…あらかじめ設置された照明器具用コンセントを使用しなかった場合には、通常の使用による損耗を超えると判断されることが多いと考えられる」
- 条文: 原状回復ガイドライン「ペットにより柱、クロス等にキズが付いたり臭いが付着している場合は賃借人負担と判断される場合が多い…なお、賃貸物件でのペットの飼育が禁じられている場合は、用法違反にあたるものと考えられる」
- ※ アイは、いずれも「賃借人の負担とはならない」と言い切っている点が不適切の急所。
- 引っかけ: 「無断の場合だけ借主負担」「あらかじめ用意された設備を使わなかった場合まで貸主負担」という、条件の見落とし型。
- まとめ: ビス穴の跡・ペットの臭いは、いずれも原則借主負担。家具の設置跡・消毒費用は貸主負担。
あなたはツバサ。少額訴訟で訴えられた被告が、通常の訴訟で争いたいと考えている。できるか。
正解: 2. できる。被告は、最初の期日で弁論する前などであれば、通常の手続に移行させる旨の申述ができる
- ① × 誤り。被告にも移行の申述権がある。
- ② ○ 正しい。被告は、最初の期日で弁論する前などであれば、通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。
- ③ × 誤り。裁判所の許可は不要で、被告の申述により当然に移行する。
- ④ × 誤り。被告からの移行は認められている。
- 条文: 民事訴訟法373条1項「被告は、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。ただし、被告が最初にすべき口頭弁論の期日において弁論をし、又はその期日が終了した後は、この限りでない」
- 引っかけ: 「一度少額訴訟を選んだら変更できない」という思い込み。
- まとめ: 被告は、一定の時期までであれば、通常の手続への移行を申述できる。
原状回復ガイドラインに関する次の記述のうち、不適切なものはいくつあるか。ア 賃借人が6年間入居後、退去の際に壁クロスに落書きを行った場合、賃借人の負担は残存価値の1円となる。イ 賃借人の過失により襖紙の張り替えが必要となった場合、6年で残存価値1円となるような直線を想定し、負担割合を算定する。ウ 賃借人の過失によりフローリング床全体の張り替えが必要となった場合、経年変化を考慮せず、賃借人の負担となる。エ 賃借人の過失によりクッションフロアの交換が必要になった場合、経年変化を考慮せず、賃借人の負担となる。
正解: 4. 4つ
- ① × 誤り。アは誤り。経過年数を超えていても、故意の落書きを消す費用は、残存価値の1円にとどまらず借主負担になる。
- ② × 誤り。イは誤り。襖紙は消耗品であり、6年の直線ではなく、経過年数を考慮しない。
- ③ × 誤り。ウは誤り。フローリング床全体を張り替える場合は、建物の耐用年数で残存価値1円になる直線を想定し、経年変化を考慮する。
- ④ × 誤り。エは誤り。クッションフロアは、クロスと同じく6年で残存価値1円になる直線を想定し、経年変化を考慮する。
- 条文: 原状回復ガイドライン「経過年数を超えた設備等であっても…賃借人が故意・過失により設備等を破損し、使用不能としてしまった場合には…本来機能していた状態まで戻す…費用については、賃借人の負担となることがある」
- 条文: 原状回復ガイドライン「(カーペットの場合)6年で残存価値1円となるような直線(または曲線)を描いて経過年数により賃借人の負担を決定する」
- ※ 経過年数を考慮する物(クロス・カーペット・クッションフロア)と、考慮しない物(襖紙・畳)がある。
- 引っかけ: 経過年数を考慮する物・しない物を入れ替える型、故意の損傷を「経過年数どおり安くなる」と誤認させる型。
- まとめ: 落書きなど故意の損傷は経過年数を考慮せず全額負担、通常の劣化型損耗(クロス・カーペット等)は6年で1円の直線で按分。
あなたはツバサ。同じ簡易裁判所で、今年すでに何度も少額訴訟を利用した貸主から、また少額訴訟を起こしたいと相談された。制度上の注意点はどれか。
正解: 2. 同一の簡易裁判所において同一の年に求められる回数には、最高裁判所規則で定める上限がある
- ① × 誤り。回数には上限がある。
- ② ○ 正しい。同一の簡易裁判所において同一の年に少額訴訟による審理及び裁判を求められる回数は、10回までという上限がある(民事訴訟規則223条)。
- ③ × 誤り。上限は年10回であり、1回だけとは限らない。
- ④ × 誤り。貸主・借主で回数の扱いが異なるという規定ではない。
- 条文: 民事訴訟法368条1項ただし書「ただし、同一の簡易裁判所において同一の年に最高裁判所規則で定める回数を超えてこれを求めることができない」
- 条文: 民事訴訟規則223条「法第三百六十八条第一項ただし書の最高裁判所規則で定める回数は、十回とする」
- 引っかけ: 「少額訴訟は何度でも使える」という思い込みで、回数制限を見落とす型。
- まとめ: 少額訴訟には、同一の簡易裁判所・同一年について年10回という回数の上限がある(民事訴訟規則223条)。
原状回復ガイドラインにおける借主の負担に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
正解: 4. 鍵は、紛失した場合に限り、シリンダーの交換費用を借主の負担とする。
- ① × 誤り。模様合わせ・色合わせの費用は、借主の負担とはしない(貸主負担)。
- ② × 誤り。ヤニや臭いが居室全体に付着した場合に限り、居室全体の負担とすることが妥当とされる。一部の変色にとどまる場合は対象外。
- ③ × 誤り。畳の毀損が複数枚にわたる場合は、その枚数分が負担であり、居室全体ではない。
- ④ ○ 正しい。鍵は紛失した場合に限り、シリンダー交換費用が借主負担となる(経過年数は考慮しない)。
- 条文: 原状回復ガイドライン別表2「いわゆる模様あわせ、色あわせについては、賃借人の負担とはしない」
- 条文: 原状回復ガイドライン別表2「鍵:紛失の場合はシリンダーの交換」
- ※ 色合わせ・模様合わせの費用は貸主負担、居室全体の負担は「全体に」ヤニ等が及んだ場合に限られる。
- 引っかけ: 「一部の変色でも全体負担」「模様合わせも借主負担」というように、範囲を広げすぎる型。
- まとめ: 借主負担の範囲は原則、毀損した部分・枚数に限られ、鍵は紛失時のみ全額。
あなたはツバサ。ドアくんから「原状回復って、汚れた分を全部きれいにすることですよね」と聞かれた。正しい説明はどれか。
正解: 2. 違う。通常の使用を超える損耗・毀損を復旧することで、通常損耗・経年変化は含まない
- ① × 誤り。発生した損耗を「全部」復旧するのではない。
- ② ○ 正しい。原状回復とは、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、通常の使用を超える使用による損耗・毀損を復旧することで、通常損耗・経年変化は除かれる。
- ③ × 誤り。経年変化は原状回復の対象に含まれない。
- ④ × 誤り。原状回復は、要件を満たす限り賃借人の義務である(民法621条)。
- 条文: 原状回復ガイドライン「原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」
- 引っかけ: 「原状回復=入居前に戻す」という素朴なイメージのまま定義を誤解する型。
- まとめ: 原状回復は通常損耗・経年変化を除いた、故意・過失等による損耗の復旧に限られる。
あなたはツバサ。クロスの毀損について、経過年数をどのように考慮するか。
正解: 1. 6年で残存価値が1円になるような直線(または曲線)を想定して負担割合を決める
- ① ○ 正しい。クロスは6年で残存価値1円になる直線(または曲線)を想定して負担割合を決める。
- ② × 誤り。残存価値10%は平成19年の税制改正前の古い考え方。
- ③ × 誤り。クロスは経過年数を考慮する対象である。
- ④ × 誤り。一律10%ずつという規定はない。
- 条文: 原状回復ガイドライン「6年で残存価値1円となるような直線(または曲線)を描いて経過年数により賃借人の負担を決定する」
- 引っかけ: 現行の「1円」と旧制度の「10%」を混同する型。
- まとめ: クロス等は6年で残存価値1円になる直線・曲線で負担割合を決める。
賃貸住宅における原状回復に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正解: 1. 賃貸人が敷金100万円から原状回復費用として70万円を控除して賃借人に敷金を返還した場合において、賃借人の故意・過失による損耗・毀損がないときは、賃借人は、敷金全額分の返還を受けるため、少額訴訟を提起することができる。
- ① × 誤り。最も不適切。敷金100万円(争いのある額70万円)は60万円を超えており、少額訴訟の対象(60万円以下の金銭の支払請求)にならない。
- ② ○ 正しい。原状回復ガイドラインには、契約書に添付する原状回復の条件に関する様式(別表3)が示されている。
- ③ ○ 正しい。原状回復ガイドラインには、精算明細等に関する様式(別表4・5)が示されている。
- ④ ○ 正しい。民法621条の内容と一致する。
- 条文: 民事訴訟法368条1項「簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が六十万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる」
- 条文: 民法621条「賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う」
- 引っかけ: 金額の大きさを見落とし、少額訴訟の対象額(60万円以下)を確認しない型。
- まとめ: 少額訴訟は60万円以下の金銭請求に限られる。ガイドラインには様式や精算明細の様式も示されている。
原状回復ガイドラインに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解: 2. 原状回復ガイドラインによれば、賃借人が通常の清掃を実施していない場合、住戸全体の清掃費用相当分の全額が賃借人の負担となることがある。
- ① × 誤り。原状回復の定義には「賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による」という限定が付く。単なる「発生した損耗・毀損」ではない。
- ② ○ 正しい。清掃を実施していない場合、部位もしくは住戸全体の清掃費用相当分を全額借主負担とすることがある。
- ③ × 誤り。畳表は消耗品であり、6年の直線ではなく経過年数を考慮しない。
- ④ × 誤り。戸建賃貸住宅の庭の雑草の原状回復費用は、賃借人の負担となるものとして例示されている。
- 条文: 原状回復ガイドライン「原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」
- 条文: 原状回復ガイドライン別表2「クリーニング…賃借人負担となるのは、通常の清掃を実施していない場合で、部位もしくは住戸全体の清掃費用相当分を全額賃借人負担とする」
- 引っかけ: 定義から限定句(「故意・過失、善管注意義務違反…」)を落とす型、対象物の経過年数の扱いを入れ替える型。
- まとめ: 原状回復の定義には限定句がある。清掃を怠れば住戸全体分を全額負担することもあり、雑草は借主負担。
賃貸住宅における原状回復に係る少額訴訟に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。ア 少額訴訟では、裁判所は、原告の主張を認める場合でも、支払猶予の判決を言い渡すことができる。イ 賃貸人から請求された原状回復費用50万円を賃借人が支払わず立ち退きもしない場合、賃貸人は、少額訴訟により、50万円の支払及び明渡しを請求することができる。ウ 少額訴訟では、1回の審理で判決が言い渡され、訴訟の途中で和解による解決はできない。エ 少額訴訟の判決に対して不服がある場合は、地方裁判所に控訴することができる。
正解: 1. 1つ
- ① ○ 正しい。裁判所は、認容判決でも、被告の資力その他の事情を考慮し、支払時期の猶予や分割払いの定めができる。
- ② × 誤り。少額訴訟の対象は60万円以下の金銭の支払請求に限られ、明渡し請求は対象にならない。
- ③ × 誤り。少額訴訟でも、途中で和解によって解決することは妨げられない。
- ④ × 誤り。少額訴訟の終局判決に控訴はできず、同じ裁判所への異議の申立てに限られる。
- 条文: 民事訴訟法375条1項「裁判所は、請求を認容する判決をする場合において、被告の資力その他の事情を考慮して特に必要があると認めるときは…その時期の定め若しくは分割払の定めをすることができる」
- 条文: 民事訴訟法368条1項「簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が六十万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる」
- ※ 明渡し請求は金銭の支払を目的とする請求ではないため、少額訴訟にはなじまない。
- 引っかけ: 「1回の審理で終わる=和解もできない」「不服なら控訴」という思い込み。
- まとめ: 少額訴訟は60万円以下の金銭請求のみが対象、和解はでき、判決への不服は控訴でなく異議。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(国土交通省平成23年8月。以下、各問において「原状回復ガイドライン」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。ア 原状回復ガイドラインによれば、賃借人所有のエアコンの設置によって生じた壁のビス穴の跡の原状回復費用は、賃借人の負担とはならない。イ 原状回復ガイドラインによれば、喫煙によりクロスに付着したタバコの臭いの原状回復費用は、賃借人の負担とはならない。ウ 原状回復ガイドラインによれば、フローリングワックスがけの費用は、賃借人の負担とはならない。エ 原状回復ガイドラインによれば、備付けのエアコンの内部洗浄の費用は、喫煙による臭いの付着の有無にかかわらず、賃借人の負担となる。
正解: 3. イ、エ
- ① ○ 正しい。アは正しい。エアコン(賃借人所有)設置によるビス穴は、生活必需品の設置に伴うものとして通常の損耗(貸主負担)とされる。
- ② × 誤り。イが誤り。喫煙によるタバコの臭いは、通常の使用による損耗を超えるものとして賃借人負担になり得る。
- ③ ○ 正しい。ウは正しい。フローリングワックスがけは、物件の維持管理の意味合いが強く、貸主負担とされる。
- ④ × 誤り。エが誤り。エアコンの内部洗浄費用は、喫煙等の臭いが付着していない場合は貸主負担で、付着の有無にかかわらず借主負担になるわけではない。
- 条文: 原状回復ガイドライン「タバコ等のヤニや臭い(喫煙等によりクロス等が変色したり、臭いが付着している場合)」は借主負担の欄に例示
- 条文: 原状回復ガイドライン「エアコンの内部洗浄(喫煙等の臭いなどが付着していない場合)」は貸主負担の欄に例示
- 引っかけ: 「臭いの付着の有無にかかわらず」のように、条件を無視して常に借主負担とする型。
- まとめ: エアコン設置のビス穴・ワックスがけは貸主負担、タバコの臭いは借主負担、内部洗浄は臭いの付着があって初めて借主負担。
賃貸住宅における原状回復に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
正解: 4. 原状回復に係る少額訴訟においては、反訴を提起することはできない。
- ① × 誤り。経過年数を超えていても、賃借人が故意・過失で破損し使用不能にした場合は、原状回復費用を負担することがある。
- ② × 誤り。ガイドラインは指針であり、法的拘束力を持つ法令ではない。特約の必要性・認識・意思表示の3要件を満たせば、異なる内容の特約も有効になり得る。
- ③ × 誤り。被告は、最初の期日で弁論する前などであれば、通常の手続に移行させる旨を申し立てることができる(民事訴訟法373条1項)。
- ④ ○ 正しい。少額訴訟では反訴を提起することができない(民事訴訟法369条)。
- 条文: 民事訴訟法369条「少額訴訟においては、反訴を提起することができない」
- 条文: 民事訴訟法373条1項「被告は、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる」
- ※ ガイドラインは指針であり、特約の有効性は3要件(必要性・認識・意思表示)で個別に判断される。
- 引っかけ: 「経過年数を超えたら免責」「ガイドラインと違う特約は無効」という思い込み。反訴・移行のような手続的な制限の混同。
- まとめ: 経過年数を超えても故意・過失には負担義務があり、ガイドラインと異なる特約も要件を満たせば有効。少額訴訟は反訴不可だが通常訴訟への移行は可能。
あなたはツバサ。備え付けのエアコンに、喫煙等の臭いは付着していなかった。この場合のエアコン内部洗浄費用は誰の負担か。
正解: 2. 貸主負担
- ① × 誤り。臭いが付着していない場合は借主負担にならない。
- ② ○ 正しい。エアコンの内部洗浄は、喫煙等の臭いなどが付着していない場合、貸主負担とされる。
- ③ × 誤り。半額という規定はない。
- ④ × 誤り。喫煙による臭いの付着があって初めて借主負担になり得る。
- 条文: 原状回復ガイドライン「エアコンの内部洗浄(喫煙等の臭いなどが付着していない場合)」は貸主負担の欄に例示
- 引っかけ: 「エアコンの内部洗浄は常に借主負担」と決めつける型(臭いの付着が無ければ貸主負担)。
- まとめ: エアコン内部洗浄は、喫煙等の臭いが付着していなければ貸主負担。
あなたはツバサ。退去時のハウスクリーニング費用について、経過年数はどう扱うか。
正解: 2. 経過年数は考慮しない
- ① × 誤り。6年の直線はクロス等の扱いで、クリーニングには使わない。
- ② ○ 正しい。クリーニング費用は経過年数を考慮しない。通常の清掃を実施していない場合、部位もしくは住戸全体の清掃費用相当分を全額借主負担とする。
- ③ × 誤り。建物の耐用年数を使う場面ではない。
- ④ × 誤り。入居年数に比例して安くなる規定ではない。
- 条文: 原状回復ガイドライン「クリーニングについて、経過年数は考慮しない。賃借人負担となるのは、通常の清掃を実施していない場合で、部位もしくは住戸全体の清掃費用相当分を全額賃借人負担とする」
- 引っかけ: あらゆる費用に「経過年数で安くなる」という発想を当てはめてしまう型。
- まとめ: ハウスクリーニング費用は経過年数を考慮せず、通常の清掃を怠っていれば全額借主負担。
あなたはツバサ。入居者の喫煙で、居室全体の壁クロスにヤニが染み込み変色していた。借主負担の範囲はどうなるか。
正解: 2. 居室全体のクリーニングまたは張替え費用を借主負担にできる
- ① × 誤り。居室全体に及んでいる場合は一部にとどまらない。
- ② ○ 正しい。喫煙等により居室全体にヤニ・臭いが付着している場合は、居室全体のクリーニングまたは張替え費用を借主負担にできる。
- ③ × 誤り。借主負担にできる場合がある。
- ④ × 誤り。半分という規定はない。
- 条文: 原状回復ガイドライン「喫煙等により当該居室全体においてクロス等がヤニで変色したり臭いが付着した場合のみ、当該居室全体のクリーニングまたは張替費用を賃借人負担とすることが妥当と考えられる」
- 引っかけ: 「居室全体に及んだ場合のみ」という条件を見落とし、常に一部だけと決めつける型、または逆に一部でも全体負担にする型。
- まとめ: 居室全体にヤニ・臭いが及んでいる場合に限り、居室全体の負担にできる。
あなたはツバサ。壁に、重い物をかけるために開けた釘・ネジの穴があり、下地ボードの張替えが必要なほど深かった。負担は誰か。
正解: 2. 借主負担
- ① × 誤り。画鋲の穴とは異なり、貸主負担にはならない。
- ② ○ 正しい。重量物をかけるための釘・ネジの穴で、下地ボードの張替えが必要な程度に深いものは、通常の使用による損耗を超えるとして借主負担になる。
- ③ × 誤り。業者は施工者であり、負担者ではない。
- ④ × 誤り。負担は発生する。
- 条文: 原状回復ガイドライン「壁等のくぎ穴、ネジ穴(重量物をかけるためにあけたもので、下地ボードの張替えが必要な程度のもの)…画鋲等のものに比べて深く、範囲も広いため、通常の使用による損耗を超えると判断されることが多い」
- 引っかけ: 画鋲の穴(貸主負担)と釘・ネジの深い穴(借主負担)を同じ扱いにする型。
- まとめ: 重量物用の釘・ネジの深い穴は借主負担。画鋲の穴とは区別する。
あなたはツバサ。入居者が普段から通常の清掃をきちんと行っていた場合、退去時の専門業者によるハウスクリーニング費用は誰の負担か。
正解: 2. 貸主負担
- ① × 誤り。通常の清掃をしていた場合は借主負担にならない。
- ② ○ 正しい。専門業者による全体のハウスクリーニングは、賃借人が通常の清掃を実施している場合、貸主負担とされる(次の入居者確保のためのもの)。
- ③ × 誤り。半額という規定はない。
- ④ × 誤り。業者が無償で行う規定ではない。
- 条文: 原状回復ガイドライン「専門業者による全体のハウスクリーニング(賃借人が通常の清掃を実施している場合)」は貸主負担の欄に例示
- 引っかけ: ハウスクリーニングは常に借主負担だと思い込む型(通常の清掃を怠った場合のみ借主負担)。
- まとめ: 通常の清掃をしていればハウスクリーニングは貸主負担。怠っていた場合のみ借主負担になる。
あなたはツバサ。フローリングの毀損が複数箇所にわたり、床全体を張り替えることになった。この場合の経過年数の扱いはどれか。
正解: 2. 建物の耐用年数で残存価値1円となる直線を想定して負担割合を算定する
- ① × 誤り。床全体を張り替える場合は経過年数を考慮する。
- ② ○ 正しい。フローリング床全体を張り替えた場合は、建物の耐用年数で残存価値1円となる直線を想定して負担割合を算定する。
- ③ × 誤り。クロスの6年とは別に、建物の耐用年数を使う。
- ④ × 誤り。畳と同じ扱いではない。
- 条文: 原状回復ガイドライン「フローリング全体にわたっての毀損によりフローリング床全体を張り替えた場合は、当該建物の耐用年数…で残存価値1円となるような直線を想定し、負担割合を算定する」
- 引っかけ: 部分補修(経過年数を考慮しない)と全体張替え(考慮する)を取り違える型。
- まとめ: フローリングの部分補修は経過年数を考慮しないが、床全体の張替えは建物の耐用年数で考慮する。
あなたはツバサ。入居者が貸主の承諾を得てペットを飼育していた。柱にキズが付き、臭いが付着していた。この場合の負担はどうなるか。
正解: 2. 承諾の有無にかかわらず、借主負担になり得る
- ① × 誤り。承諾の有無で結論は変わらない。
- ② ○ 正しい。ペットによる柱・クロス等のキズ・臭いは、承諾の有無にかかわらず借主負担になり得る。無断飼育はさらに別に契約違反になる。
- ③ × 誤り。半分という規定はない。
- ④ × 誤り。臭いだけ別扱いにはならない。
- 条文: 原状回復ガイドライン「ペットにより柱、クロス等にキズが付いたり臭いが付着している場合は賃借人負担と判断される場合が多い…賃貸物件でのペットの飼育が禁じられている場合は、用法違反にあたるものと考えられる」
- 引っかけ: 「承諾があれば貸主負担」という誤解で、無断飼育の場合だけ借主負担だと思い込む型。
- まとめ: ペットの傷・臭いは承諾の有無にかかわらず借主負担になり得る。無断はそれとは別の契約違反。
あなたはツバサ。冷蔵庫の下に発生したサビを、入居者が拭き取らず放置した結果、床に汚損が生じた。負担は誰か。
正解: 2. 借主負担。サビを放置し、床に汚損等の損害を与えたと判断される
- ① × 誤り。冷蔵庫の設置自体は必需品でも、サビの放置は別問題。
- ② ○ 正しい。拭き掃除で除去できる程度のサビを放置し、床に汚損等の損害を与えた場合は、善管注意義務違反に該当する場合が多く、借主負担になり得る。
- ③ × 誤り。半額という規定はない。
- ④ × 誤り。メーカーの負担という規定ではない。
- 条文: 原状回復ガイドライン「冷蔵庫下のサビ跡…冷蔵庫に発生したサビが床に付着しても、拭き掃除で除去できる程度であれば通常の生活の範囲と考えられるが、そのサビを放置し、床に汚損等の損害を与えることは、賃借人の善管注意義務違反に該当する場合が多い」
- 引っかけ: 「拭けば取れる程度」と「放置して汚損させた」を同じ扱いにする型。
- まとめ: 拭き取れば済む程度は通常の範囲だが、放置して汚損させれば借主負担。
あなたはツバサ。台所のガスコンロ置き場・換気扇に、手入れ不足による油汚れ・すすが付着していた。負担は誰か。
正解: 2. 借主負担。清掃・手入れを怠った結果の汚損とされる
- ① × 誤り。設備であることと、手入れ不足による汚損は別問題。
- ② ○ 正しい。ガスコンロ置き場・換気扇等の油汚れ、すすは、借主が清掃・手入れを怠った結果生じた汚損として借主負担になり得る。
- ③ × 誤り。半額という規定はない。
- ④ × 誤り。業者は施工者であり負担者ではない。
- 条文: 原状回復ガイドライン「ガスコンロ置き場、換気扇等の油汚れ、すす(賃借人が清掃・手入れを怠った結果汚損が生じた場合)」
- 引っかけ: 設備だから常に貸主負担、という思い込みで手入れ不足を見落とす型。
- まとめ: 手入れ不足による台所の油汚れ・すすは借主負担。
あなたはツバサ。少額訴訟の審理は、通常どのように進むか。
正解: 2. 特別の事情がある場合を除き、最初の期日で審理を完了する
- ① × 誤り。何度も期日を重ねるのは通常訴訟のイメージ。
- ② ○ 正しい。少額訴訟は、特別の事情がある場合を除き、最初にすべき口頭弁論の期日で審理を完了する。
- ③ × 誤り。口頭弁論の期日は開かれる。
- ④ × 誤り。1年もかけない、迅速な解決を目的とする制度。
- 条文: 民事訴訟法370条1項「少額訴訟においては、特別の事情がある場合を除き、最初にすべき口頭弁論の期日において、審理を完了しなければならない」
- 引っかけ: 少額訴訟の「迅速性」を見落とし、通常訴訟と同じ進行をイメージする型。
- まとめ: 少額訴訟は原則、最初の1回の期日で審理を終える。
あなたはツバサ。少額訴訟で訴えられた借主が、反訴を提起したいと言っている。できるか。
正解: 2. できない。少額訴訟では反訴を提起することができない
- ① × 誤り。通常訴訟とは異なり、少額訴訟では反訴できない。
- ② ○ 正しい。少額訴訟においては、反訴を提起することができない。
- ③ × 誤り。訴額の大小は関係ない。
- ④ × 誤り。貸主の同意があっても反訴自体が制度上できない。
- 条文: 民事訴訟法369条「少額訴訟においては、反訴を提起することができない」
- 引っかけ: 少額訴訟を通常訴訟と同一視し、反訴も自由にできると思い込む型。
- まとめ: 少額訴訟では反訴を提起することができない。
あなたはツバサ。原状回復費用70万円について、少額訴訟を提起できるか。
正解: 2. できない。少額訴訟の対象は60万円以下の金銭の支払請求に限られる
- ① × 誤り。60万円を超える請求は対象外。
- ② ○ 正しい。少額訴訟は、訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払請求に限られる。
- ③ × 誤り。訴額を分割して回避することは想定されていない。
- ④ × 誤り。原状回復費用の請求自体は金銭の支払請求であり、60万円以下なら対象になる。
- 条文: 民事訴訟法368条1項「簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が六十万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる」
- 引っかけ: 対象額の上限(60万円)を見落とす型。
- まとめ: 少額訴訟は60万円以下の金銭の支払請求に限られる。
あなたはツバサ。少額訴訟の判決に納得できない側が、上級の裁判所に不服を申し立てたいと言っている。どうすればよいか。
正解: 2. 少額訴訟の終局判決に控訴はできない。同じ裁判所への異議の申立てによる
- ① × 誤り。少額訴訟の終局判決には控訴できない。
- ② ○ 正しい。少額訴訟の終局判決には控訴できず、同じ裁判所への異議の申立てによる。
- ③ × 誤り。最高裁判所への直接申立てという制度ではない。
- ④ × 誤り。異議の申立てという不服申立て手段はある。
- 条文: 民事訴訟法377条「少額訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができない」
- 引っかけ: 「不服がある=控訴」という通常訴訟のイメージをそのまま少額訴訟に当てはめる型。
- まとめ: 少額訴訟の終局判決には控訴できず、同じ裁判所への異議の申立てに限られる。
あなたはツバサ。少額訴訟で借主に不利な判決が出そうだが、借主の生活状況を考慮してほしいと相談を受けた。裁判所はどう対応できるか。
正解: 2. 認容判決でも、被告の資力等を考慮し、支払時期の猶予や分割払いの定めができる
- ① × 誤り。考慮する制度が用意されている。
- ② ○ 正しい。裁判所は、認容判決でも、被告の資力その他の事情を考慮し、支払時期の猶予や分割払いの定めをすることができる。
- ③ × 誤り。請求自体が認められないわけではない。
- ④ × 誤り。貸主の同意は要件ではない。
- 条文: 民事訴訟法375条1項「裁判所は、請求を認容する判決をする場合において、被告の資力その他の事情を考慮して特に必要があると認めるときは…その時期の定め若しくは分割払の定めをし…することができる」
- 引っかけ: 「請求が認められる=一括ですぐ払う判決しかない」という思い込み。
- まとめ: 少額訴訟の認容判決でも、支払時期の猶予・分割払いの定めができる。
あなたはツバサ。退去の引越作業中に、床に引っかき傷ができた。負担は誰か。
正解: 2. 借主負担
- ① × 誤り。引越自体は避けられなくても、傷の発生は別問題。
- ② ○ 正しい。引越作業等で生じたひっかきキズは、借主の善管注意義務違反または過失に該当する場合が多いとされる。
- ③ × 誤り。引越業者の負担という整理ではなく、賃貸借契約上は借主の負担として扱われる。
- ④ × 誤り。半額という規定はない。
- 条文: 原状回復ガイドライン「引越作業で生じたひっかきキズ(考え方)賃借人の善管注意義務違反又は過失に該当する場合が多いと考えられる」
- 引っかけ: 「引越は仕方ない」という理由で、傷の負担まで免除されると誤解する型。
- まとめ: 引越作業で生じた傷は、借主の善管注意義務違反・過失として借主負担になり得る。
あなたはツバサ。大野さんがたばこの不始末で壁に焦げ跡を付けた。これは通常損耗にあたるか。
正解: 2. あたらない。賃借人の故意・過失による損耗であり、借主負担になる
- ① × 誤り。焦げ跡は通常の生活で当然に生じるものではない。
- ② ○ 正しい。故意・過失による損耗は通常損耗にあたらず、借主負担になる。
- ③ × 誤り。半額という規定はない。
- ④ × 誤り。通常損耗にあたらない以上、貸主負担にはならない。
- 条文: 民法621条「賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う」
- 引っかけ: 「生活していれば当然」という言い訳で、故意・過失による損耗を通常損耗に混ぜる型。
- まとめ: たばこの焦げ跡は故意・過失による損耗で、借主負担。
あなたはツバサ。大野さんから「敷金を修繕費に充ててほしい」と請求された。応じる必要があるか。
正解: 2. 応じる必要はない。敷金の充当を請求できるのは貸主だけで、借主から請求することはできない
- ① × 誤り。借主から敷金充当を請求することはできない。
- ② ○ 正しい。貸主は敷金を債務の弁済に充てることができるが、借主から充当を請求することはできない。
- ③ × 誤り。半額という規定はない。
- ④ × 誤り。貸主の破産の有無で結論は変わらない。
- 条文: 民法622条の2第2項「賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。この場合において、賃借人は、賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができない。」
- 引っかけ: 敷金の充当を「貸主・借主どちらからでも請求できる」と誤解する型。
- まとめ: 敷金の充当は貸主の権利であり、借主からは請求できない。
あなたはツバサ。ドアくんから「敷金って何ですか」と聞かれた。最も適切な説明はどれか。
正解: 2. 名目を問わず、賃料債務その他賃貸借に基づく金銭債務を担保するために借主が貸主に交付する金銭
- ① × 誤り。前払い金ではない。
- ② ○ 正しい。敷金は、名目を問わず賃借人の金銭債務を担保する目的で交付される金銭をいう(民法622条の2)。
- ③ × 誤り。礼金は返還されない性質の金銭で、敷金とは異なる。
- ④ × 誤り。債務があれば控除されるため、全額返還が保証されているわけではない。
- 条文: 民法622条の2第1項柱書「賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。)を受け取っている場合において…」
- 引っかけ: 敷金・礼金・前払い家賃を混同する型。
- まとめ: 敷金は名目を問わず、金銭債務を担保する目的で交付される金銭。
あなたはツバサ。大野さんから「いつ敷金を返してもらえるか」と聞かれた。正しい答えはどれか。
正解: 2. 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還(明渡し)を受けた後に返す
- ① × 誤り。契約終了だけでなく、明渡しも必要。
- ② ○ 正しい。敷金の返還義務は、賃貸借が終了し、かつ賃貸物の返還を受けたときに生じる。
- ③ × 誤り。通知だけでは足りない。
- ④ × 誤り。定期報告の時期とは無関係。
- 条文: 民法622条の2第1項1号「賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。」
- 引っかけ: 「契約終了=即返還」と、明渡しの要件を見落とす型。
- まとめ: 敷金の返還は、賃貸借の終了と明渡しの両方が揃って初めて発生する。
あなたはツバサ。入居時点ですでに5年経過していたクロスが、入居3年後に借主の過失で毀損した。残存価値の直線はどこから引くか。
正解: 2. 入居時点の残存価値を起点にして直線を引く
- ① × 誤り。新品から数え直すのではない。
- ② ○ 正しい。入居時点ですでに古かった物は、入居時点の残存価値を起点(グラフの出発点)にして直線を引く。
- ③ × 誤り。毀損時点を100%とする規定ではない。
- ④ × 誤り。クロスは経過年数を考慮する対象である。
- 条文: 原状回復ガイドライン「入居時点の状態でグラフの出発点をどこにするかは、契約当事者が確認のうえ、予め協議して決定することが適当である」
- 引っかけ: 「経過年数はいつも新品から数える」という思い込みで、入居時点の状態を見落とす型。
- まとめ: 入居時点ですでに古かった物は、入居時点の残存価値を起点に直線を引く。
あなたはツバサ。契約書のクリーニング特約が有効かどうかを判断したい。何を確認すればよいか。
正解: 2. ①特約の必要性があり暴利的でないこと②借主が義務の内容を認識していること③借主が同意の意思表示をしていること、の3つ
- ① × 誤り。書いてあるだけでは足りない。
- ② ○ 正しい。特約の必要性・暴利的でないこと、借主の認識、借主の意思表示の3要件が必要。
- ③ × 誤り。貸主側の経緯だけでは判断できない。
- ④ × 誤り。借主が認識しているかどうかは要件の1つである。
- 条文: 原状回復ガイドライン「例外的に借主の負担とする特約を定めるためには…①特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること②借主が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること③借主が特約による義務負担の意思表示をしていること」
- ※ 最高裁判例(平成17年12月16日)でも、この3要件に近い考え方が示されている。
- 引っかけ: 「契約書に書いてあれば有効」という思い込みで、3要件の確認を省略する型。
- まとめ: 特約の有効性は、必要性・借主の認識・借主の意思表示の3要件で判断する。
あなたはツバサ。クリーニング特約が無効だった場合、大野さんが付けたたばこの焦げ跡の費用は、大野さんが負担しなくてよいか。
正解: 2. 負担する必要がある。故意・過失による損耗は特約が無くても借主負担になる
- ① × 誤り。特約の有効性と、故意・過失による損耗の負担は別問題。
- ② ○ 正しい。故意・過失による損耗(焦げ跡)は、特約が無くても、あるいは特約が無効でも借主負担になる。
- ③ × 誤り。半額という規定はない。
- ④ × 誤り。貸主が全額負担するわけではない。
- 条文: 民法621条「賃借人は…その損傷を原状に復する義務を負う」
- 引っかけ: 特約の有効性と、通常の原状回復義務(621条)の負担を混同する型。
- まとめ: 特約が無くても、故意・過失による損耗は民法621条により借主負担になる。
あなたはツバサ。退去立会いで、壁に画鋲やピンの穴が複数見つかった。この穴の原状回復費用は誰の負担か。
正解: 2. 貸主負担
- ① × 誤り。画鋲・ピンの穴は通常の使用の範囲とされる。
- ② ○ 正しい。画鋲・ピンの穴(下地ボードの張替えが不要な程度のもの)は、通常の生活で行われる範疇として貸主負担とされる。
- ③ × 誤り。半額という規定はない。
- ④ × 誤り。業者は施工者であり、負担者ではない。
- 条文: 原状回復ガイドライン「壁等の画鋲、ピン等の穴(下地ボードの張替えは不要な程度のもの)…ポスターやカレンダー等の掲示は、通常の生活において行われる範疇のものであり…通常の損耗と考えられる」
- 引っかけ: 画鋲の穴と、重量物用の釘・ネジの穴を同じ扱いだと誤解する型。
- まとめ: 画鋲・ピンの穴は貸主負担。深い釘・ネジの穴とは扱いが異なる。
あなたはツバサ。畳表の張替えが必要になった。経過年数はどう扱うか。
正解: 2. 経過年数は考慮しない(消耗品として扱う)
- ① × 誤り。6年の直線はクロス・カーペット等の扱い。
- ② ○ 正しい。畳表は消耗品であり、減価償却資産になじまないため、経過年数は考慮しない。
- ③ × 誤り。建物の耐用年数を使うのはフローリング全体張替えの場合。
- ④ × 誤り。10年という基準はない。
- 条文: 原状回復ガイドライン「(畳表)消耗品に近いものであり、減価償却資産になじまないので、経過年数は考慮しない」
- 引っかけ: 畳表をクロス・カーペットと同じ「6年で1円」の扱いだと誤解する型。
- まとめ: 畳・襖等の消耗品は経過年数を考慮しない。
あなたはツバサ。104号室の壁紙が日照で変色していた。大野さんはこの変色の費用を負担する必要があるか。
正解: 2. 負担する必要はない。経年変化にあたる
- ① × 誤り。壁を使う場所だからという理由では負担は決まらない。
- ② ○ 正しい。日照による変色は経年変化にあたり、貸主負担となる。
- ③ × 誤り。半額という規定はない。
- ④ × 誤り。写真の有無と負担の有無は別問題。
- 条文: 民法621条「…通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く…」
- 引っかけ: 経年変化を「借主が使ったから」という理由で借主負担にすり替える型。
- まとめ: 日照等による自然な変色は経年変化。貸主負担になる。
あなたはツバサ。内装業者から「経過年数を考慮するのはなぜですか」と聞かれた。最も適切な理由はどれか。
正解: 2. 古くなった物の価値は年数とともに下がるため、今ある価値の分だけ弁償してもらう考え方
- ① × 誤り。甘やかすためではなく、価値の実態に合わせる考え方。
- ② ○ 正しい。経過年数の考慮は、古くなった物の価値が年数とともに下がることを踏まえ、今ある価値の分だけ弁償してもらう考え方に基づく。
- ③ × 誤り。税金対策とは無関係。
- ④ × 誤り。業者の利益とは無関係。
- 条文: 原状回復ガイドライン「具体的には、経過年数が多いほど賃借人の負担割合が小さくなるようにする」
- 引っかけ: 経過年数を考慮する理由を、無関係な動機にすり替える型。
- まとめ: 経過年数の考慮は、物の価値の減少を反映させるための考え方。
あなたはツバサ。入居者が結露に気づいていたのに、貸主へ通知せず、拭き取りもしないまま放置した結果、壁にカビ・シミが広がった。負担は誰か。
正解: 2. 借主負担。通知・手入れを怠り損耗を拡大させたと判断される
- ① × 誤り。結露自体は構造上の問題でも、放置による拡大は別問題。
- ② ○ 正しい。結露を放置し、通知や手入れを怠って壁を腐食・カビ発生させた場合は、通常の使用による損耗を超えると判断されることが多く、借主負担になり得る。
- ③ × 誤り。半額という規定はない。
- ④ × 誤り。負担が発生しないわけではない。
- 条文: 原状回復ガイドライン「結露を放置したことにより拡大したカビ、シミ…賃借人が結露が発生しているにもかかわらず、賃貸人に通知もせず、かつ、拭き取るなどの手入れを怠り、壁等を腐食させた場合には、通常の使用による損耗を超えると判断されることが多い」
- 引っかけ: 結露の原因(建物の構造)と、放置による拡大(借主の手入れ不足)を混同する型。
- まとめ: 結露そのものは構造の問題でも、通知・手入れを怠った放置は借主負担になり得る。
あなたはツバサ。襖紙が入居者の過失で破れ、張替えが必要になった。経過年数の扱いはどれか。
正解: 2. 襖紙は消耗品として扱われ、経過年数を考慮しない
- ① × 誤り。6年の直線はクロス・カーペット等の扱いで、襖紙には使わない。
- ② ○ 正しい。襖紙・障子紙は消耗品として扱われ、経過年数を考慮しない。
- ③ × 誤り。建物の耐用年数を使うのはフローリング全体張替えの場合。
- ④ × 誤り。10年という基準はない。
- 条文: 原状回復ガイドライン「(畳表)消耗品に近いものであり、減価償却資産になじまないので、経過年数は考慮しない」(襖紙・障子紙も同じ消耗品の扱い)
- 引っかけ: 襖紙・障子紙をクロスと同じ「6年で1円」の扱いだと誤解する型。
- まとめ: 襖紙・障子紙・畳表は消耗品扱いで、経過年数を考慮しない。
あなたはツバサ。入居者が鍵を1本紛失した。10年前に交換したシリンダーである場合、負担はどうなるか。
正解: 2. 経過年数を考慮せず、シリンダー交換費用の全額が借主負担になる
- ① × 誤り。鍵の紛失は経過年数を考慮しない。
- ② ○ 正しい。鍵の紛失は経過年数を考慮せず、交換費用相当分を全額借主負担とする。
- ③ × 誤り。紛失した本数による按分という規定はない。
- ④ × 誤り。負担が発生しないわけではない。
- 条文: 原状回復ガイドライン「鍵の紛失の場合は、経過年数は考慮しない。交換費用相当分を全額賃借人負担とする」
- 引っかけ: 「古い物だから安くなる」という直感を、鍵の紛失にも当てはめてしまう型。
- まとめ: 鍵の紛失は例外的に経過年数を考慮せず、全額借主負担。
あなたはツバサ。契約期間中、紛失も破損もしていない鍵を、防犯上の理由で新しい入居者確保のために取り替えることにした。この費用は誰の負担か。
正解: 2. 貸主負担
- ① × 誤り。紛失・破損が無い鍵の取替えは借主負担にはならない。
- ② ○ 正しい。紛失・破損がない鍵の取替えは、貸主負担とされる。
- ③ × 誤り。業者は施工者であり負担者ではない。
- ④ × 誤り。折半という規定はない。
- 条文: 原状回復ガイドライン「鍵の取替え(破損、鍵紛失のない場合)」は貸主負担の欄に例示
- 引っかけ: 鍵に関する費用はすべて借主負担だと思い込む型(紛失時のみ借主負担)。
- まとめ: 鍵の取替えは、紛失・破損が無ければ貸主負担。紛失時のみ借主負担になる。
あなたはツバサ。テレビ・冷蔵庫の裏の電気ヤケと、家具の設置によるへこみ・設置跡が見つかった。負担は誰か。
正解: 2. 貸主負担
- ① × 誤り。いずれも通常の生活で必然的に生じるものとされる。
- ② ○ 正しい。テレビ・冷蔵庫の電気ヤケ、家具の設置によるへこみ・設置跡は、生活に必要なものの設置による通常の損耗として貸主負担とされる。
- ③ × 誤り。テレビだけ特別扱いする規定はない。
- ④ × 誤り。家具だけ特別扱いする規定はない。
- 条文: 原状回復ガイドライン「テレビ、冷蔵庫等の後部壁面の黒ずみ(いわゆる電気ヤケ)…通常の使用ととらえるのが妥当」「家具の設置による床、カーペットのへこみ、設置跡…通常の使用による損耗ととらえるのが妥当」
- 引っかけ: 生活必需品の設置に伴う痕跡まで借主負担にしてしまう型。
- まとめ: 電気ヤケ・家具の設置跡は、生活に必要なものの設置に伴うものとして貸主負担。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」 (国土交通省平成 23 年8月。以下、各問において「原状回復ガイドライン」という。)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解: 4. 賃貸借契約書に借主の帰責事由に基づく汚損を修復する費用について借主負担とする旨の定めがない場合であっても、借主がクロスに行った落書きを消すための費用は借主の負担となる。
原状回復ガイドラインに関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
正解: 2. フローリングの毀損箇所が一箇所のときは、居室全体の張り替え費用を借主の負担とすることはできない。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)」(国土交通省住宅局平成 23 年8月。以下、各問において「原状回復ガイドライン」という。)に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。ア 借主の負担は、建物、設備等の経過年数を考慮して決定するものとし、経過年数による減価割合は、償却年数経過後の残存価値が 10%となるようにして算定する。イ 中古物件の賃貸借契約であって、入居直前に設備等の交換を行っていない場合、入居時点の設備等の価値は、貸主又は管理業者が決定する。ウ 借主が通常の住まい方をしていても発生する損耗であっても、その後の借主の管理が悪く、損耗が拡大したと考えられるものは、借主が原状回復費用を全額負担する。エ 経過年数を超えた設備等であっても、継続して賃貸住宅の設備等として使用可能なものを借主が故意又は過失により破損した場合、借主は新品に交換する費用を負担する。
正解: 1. なし
原状回復ガイドラインにおける借主の負担に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
正解: 4. 鍵は、紛失した場合に限り、シリンダーの交換費用を借主の負担とする。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)」 (国土交通省住宅局平成 23 年8月。以下、各問において「原状回復ガイドライン」という。)に関する次の記述のうち、不適切なものの組合せはどれか。ア 原状回復ガイドラインによれば、賃借人が天井に直接つけた照明器具のビス穴の跡の原状回復費用は、賃借人の負担とはならない。イ 原状回復ガイドラインによれば、飼育ペットによる臭いの原状回復費用は、無断飼育の場合を除き、賃借人の負担とはならない。ウ 原状回復ガイドラインによれば、賃借人が設置した家具によるカーペットのへこみや設置跡の原状回復費用は、賃借人の負担とはならない。エ 原状回復ガイドラインによれば、台所、トイレの消毒の費用は、賃借人の負担とはならない。
正解: 1. ア、イ
原状回復ガイドラインに関する次の記述のうち、不適切なものはいくつあるか。ア 賃借人が6年間入居後、退去の際に壁クロスに落書きを行った場合、賃借人の負担は残存価値の1円となる。イ 賃借人の過失により襖紙の張り替えが必要となった場合、6年で残存価値1円となるような直線を想定し、負担割合を算定する。ウ 賃借人の過失によりフローリング床全体の張り替えが必要となった場合、経年変化を考慮せず、賃借人の負担となる。エ 賃借人の過失によりクッションフロアの交換が必要になった場合、経年変化を考慮せず、賃借人の負担となる。
正解: 4. 4つ
賃貸住宅における原状回復に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正解: 1. 賃貸人が敷金 100 万円から原状回復費用として 70 万円を控除して賃借人に敷金を返還した場合において、賃借人の故意・過失による損耗・毀損がないときは、賃借人は、敷金全額分の返還を受けるため、少額訴訟を提起することができる。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版) 」(国土交通省平成 23 年8月。以下、各問において「原状回復ガイドライン」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。ア 原状回復ガイドラインによれば、賃借人の過失による壁(クロス)の毀損部分の補修費用は㎡単位で賃借人の負担となり、毀損箇所を含む一面分を賃借人の負担とすることはできない。イ 原状回復ガイドラインによれば、賃借人の喫煙により居室全体にタバコのヤニや臭いが付着した場合、当該居室全体のクリーニング費用を賃借人負担とすることはできるが、当該居室全体の壁(クロス)の張替え費用を賃借人負担とすることはできない。ウ 原状回復ガイドラインによれば、賃借人の過失による襖の毀損部分の補修費用は㎡単位で賃借人の負担となり、毀損箇所を含む一枚分を賃借人負担とすることはできない。エ 原状回復ガイドラインによれば、賃借人の過失によるフローリングの毀損部分の補修費用は原則㎡単位で賃借人の負担となるが、フローリングの毀損が複数箇所にわたる場合は居室全体分の補修費用を賃借人の負担とすることができる。
正解: 1. 1つ
原状回復ガイドラインに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解: 2. 原状回復ガイドラインによれば、賃借人が通常の清掃を実施していない場合、住戸全体の清掃費用相当分の全額が賃借人の負担となることがある。
賃貸住宅における原状回復に係る少額訴訟に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。ア 少額訴訟では、裁判所は、原告の主張を認める場合でも、支払猶予の判決を言い渡すことができる。イ 賃貸人から請求された原状回復費用 50 万円を賃借人が支払わず立ち退きもしない場合、賃貸人は、少額訴訟により、50 万円の支払及び明渡しを請求することができる。ウ 少額訴訟では、1回の審理で判決が言い渡され、訴訟の途中で和解による解決はできない。エ 少額訴訟の判決に対して不服がある場合は、地方裁判所に控訴することができる。
正解: 1. 1つ
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(国土交通省平成 23 年8月。以下、各問において「原状回復ガイドライン」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。ア 原状回復ガイドラインによれば、賃借人所有のエアコンの設置によって生じた壁のビス穴の跡の原状回復費用は、賃借人の負担とはならない。イ 原状回復ガイドラインによれば、喫煙によりクロスに付着したタバコの臭いの原状回復費用は、賃借人の負担とはならない。ウ 原状回復ガイドラインによれば、フローリングワックスがけの費用は、賃借人の負担とはならない。エ 原状回復ガイドラインによれば、備付けのエアコンの内部洗浄の費用は、喫煙による臭いの付着の有無にかかわらず、賃借人の負担となる。
正解: 3. イ、エ
賃貸住宅における原状回復に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
正解: 4. 原状回復に係る少額訴訟においては、反訴を提起することはできない。